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著作権政策:孤児作品改革

2007/02/07 15:00
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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すでに10年近くに渡って、われわれの多くは孤児作品(Orphan Works)の問題に対処する著作権改革を求めてきた。これはソニー・ボノ著作権期間延長法への挑戦の主な動機のひとつでもあり、その試みが失敗に終わったあと、わたしがNY Timesに寄せた論説の主題でもあった。そこでは、孤児作品の問題に対処するひとつの仕組みを提案した。50年が経過した時点で著作権を登録し1ドルを支払うというものだ。そうしなかった場合、作品はパブリックドメインとなる。この提案はLofgren下院議員によるPublic Domain Enhancement Act(パブリックドメイン増進法案)の基となり、法案はHatchおよびLeahy上院議員が「孤児作品」の問題を調査するよう著作権局に指示した理由のひとつとなった。

著作権局の調査報告は優れたものだった。だが、その提案はそうともいえない。著作権局による提案の要は、もし「妥当な労力を尽くした調査」にも関わらず著作権者を見つけ出すことができなかった場合、作品は「孤児」とみなされるというものだ。作品が孤児と見なされた場合、著作権者の権利は縮小されることになる。

わたしはこれを過剰、かつ不十分だと考える。

過剰な点:すべての作品に即座に適用されることで、1978年以来の「細かいことは気にするな」というルールに従ってきた多くの著作権者たちに不公正な重荷を課すことになってしまう。また特に国外の、あるいは出版されていない作品の権利者たちにとって不利になる。わたしの見方では、写真家やそのほかの著作権者たちはこの提案に怒ってしかるべきだ。「妥当な労力による調査」の影で、かれらの作品は不公正に脅かされてしまう。

不十分な点:著作権局の提案で基準となるのは、「妥当な努力を尽くした探索」によって著作権の現在の保有者が見つかるか否かだ。これは曖昧すぎる。著作権局の報告書では、調査が「妥当な労力を尽くした」かどうか判定する6つの要素を説明している。この複雑さは弁護士の仕事を増やすだけだ。ライブラリやアーカイブは不公正な負担を強いられることになり、利用する側は現実的にはどんな安心も得られない。

わたしが提案する代案は、ある種の著作権維持手続きだ(特許の維持手続きに似ている)。著作権局の案とは三つの重要な点で異なっている:

まず、この案は古い作品にのみ適用される。制定後に作られた作品については、14年間のあいだ維持手続きについて気にしなくてもよい猶予期間が与えられる。1978年から現在までに公開された作品については、2021年まで手続きの必要はない。1978年以前(手続きが必要だった時代)の作品については、2012年まで猶予が与えられる。

つぎに、この案は公表された「米国内の作品」にのみ適用される。国外や未発表の作品は対象としない。

第三に、14年または5年後には登録手続きを要求するが、著作権局への登録ではない。そのかわり、著作権局から認可を得た民間のレジストラに対する登録となる。政府が運営するレジストリではなく、著作権版のDNSに近いものだ。

上の表はこれらの違いを示している。

この提案を1ページにまとめた解説はこちらから落とせる。
プレゼンテーション(35分間)はこちらからダウンロードまたはストリーミングするか、下のGoogle Videoで観ることができる。

[オリジナルポスト 2月1日午前3時34分]
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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