公開された「崖の上のポニョ」は、内容に関してばかりで制作についてはこれといって語られない。試写ではパンフレットを入手出来なかったので即日購入した。すると、背景はクレヨンや色鉛筆等で描かれていると記されていた。アナログだ。しかしキャラクターの彩色に関しては特になかった。アニメ誌に手をつけてみたい衝動に駆られるが、来月NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に宮崎監督が登場するのでそちらを待つ事にした。
さて、今週は世界4大アニメーションフェスティバルの1つ、カナダのオタワ国際アニメーションフェスティバルのノミネート作品が発表されている。昨年、山村浩二さんの「カフカ 田舎医者」が短編部門でグランプリを受賞していたあのフェスティバルである。日本からは7作品が選ばれている。納得の作品もあれば意外に思う作品もあるかも知れない。
Ottawa International Animation Festival
http://ottawa.awn.com/
4大フェスティバルでも広島とクロアチアのザグレブにはないものの、これまでオタワとフランスのアヌシーにはインターネット部門も設けられていた。こちらは主にFlashで制作されたものが対象となっている。
ところが今回、オタワからもインターネット部門がなくなった。アヌシーも昨年から取りやめている。そもそもFlashで制作したからといって必ずしもその部門に応募しなくてはならないわけでもない。また、ネットで既に公開しているのにワールドプレミアとして紹介されたりするのもおかしな話ではあった。いずれにしても本格的な動画配信の普及を反映する事象の1つになるのだろうか(管理が大変だっただけかも知れないにしても)。
カナダと言えばカナダ映画制作庁は2006年、既にYouTubeにチャンネルを設置している。今年の5月に追加されたこの「THE DANISH POET」は、昨年のアカデミー賞短編部門で受賞した作品でもある。
この作品はFlashで制作されていないので注意。文脈で誤解されてしまう可能性があるので一応追記しておく。
また先週は2005年のアカデミー賞短編部門で受賞した「Ryan」も追加された。こちらは見れば分かるように3Dで制作されている。
nfb's Channel
http://www.youtube.com/nfb
これだけだと少々短いので、主だったアニメーション制作ツールとFlashを比較しながら簡単にこれまでの流れを見ていく。Flashが国内で登場したのは1996年である。スタジオジブリがTOONZを導入して初めて制作した「もののけ姫」の公開は1997年だった(3DはSoftimageを使用している)。一方、セルシスのRETAS!が登場したのはその少し前の1993年であるが、RETAS!が東映アニメーション等で本格的に導入されるようになるのは1998年以降である。ちなみにアドビが買収する前のAfter Effectsが登場したのも1993年である。
Flashは登場後にマクロメディアに買収された。その後、同社はFlashをサイト作成ツールのDreamweaverと画像編集ツールのFireworksを軸に展開していく。中でもFlashは動的なナビゲーションの制作等で重宝され始めた。特に90年代末は、中村勇吾さんのサイトが数年先を行っているとして話題となっていた。この辺りは春にNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」内でも紹介されていた。
この時期に話題となっていたアニメーションのツールが3Dであった事は以前も述べている。初代の伊達杏子やテライユキも丁度この時期に該当する。
Flashのアニメーションに関する事では、1999年にBak@flaが開始される。開始の経緯の1つには、この時点で既にFlashがアニメーション制作ツールでなくなってしまった事も挙げられている。
MKチャット対談 Flash10周年! 極私的Flash史 〜疾風怒濤篇〜
http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20061101140000.html
Bak@flaとは別にネットでブームとなった後の経緯は語る人が多いので、敢えて同じ事を繰り返すまでもない。Flashでのアニメーション制作で成功とするのをどこにするのかも人によりけりだ。ただネット上ではなく、マスメディアでの大々的な放送などを完成形とするならば、国内に於いては実に誕生から10年の歳月を要したわけである。そうなるとやはり惜しむらくは、ツールのメインの用途が既にそこにないという皮肉である。認知に至るまでのタイムラグがあまりにも大きかった。
マクロメディアを買収する前のアドビが、以前Flashに対抗して「Live Motion」を発売していた事を応用するなら、Flashを「初音ミク」のようにツールのイメージを刷新してスピンオフさせる手もある。ただ「初音ミク」で既に生じているように、普及の速さで逆にブームを維持するのが困難な状況になっている。
現在は「うるまでるびペイント」のリリースがいつなのかが専らの関心事ではあるものの、以上の点からしてもリリースされた後の状況が先に気になってしまうのであった。
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コメントありがとうございます。
日テレ系列ならではの放送ですね。
ここでの主旨に沿いますと、やはり情報を得るための
敷居が圧倒的に低いのが羨ましいという結論になります。