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ケータイっ子の登場 - こどもとケータイ特集

2006/05/19 16:24
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松村太郎

携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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 ケータイにご執心なのはこどもよりもオトナかもしれない。こんな仮説の答えを求めて慶應義塾大学小檜山研究室の天笠さん、叶多さんとの議論が始まった。 過去の記憶をさかのぼると、僕はケータイを持った日はうれしくてうれしくて仕方なかった。もともと機械が好きだったと言うことは大いに影響していると思うが、それ以上にケータイによって自分の電話を持つことが出来るようになることがとてもうれしかったのだ。親を気にしながら友達に電話したり、今度は友人の親御さんが出たらどうしよう、とドキドキしながら電話をかけたり。そんな経験があったからこそのケータイのうれしさでもあった。 これは昔話だとしても、あまりケータイに関心を示しているようには見えないこども達の様子には、気になるものがあった。いったいケータイを、こども達はどのようにとらえているのだろうか。そのヒントは、彼らがどのようにしてケータイを持ち始めたか、にあった。 「ケータイを持ち始める時期は、年々早くなっています。こどもが持ちたいという意志を持つ前に、親が持たせているパターンがほとんどです。そのためか、多少色の好みがあるかもしれないものの、端末にも特にこだわりを持っているわけではありません。また無くさないためという意味はありますが、単純に首から提げているのがうれしいそうです」(叶多さん) 「以前社会的に認知された言葉に“カギっ子”がありました。共働きの核家族の場合、小学生のこどもが家に帰る時間は誰もいないため、こどもに鍵を渡しておく必要がありました。このとき、無くさないように首から鍵を提げている様子からカギっ子という言葉が生まれました。首から提げるモノがケータイに変わったので、ケータイを持っている小学生は“ケータイっ子”と言うべきでしょうか」(天笠さん) もちろん今でも鍵を首から提げているこどもはたくさんいるが、これにケータイや防犯ベルやGPS端末などが追加されるようになった。防犯ベルやGPS端末は学校が生徒全員に配布している自治体が多いが、ケータイは親がこどもに持たせている。興味が湧く前にケータイを持たされて、持っているのが当たり前なこども達にとっては、ケータイはあまり特別なモノという解釈はしていない。 それではカギっ子とケータイっ子に違いはあるのだろうか。天笠さんは違いがあると指摘する。「カギっ子は学校から帰って、友達の家に遊びに行って、夕飯までに帰ってきて、と言った具合で、自分のことを自分で管理しています。そのため自分で出来ることを自分でしたり、けじめが付いたりするなど、大人っぽいこどもの姿が浮かび上がります」(天笠さん) つまりカギっ子は、自己管理の訓練を「鍵を持つ」事によってしているのではないか、ということだ。ちょっと言葉は悪いが、「マセガキ」というのは正にカギっ子から発展したこどもの姿を現しているのだろう。それではケータイっ子はどうだろうか。 「ケータイっ子はカギっ子のようにケータイを首から提げていますが、(前回指摘の通り)ケータイを親から持たされています。常に親とのコミュニケーションを取ることが出来る状態になっていて、親との連絡を定期的に行っている状態が続きます。こどもの成長は関係性の外部かが進むこと、と言われていますが、これではケータイによって親の管理が常に続けられている状態になってしまいます」(天笠さん) カギっ子はある程度自己管理、自己裁量の時間や空間が多くもたらされていた一方で、ケータイっ子はむしろ自己管理の時間・空間を狭めている可能性がある。常に親の管理下に置かれ、監視されているような状態になる。つまりケータイっ子は、カギっ子のようなマセガキとは違った成長の仕方をすることになりそうだ。さらに天笠さんは続ける。 「コミュニケーションを取り続けるだけならまだ良いのですが、GPSやICタグと言ったもので位置情報を確認したりするツールが組み込まれるようになってきました。すると首からケータイを提げているこどもは、モノと同じように、アル・ナシの情報で管理されるようになります。果たしてこれは、ケータイが豊かな社会を作っているようには思えません」(天笠さん) ユビキタス社会は「安心・安全」というキーワードで表されることが多い。しかし親がこどもをモノと同じように管理している姿は、もし本当に安心・安全であったとしても、豊かな社会だとは言えない。そう言う指摘だ。さらに、もしも安心・安全のための情報がもたらされたとしても、十分とは言えないが、その前にケータイとこどもの行動範囲に関して、議論を進めることにする。・ケータイ時代のスタンダード: こどもとケータイ特集

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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