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目指すは新しいカルチャーを支えるジェネレーションメディア - 「魔法のiらんど」(4)

2006-02-27 15:48:38

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松村太郎

携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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 「アイポリス」という自警団のような存在で若年層のネットコミュニケーションに対する責任を果たしてきた「魔法のiらんど」。このようなコミュニティの舵取りの中で見いだした彼らの次の役割とはいったい何か? コミュニティトラブルの話の最後に、インタビューに応じて頂いた伊東さんが「絵文字や顔文字なども含めて、文字で個性を表すスキルがむしろ得意になってきているかもしれない」と呟いたのは印象的だった。これがトラブルの元だし、逆に相互理解を可能にするスキルではないか。ティー・オー・エスの冨永さん・伊東さんへのインタビューの最終回。 「我々が想像できないようなコミュニケーションや文章のノウハウを有している」冨永さんはぽつりと一言で現在の魔法のiらんどを使っているユーザーを評した。そのアウトプットとしてスターツ出版から『天使がくれたもの』という本が2005年10月下旬に出版され、中高生を中心に既に15万部を出荷している人気ぶり。実体験から話を書いているため、同世代にとって親近感が強く誘っている。これも魔法のiらんど内の応援サイトの書き込みからキャッチした反応だそうだ。そして何を隠そう、この本はユーザーが魔法のiらんどの初期から搭載されている「ブック機能」を使って書き上げたものだった。 実際にその本を見てみると、横書きで組まれていて1文は極度に短い。今までのスタイルの小説に読み慣れていて、このブログでは自分でもちょっと難解かなと思うくらい1文が長めになりがちな文章を書いている僕からすると、率直な感想として、読んでいくテンポが上手くつかめないというか。絶対にこんな長い1文は出てこないのだ(1つ前の文はちょっとわざと長い文にしすぎましたが)。まさにケータイだけで組み上げられた文章をそのまま収録しているのがこの小説なのだそうだ。 同じように魔法のiらんど上で書かれた短編小説が4編収録された『ケータイからあふれたLOVE STORY』(ゴマブックス)が2005年12月にリリースされた。 「僕らからすると相当天才的な才能だな、と思いますね。メールを打っている感覚で本が出来てしまう。普通は無理ですよね。ある程度まで書いてみて、戻って修正したり、1段落をごっそり入れ替えてみたりしながら書いていく、これが当たり前だと思っていましたが、そんな編集すらしないで、頭からあの短い文章を繋いで1冊分の本を一気に書き上げる。どうやったら出来るんでしょうね」(冨永さん) 「メールを打っていく感覚で本を書いているのでしょうね。1日のメールの数が桁違いで、もはや短い文章のやりとりのプロなのでしょう。何をケータイで喋りたいのか、と言うことが頭の中にあって、何往復ものメールのやりとりでそれを文字にして伝えていく。口で会話するのと同じ感覚で、細切れの言葉を1本の会話のラインで繋いでいくスキルが備わっているとしか思えません」(伊東さん) ケータイで小説を読むという話は当たり前になりつつあるが、ケータイで小説を書く、というのは驚きだった。そしてケータイで書かれた小説は、書籍化されるまではやはりケータイで読まれていた。魔法のiらんどにはランキング機能があり、『天使がくれたもの』へのアクセスが集まってランキングの上位に入ったために、その存在が一挙に広まった。書籍化の要望も、この小説を読んでいる一ファンからの提案だったそうだ。作者本人だけでなくファンもはじめから同じコミュニティに存在している。表現する人にとって心強い存在ではないか。 「魔法のiらんどのサービスポリシーは、若年層のユーザーの夢を形にしていきたい、と言う目的を達成することです。今後サービスを使うインセンティブは「自己表現が出来る」という点にしていきたいです。例えばアルバムの機能を使えば、カメラマンになりたいという些細な夢を先取りして実現できる。ブックは小説家の卵になれるでしょう。コミュニケーションの中で自己表現をしていく、新しい創作の現場になっていると思います」(冨永さん) そんな魔法のiらんどを有するティー・オー・エスが目指す今後のアプローチは「ジェネレーションメディアになること」(冨永さん)だそうだ。その一環として、2005年12月14日に「魔法のデコらんど」をリリースした。魔法のiらんどで使い始めた「魔法の」シリーズを展開し、韓国の企業と開発した「ミニホームページ」サービスで、魔法のiらんどと同じIDで利用することが出来る。 「魔法のiらんどを使っているユーザーがいきなりブログ、いきなりSNSに移行することはないと考えています。そこで韓国で普及しているミニホームページというカルチャーがフィットすると考えて魔法のデコらんどをリリースしました。アバター、掲示板、ハイグレード化された日記やブック機能など、魔法のiらんどのサービスをほとんど踏襲しPC向けにブラッシュアップしました。魔法のiらんどとIDは共通ですが、日記もブックも全く新しく作り始めることになります。コミュニケーションのシーンに合わせてツールを使い分けられるようにし、どんなシーンでも「魔法の」シリーズを使ってもらえるように取り組んでいきます」(冨永さん) ネットコミュニケーションを「安心して」経験し始めることができ、同世代が作った小説や写真などの作品が作られる。まずコミュニティ内で同世代が評価して、それが世の中にアウトプットされる。そして新たにコミュニケーションシーンに併せてステップアップするなど、ツールを使い分けられる柔軟性がある。これがティー・オー・エスが描く「ジェネレーションメディア」展開の第1歩である。そんなメディアを手にしているワカモノをうらやましく思いつつ、今後の発展を見守っていきたい。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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