いよいよ明日はスタジオジブリ劇場最新作「崖の上のポニョ」が封切られる。筆者は既に試写で観た。得ていた事前情報としては作品タイトルの発表時くらいのものだった。CGを一切使わずに手描きで制作するという話はこれまでも聞かされている通りなので、そこだけは気になっていた。その際のバケツに入ったポニョのスチルもいかにもそれらしくて期待していた。
その期待は上映開始早々覆された。彩色としてはデジタル化後と同様なのである。手描きだけでは無理なエフェクトがかかっているシーンもある。撮影はさすがにデジタルだとしても、「サザエさん」のようにセル画にアナログ彩色まで回帰していたのかとまで思い込んでしまっていた。映画そのものに対しては、ジブリ美術館の土星座で上映されている作品のような印象を受けた。
劇場映画だけというのではないものの、CGというと3DやVFXの事という意味合いになっている。2Dのデジタル彩色がCGと呼ばれないのは何故なのか気になって仕方ない。作品紹介を色々読み比べてもアナログ彩色だと思われても仕方のない記事も少なくない。いわゆるアニメ塗りだからアニメで済まされている慣習の影響もあるだろう。
一方でCGとFlashといったカテゴリー分けもある。上記の理屈に従うと、デジタル彩色の手描きの存在が無視されているかのようでもある。もちろんこちらの区分の場合はデジタル彩色も含まれている。しかし、劇場映画等としてのCGを想像してしまう人には分かりにくい。そしてまた、Flashに対してアニメーションを制作するという意味でしか理解していないのであれば混乱してしまう。
このように他の文脈に置かれると矛盾が生じてしまう例が至る所に潜んでいる。Flashアニメという言葉にしても、これまでの経緯を知らなければ唐突に出てくるようになったようにしか見えないのである。アニメーション制作のみに限るなら、手描きのうちの1つに過ぎない。
以前書いたもののおさらいのようになってしまっているのは、下記の記事を読んでしまったからでもある。
Flashアニメはアニメ界をどう変えるのか!?
http://r25.jp/magazine/ranking_review/10005000/1112008071013.html
今までの類例からしても、Flashの使いどころはキャラクターの作画と彩色くらいだ。Flashアニメとしてでなく、映像としての完成度を上げるとなると背景はPhotoshop等で描く事になる。そしてどの道After Effectsに読み込んでの作業になってしまう。こうなってくるといわゆるFlashアニメを作ったというのではなくて、アニメーションの制作にFlashも使用したという意味合いになる。
Flashアニメという言葉のせいなのか、Flashを使っている人はどうしてFlashで制作した事を自己主張したがるのかという意見もなくもない。FROGMANさんの場合も劇中でFlashを使っているかどうかというのはさほど問題ではないだろう。今となっては映画を制作して劇場で公開出来ている事が最も重要であり、ステータスになっているのだから。
ちなみにスタジオジブリで使用している手描きツールはTOONZである。
TOONZ
http://www.toonz.com/
http://www.comtec.daikin.co.jp/toonz/
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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