お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

意見の先鋭化と情報集約

2005/07/20 05:30
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

lessig

「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
ブログ管理

最近のエントリー

[Cass SunsteinによるゲストBlog]

ここシカゴ大学で、わたしたちはChicago Judges Projectなるものを進めている。連邦控訴裁の判事たちが評決の際に投じてきた何千もの票を集計し分析するプロジェクトだ。現在までの大きな発見はこれだ:論争を呼ぶ分野の多く、たとえばアファーマティブ・アクション[積極的差別是正措置]、選挙資金、性差別、障害者差別、環境規制などについて、共和党(の大統領)に任命された判事は、三人の判事からなるパネル(判事団)全員が共和党指名だった場合に特に保守的な投票パターンを示す。民主党に指名された判事についても同様だ。二人の同僚が共に民主党指名だった場合、三名のうち少なくとも一人は共和党指名の判事だった場合よりもはるかにリベラルな判断を下す。言い換えれば、共和党指名の判事は同じく共和党指名の判事たちだけと審理する場合さらに保守的になり、民主党指名の判事は同じ民主党指名の判事たちだけと審理する場合さらにリベラルになる。

これは集団分極化の現実の証拠だとわれわれは考えている。集団分極化(group polarization)とは、似たような考えを持つ人々同士の議論から得られる結果は、それぞれが話し合い以前に持っていた意見よりも先鋭的になることが多いという現象だ。(たとえば米国に不信を抱くフランス人同士が話し合うと、ますます米国を信じがたく思うようになる)。集団分極化はある種の情報集約、あるいは意見集約を反映しているが、しばしば望ましくない結果をもたらす。これは価格システム・Wikipediaそしてオープンソースソフトウェアの場合と大きな対照となっている。

関連する現象に“hidden profiles”(隠された側面)がある。集団の議論においては共有情報(多数あるいはほとんどの成員が知っている情報)の方が、非共有情報(少数あるいはただ一人だけが知っている情報)よりもはるかに大きな影響力を持っている。この結果、取り上げられない情報や弱い影響力しか持たない情報、すなわちhidden profileが生まれる。公的・私的機関が犯す大失敗のある程度はこのhidden profilesによるものだ(教授会とて例外ではない)。

ここでもまた、価格システムやwikipedia、そしてオープンソースソフトウェアのほうがはるかに優れた仕事をしている(もちろん、寄せられた素晴らしいコメントの数々が示すように、これら三つには重要な相違点がある。それについてはまもなく扱う)。これらの現象は数々の問いを提起するが、そのひとつはこれだ:それら三つからわれわれが学んだことを、集団による意見形成を改善するために取り入れる方法はあるだろうか。

[Cass SunsteinによるゲストBlog一覧]

[オリジナルポスト 7月18日午前10時48分]
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー

個人情報保護方針
利用規約
訂正
広告について
運営会社