前回のエントリーでは、次々と提供されるソーシャルメディアに対して飽和状態になっていくユーザの持ち時間を眺めてみました。
今回は、そんな情報飽和状態の中で、それでも必要とされる新たなサービスがあるとしたらどんなものなんだろう、といったところを、サービス提供側の気持ちになって、考えてみることにします。
かっちりとフレームを定めて構造的に整理できる問題でもありませんので、ひとつの視点を出発点に、奥へ奥へと直感で切り込んでいく方法で、ちょっと思考を巡らせてみようと思います。
ある視点なり事象なりをばっさりと二つに分けきる「二点分岐」[*1] のアプローチで、下のように直感の赴くまま分け入ってみました。

最初の分岐、順バリと逆バリですが、これはそもそも株式投資に関する用語[*2] です。
なのですが、ある期間の運用を経て群衆の動きと呼応することで価値の大方が決まってくるソーシャルサービスにとっては、これはしっくりとなじむ視点ではないでしょうか。
簡単に言えば、順バリとは 今あるトレンドが続くことを期待しての投資、逆バリとは今あるトレンドが変化することを見越しての投資、ということ。
見えているニーズを更に掘っていこうか、供給が閾値を超えたときの様相を予測して先回りしようか、まずはその分岐点から始めてみようと思います。
ユーザのコミットによって支えられるソーシャルサービスは、ユーザに某かの時間を割いてもらって始めて成立します。が、ユーザの時間は無限ではありません(このあたりの話題は前回のエントリーで)。
新しくソーシャルサービスを始めるほうは、まずはここの壁を越える必要がありますし、既存のトレンドに乗るのであれば、なおのことここはシビアです。
では、どうやって時間を割いてもらいましょう?
現状ユーザがソーシャルサービスに割いている時間を「メインの時間」、それ以外の暮らしにある時間を「スキマの時間」として、ふたつに分けて考えてみます。
例えばブログは、そもそもニーズがひとくくりのまま進化し浸透してきました。
それがここにきて、ニーズの細分化が起こり新たなサービスが根付いている感があります。
「この瞬間」を一言発したい人はtwitter、スクラップ目的の人はtumblrといったように、コミュニケーションのあり方や書き込む目的を細分化したことで、新たなニーズに届きました。
他にも、まだ切り出されていない細分化できるニーズはないでしょうか?
例えばブログは、「ウェブ」の「ログ」をとるという性質上、リアルタイムの記録に適した設計になっています。エントリーはつねに、新しい順でソートされるのがそのいい例でしょう。
が、これだけMTに代表されるブログシステムがCMSとして利用されるようになった今では、必ずしも新しい順に記事が並んでほしい人ばかりではないかもしれません。
ブログの諸機能はそのままに、時間やソートの扱いがもっと柔軟だったらいいのになぁ、というニーズがあるとしたら、そこを掘っていくとそれだけでも、なにやら新しいサービスの予感が? いかがでしょうか。
ある現象を抽象化して見てみると、「そもそもなんでこれがよかったの?」という本質的な欲求まで戻れることがあります。
ここでもブログを素材に考えてみますが、思えばブログが出始めた頃は、こんなに多くの人がこれだけの量のテキストを書いて自分の考えを世に問うことになるなどと、果たしてどれだけの人が予想できてたでしょうか。
が、これだけの爆発的普及。
そこにある本質的な欲求はなんだったのでしょうか。
例えばそれが「表現欲求」だったと考えるとすれば、フリーフォーマットのテキスト以外の表現方法を提案してみるのもいいかもしれません。
例えば動画投稿には、少なからずその要素があったことでしょう。
じっくりと腰を据えてPCに向かう時間がいっぱいなのだとしたら、それ以外のスキマの時間を考えてみるのは有効かもしれません。
「移動時間」でまっさきに思い浮かぶのが携帯でしょう。
既にモバゲータウンなどのサービスが、入力デバイスとしての携帯の利用シーンを浮上させましたが、彼らにとっては「移動」というよりもそこが生活のメインの時間でしょう。
オトナたちの移動時間を考えるとどうでしょうか。
読書に変わる、あるいは歩きながらできる、ソーシャルサービスへの魅力的な参加方法はないでしょうか。
移動以外のスキマ時間といえば、、、休息中。
とうことで、例えば、「就寝」や「お風呂」、などといったところに焦点を当ててみるのも面白いかもしれません。
「寝る前の○○」「起きたときの××」「くつろぐときの△△」などなど。
本来活動を止めているような時間帯に、ネットに繋がることで一日がより豊かになるようなサービスがあれば、使ってみたいですね。
と、ここまで図の「順バリ」ツリーについて考えてみました。
下半分の「逆バリ」については、長くなりそうなので、次回へつづく、といたします。
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*1 「二点分岐」とは、 松岡正剛さん(編集工学研究所所長)が考案した「編集思考素」という「考え方の型」にあたるもののひとつ。「ある概念や事象を2つの特性的な概念や事象に分岐させる方法」とあり、多少強引でもまっぷたつに割ってみることで発想を広げていくツール。
こちらの図解がわかりやすいです。
*2 「iFinance:金融経済用語集」より
順張り(順バリ)は、相場の流れに乗り、短期投資の視点で、相場が高くなると買う、あるいは相場が安くなると売るという投資手法である。
逆張り(逆バリ)は、相場の流れとは逆に、中長期投資の視点で、相場が悪い時に買う、あるいは相場が良い時に売るという投資手法である。逆張りの効用を説いた格言に、「人の行く裏に道あり花の山」というものがある。
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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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あ、あれは「ミッシー」と読むんですね? 勉強になりました。ありがとうございました ^_^