ソーシャルメディアが吐き出す情報は、今やヒッチコックの鳥となって人間を襲うことがあるようです。
“Web3.0はノイズを減らすもの − Twhirlじゃあだめなんだ” --TechCrunch
完全に私の失敗だ。Mikeの言うことなど聞くべきではなかったのだ。
と始まるこのエントリー、著者の悲痛な叫びは、申し訳ないのだけど、観客にはちょっとした喜劇です。

twhirl(AdobeAIRベースのtwitterの管理ツール)をインストールして大変なことになっている著者のデスクトップ。
Twhirlは1つの問題を確かに解決した(TwitterとFriendfeedのウェブサイトに、アクセスし続けなくてはならないという問題は解決した)。しかし新たな問題が生じただけだった(膨大すぎる情報がデスクトップに散乱してしまった)。
なるほど。ドアをあけたら、制御不能な情報がなだれ込んできたようです。
お気の毒に。
しかしこの問題は、ウェブを取り巻く今日の問題点を浮き彫りにしてはいないだろうか。つまり注目せざるを得ない情報は多すぎる中、ノイズを減らすための方法は十分でない。
まったくもって。人ごとではありませんね。
21,000もの人をフォローして、1秒毎にtweetを受け取る、もっともはまっているTwitterユーザのひとりである Robert Scobleだって、この問題に対処できなくなっている。
・・・21,000人?
やりすぎでしょ。
と、こんな人はそうそういるものではないでしょうが、この著者がいうように、この悲喜劇には今のWEBの本質的な問題も見えてきそうです。
現に、自分に入ってくる情報量が自分自身の情報処理能力を超えている、と思っている人は、おそらく少数ではないでしょう。
一方CNETからは、「じゃ、“普通の人”はどうなってるの?」という記事があがっていました。
“普通の人にソーシャルメディアに費やす時間はあるのか?” --CNET Read/WriteWeb
下の図で、「平均的な人々(twitterで21000人もフォローしてるような人じゃない人)」にとっての、「WEB2.0の所要時間」の目安が整理されています。

What can you accomplish in one week of web 2.0?
スケール上の点は平均的な人々(とはいえ特定の業界にかたよっている )が、どの程度の時間をかければ各種ソーシャルメディアとの関わりを日常的に維持できるかを示している。
オンラインで何らかの人間関係や表現活動を維持していくには、一食ご飯を食べる、くらいの時間は必要なようです。
もちろん、これらはアメリカ人による記事なので、必ずしも日本のカルチャーに合致するわけではないでしょう(2〜3年後には日本もこの状態に近くなる、と考えたほうが無難でしょうか)。
けれど、最後のまとめの一文に関しては、それが米国だろうが日本だろうが、ソーシャルサービスのプロバイダは、危機感を持って肝に銘じておいたほうがよさそうです。
何らかのサービスやアクティビティを、朝は6時に目覚ましが鳴り、夜は6時までは家には戻らないような友達に勧めるつもりなら、その友人にとって「空き時間」は貴重なものだということを考慮する必要がある。人に押し付けようとする新しいアプリケーションやサービスは、真の価値を持っている必要がある。
喉が渇いていない人に飲み物を勧めるのであれば、勧めるなりの根拠が必要でしょう。
体にいいとか、話のネタになる味だとか。
「どうぞお茶でも」だけでは、よしてよ・・・と顔を背けられてしまいます。
まだまだ無数のソーシャルサービスが立ち上がり、情報は溢れ出るでしょう。
そこでユーザの時間を奪い合う激しい競争が続いていくでしょうし、そうあるべきだと思います。
一方で、情報飽和状態ゆえに発生するニーズというのもあるのでは、と思います。
次回は、そのあたりをもうちょっと考えてみたいと思います。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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tsuzukiさん:
おっしゃる通りですね。
「ワタシこれあげるけど、アナタなにくれる?」というのを利用する側がシビアに見る昨今。ドロボーになるのすら、なかなか難しいですね。
ありがとうございました。