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    CNET Japan ブログ

    ケータイキャスティングを実践するエリアチャンネル

    2006-01-16 13:58:24

    プロフィール

    松村太郎

    携帯電話の機能進化が進む中、アーリーアダプター層がどのように携帯電話を使いこなし、生活がどう変わっていっているのかについて、携帯電話と社会のあり方について研究するSFC研究所の松村太郎さんが紹介します。
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     年をまたいでご紹介しているウェザーニューズへのインタビュー。森下さんと石橋さんのお話でまだ触れていなかった点をご紹介していきたい。前回のエントリーでは「トランスメディア」という概念を伺った。メディアとコンテンツの適材適所を推し進めるという考え方で、人の生活にフィットするコンテンツ提供を、ケータイ、テレビ、ネットをトータルに見ながら行っているというお話を伺ってきた。しかしウェザーニューズの気象情報の提供は、次の段階に入っている。「気象情報を一緒に作る」という段階だ。 前回のウェザーニューズのエントリーの最後に、ケータイにカメラが入ったことが最もインパクトがあった、と書いた。このインパクトに関係するのが気象情報を一緒に作るというプロセスである。2005年、ケータイを使って日本の梅雨の雨を解剖しようという目的で行われた「雨プロジェクト」(紹介したエントリーはこちら)では、その日降った雨を毎日ユーザーから収集して、前日の雨の情報をコンテンツとして提供するという流れが出来ていた。天気の情報の流れを変えた快挙である。 ユーザーサイドから情報を提供してもらうという流れを作り出したきっかけが、他ならぬカメラ付きケータイだったそうだ。同じ虹の写真が1600枚 「先日、関東で大雨が降ってその後に虹がキレイに出たので、虹の写真の募集をしてみたんです。そうしたら本当にたくさんの虹の写真が寄せられてびっくりした経験をしました。こんなにたくさんの人が虹を見ていたのか。虹をケータイのカメラで撮影していたのか。同じ虹だけ集めた1600枚の写真集が一瞬にして出来上がったのも驚きでした。しかも最近ケータイのカメラのクオリティも高いので、同じ虹をこんなに多方向からとらえたことも初めてでした。これを次の朝にはユーザーの皆さんに公開できるんです」(石橋さん) ケータイを空に構えて写真を撮った人が1600人もいたのだ。空を見上げて虹を見た人はもっといたかもしれない。雨上がりという同じタイミングに同じ虹を見るという、空間と体験の共有をカタチにしたのが、この虹の写真集だったのではないだろうか。たとえ自分が虹を見そびれたとしても、その経験を取り戻すことも出来る。気象というテーマに関して、ウェザーニューズのサービスによって視覚の拡張、双方向性を確保できたと言っても良いと思う。 僕が思ったのは、街で見かける空の写真や季節を表すような花の写真は、よくケータイに収められているのかな、ということだ。ウェザーニューズが、その日撮ってケータイの中に眠っている空の写真、気象に関する写真を、共有するために掘り起こした格好になり、たくさんの写真が集まる状況を作ることが出来たのかもしれない。話を続けましょう。 「同じものを見ても、自分はこう見えた、私はこう思った、というのは違っていて、そう言う他の感覚を知ることが出来るのも面白いと思います。個人の感性だったり、地域的な差だったり、歴史に裏打ちされたものだったり、それぞれの感じ方を左右する要素がたくさんあります。感じ方が違うのか、やっぱり同じように見えたのか。こういう部分が明らかになるコンテンツは面白いのでしょうね」(森下さん)地域性、個人差を伝えるケータイキャスティング 「地震の時も、同じ地震に遭った人たちから同時にレポートが来ます。こちらは大丈夫だ、かなり揺れたなど、現象を捉えるために価値ある情報だし、この量が増えることはクオリティになっていくと思います。その上で今後やっていきたいのは、集めた情報の分析や加工です。例えば花粉症。現在は花粉の飛散数を量的に発表しています。花粉は飛ぶことが生活に影響を与えるのではなく、花粉症という症状がポイントです。ただ少し飛んだくらいでは症状が出ない人もいれば、症状が出る人もいる。花粉量と言う現象と症状の有無の関係は人によって違うので」(石橋さん) 僕も花粉症に悩まされている人間だが、近年は特に目がひどい。同じ花粉症でも、鼻の症状を訴えている人が「今日はもう大変だよ」と言っていても僕はそこまでひどくなかったり、僕がまさに目を覆うような惨状に見舞われていたりしても「そんなに大変?」と平然としている人もいる。まさに個人差が現れている様子なのだが、これまでの気象情報は「花粉が非常に多い」という尺度でしか報じられなかった。 ウェザーニューズが集めるユーザーのレポートとデータの加工によって、花粉の種類や量というデータと症状の出方の関係が分かってくる可能性がある。加工する以前に、ユーザーが似た症状の人のレポートを探して対策を練ることも可能だ。画一的な情報提供ではなく、その地域やその人に併せた情報の提供が可能になる。これが一番身近にある双方向メディアだからこそ可能になるケータイキャスティングの魅力ではないか。 現在ウェザーニューズでは「エリアチャンネル」を開局し、より地域に特化した情報提供のメディア形成を行っている。3ヶ月を1クールとして、各クールに各地域でお天気キャスターをオーディションで起用し、毎朝動画でその地域の天気を配信している(現在日本国内で2期目のキャスターの募集・オーディションが行われています)。毎朝送られてくるメルマガ「朝刊メール」にリンクされてケータイから見ることが出来る。今までテキストと画像で行ってきた毎朝の気象情報の提供を動画で行う。ここにはどんな意味があるのか。 「実は韓国や台湾向けに作られた「おは天」のページビューも意外と多いのです。「おは天」は韓国でスタートしたプロジェクトで、現地でオーディションしたキャスターが、現地の言葉で、現地の天気を毎朝動画で伝えています。これに字幕を付けてそのまま日本でも配信しているものがうけているようなのです。韓国や台湾にこれから行く人以外にとって、気象情報としてのバリューとしては低いかもしれません。しかし見た目の面白さや、動画であるというリアルさに、コンテンツとしてのニーズがある。国内向けにも、このようなニーズを満たすコンテンツ作りをしていきたいと思います」(森下さん) その1つの答えが、日本国内でもスタートしたエリアチャンネルの動画による気象情報、という位置づけになる。気象情報をよりリアルに、きめ細かく配信していく。ケータイキャスティングが向かう1つの方向性がここに見られる。まだまだウェザーニューズのケータイコンテンツからは目が離せません。♪東京は夜の七時 / 野本かりあ(columbia*readymadeのネット配信楽曲)

    ※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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