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KDDIとGREEが作るケータイSNSの未来とは

2006/07/31 23:24
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松村太郎

携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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 日本のソーシャルネットワーキング市場で2番手に付けるサービス「GREE」を運営するグリーに対して、auを擁するKDDIが出資した。ニュースリリースによると、双方のサービスや顧客、ブランド、ノウハウを生かしながら、ケータイ上でのPCとのシームレスなSNSサービスと、それを利用したデジタルコンテンツやコマースの展開を実現するための提携だとしている。

 簡単に解釈すればKDDIは、モバイル環境におけるWeb 2.0サービスのパートナーとしてグリーを選んだという印象を受けている。リリースの中に「ブランド」というキーワードが含まれているあたり、KDDIらしいし、グリーらしい。具体的な提携内容やそこから生み出されるであろうサービスに関してはまだ未定とのことなので、少し予測も交えて考えてみたいと思う。

 まずGREEのモバイルに関するポジションだが、2005年6月からケータイ向けのSNS「GREEモバイル」をスタートしている。このGREEモバイルはあらかじめPCで使い始めたGREEのユーザーは、全く同じ内容をケータイに最適化された画面構成で利用することができる。また既存のユーザーがケータイメールのアドレスを招待すれば、ケータイだけでもすぐにGREEを使い始めることができる。IDや友達のリンクなどの情報はPCとケータイ共通で、ケータイだけでもフル機能を使うことができるようになっていて、無料である。

 例えばSNSに作ったコミュニティでイベントを行うとき。夏場だから砂浜でのバーベキューをするとしよう。主催者はコミュニティに向けて、PCからイベントの告知を編集して、誘いたい人にGREE上でメールを送っておく。主催者は当日の朝早くに準備のために出かけてしまうが、出先でケータイからそのイベントに参加登録している人を確認することができ、さらに参加登録している人に追加の情報をGREE上のメールでケータイから送ることができる。

 もちろん人数が少なければケータイメールで送れば事足りるかもしれないが、10人近くになるとそれもまた手間だし、自分のケータイやGREEの友人リストを見比べてみても、必ずしも全員のケータイメールアドレスを知っているわけではない。GREEモバイルを使っていれば、SNS上で交わされるイベントのリアルタイムな情報をケータイだけでキャッチできる。こんな絶妙な使い方もこなしてくれるのがGREEモバイルだ。

 GREEモバイルは、現状、PCとケータイの使い分けやフルサービスが利用できる点で、日本のケータイ上のSNSでは一つ頭を抜け出した使い勝手の良いサービスであると評価できる。日本最大手のSNSサービス「ミクシィ」にもモバイル版はあるが、あくまでPC版のサブセット的な位置づけで、無料の状態ではメッセージの送受信などが利用できない。ちなみにミクシィのプレミアム会員は月額315円でフォトアルバム機能が使えるようになるほか、メッセージも無制限に保管できるようになる。

 さて、そんなGREEがKDDIと組んだとき、どんなサービスが輩出されてくるか。もう少しバックグラウンドとして、auのサービスでネットに近い領域のモノとしてDuogateがある。これはKDDIとエキサイトとmedibaの事業だ。ケータイとPCをつなぐポータルサイトというコンセプトで、ケータイとPCをシームレスに連動させるプロフィール、メール、ブログ、フォトアルバムなどのサービスが利用できる。

 またEZwebにGoogleの検索エンジンと連動したモバイル向け・PC向けの検索サービスを導入したニュースも新しい。NTTドコモもGoogleとの連携を発表していて、「ケータイからもググる」時代がもう来ている。そんな環境でのKDDIとグリーの提携であることを確認しておこう。その前提で考えてみると、むしろケータイSNSという単純なシナジーと言うよりは、もうちょっと広いモバイルメディア環境への影響に期待したい部分がある。僕はあまりこの言い回しは好きではないけれど、いわゆる「ユビキタス社会」と呼ばれイメージされているモノの実現とも言えるかもしれない。

 それは1つの考え方として、リアルな空間もWeb2.0の世界観に組み込んでくれるかもしれない、ということである。今でもWeb2.0系のサービスとして地域情報や地図情報を扱ったりするモノは存在していた。しかしあくまでそれを見ている人間は机の上のPCの画面の前にいるのである。PCで提供されているSNSがケータイでもスムーズに使える利点は前述の通りだが、逆にヒトが外に出ている環境において、その個人がどのような情報のコロニーを張り巡らすことができるか、という可能性にチャレンジできるのではないか。

 例えば街と呼応する情報コロニーがあるかもしれない。KDDIのケータイ端末はGPSによる位置情報がほぼ完備されている状態。情報をキャッチしたとき(何か考えたとき、何かを知ったとき、シャッターを切ったとき)、情報を発信したとき(メールを送ったとき、モブログを投稿したとき)、それぞれのアクションに位置情報がついてくれば、自分の行動を振り返るときに、何らかのパターンを自分で読み取ることができたり、友人とのつながりに「位置情報」というキーが追加される。

 管理されるのではなく、積極的な位置情報活用の手段である。もう少しかみ砕いた言い方をすると、場所に由来する自分の経験のアーカイヴをすることにつながる。もちろんそこには買い物をしたりエンターテインメントを消費したりという行動が存在しているわけで、これらの再利用可能な自分の経験は、何らかのレベルで友人や同じコミュニティの人たちに共有され、再生されるのだ。生活という究極のCGMが流通するプラットホームである。

 上に挙げたのは僕が考えている「ライフ・ダビング」というアイディアだけれど、今までRFIDタグか何かauのケータイとGREEモバイルでシンプルに実現されそうだ。それ以外にもケータイで扱えるYouTubeのような動画共有サービスとワンセグのリミックスにも興味があるし、ケータイの電話帳とSNSの融合によるコミュニケーションの個人ポータル化も興味深い。あまりに勝手に期待しすぎている間もあるのでこのくらいにしておこうと思います。

 さて時を同じくして、ヤフーの日本でのSNSサービスは、「Yahoo! 360°」から「Yahoo! Days」に名称を変更し、既存のSNSの役割とは違う方向性、具体的にはヤフーのサービスのブリッジをするような新しい役割を与えようとしている。当然その中にはソフトバンクのケータイからの利用も視野に入っているだろう(ソフトバンクのケータイの「Y!」ボタンを押したらYahoo! Daysが表示されてもいいんじゃないかと思う)。

 NTTドコモもモバイルSNSをやるのだとしたら、果たしてどうするのだろうか。ちなみにGoogleはKDDIだけでなくNTTドコモとの連携も決めている。グリーもGoogleと同じようにドコモとの連携を決めたとしたら、会員数で圧倒しているミクシィをも脅かすサービスを展開する存在にグリーが変化していくことになるかもしれない。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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