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cc.cl

2005/07/07 00:41
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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クリエイティブ・コモンズ・チリの立ち上げから戻ってきたところだ。いろいろな意味で驚かされ、心動かされた数日間だった。

最初の驚きはFernando Flores上院議員だ。Floresはかつてアレンデ政権の最年少メンバーのひとりで、ピノチェトが(アメリカの支援による)クーデターを起こしたチリの9-11 (1973年)にはアレンデ大統領と行動を共にしていた。その後の経歴は驚くべきものだ――収獄、アメリカへの亡命、哲学と計算機科学を研究する学者としての日々、そこで得た洞察による実業界での大成功、そして現在は上院議員(一度は大統領候補にもなった)。多くの著書があり、また多くの人が彼について書いている

Flores議員の経歴を並べたのはWikipediaに対抗するためではなく、かれの言葉のうちわたしにとって最も大きな意味があった一言を説明するためだ。カンファレンスに集まった約400人のIP(知財)アクティビストたちを前にFloresはこう語った:「どのような解決策も、アメリカを含むことになるだろう」。

「アメリカ」。ものの見方で人を驚かせる人物をわたしは深く尊敬する。かれの言葉は驚きだった。(一部は)アメリカによって辛酸を嘗めさせられた人物が、二度と「解決」と「アメリカ」を結びつけなくなるのは極めて自然なことだと考える人もいるだろう。だがFloresは思慮深く賢明な人物だ。続く数日間で、かれがそうした深い思慮をもって進歩という概念について説く様子を耳にすることができた。正しい答えはアメリカを除外するものではないだろう。また"IP"と呼ばれるものを受け入れるはずだ。かれにとって、この両者を認めるほど、より大きくより迅速な進歩を実現できることは明らかだった。

Floresは特に、われわれの「運動」がどのように発展してゆくかについて心配していた。かれが恐れていたのは、運動がなんらかの極端な立場に囚われてしまうことだ。その懸念は正しい。CCの支持者には両極端の主義者たちが含まれるとはいえ(2002年のCC立ち上げからのこのビデオを参照)(Mr. Valentiと意見を異にするのがわたしの仕事なので書いておくが:私が思いついたアイデアではないし、私の「協定」だというのも間違っている。だがそれ以外はまったくその通り)、このCCというプラットフォームをできるだけ広い範囲のクリエータたちに受け入れられるように展開してゆくことは決定的に重要だ。われわれには全員CCとは別にそれぞれの生活があり、なかには他のスタッフが肝を潰すような政治的主張をしている者もいる。だがそうした立場を区別することは重要だ。妥協としてではなく、根本的に意見が対立するもの同士であっても、少なくともCCについては同意できるという事実を強調するために。

Flores議員の懸念は、クリエイティブ・コモンズ・チリの指導者たちがこの考えを共有していなかったらということだった。もしそうなら非常に困ったことになる。だからわたしは、サンチアゴで開かれたCCチリの立ち上げに多少の不安を抱いて出席した。だが主催者たちがCC.clの発足について、Flores議員も支持したに違いないやり方で説明する様子を聞いて、不安はすぐに溶解した。

もちろん、強い意見が語られる場面もあった。そうした意見は、われわれの取り組みにどれほど多くのものがかかっているかを思い起こさせるために重要だったとわたしは考える。だがそれも実に多様なアーティストたち――音楽家、ダンサー、映画、DJ――そして博物館や教育機関の指導者たちの存在によってバランスが保たれていた。かれらは皆、幅広い層に共有される理解を築くことの重要性を認識しているようだった。

昼食の後のミーティングでそれは確かめられた。現地でのCCの立ち上げと、その過程で作り上げたコードと経験を他のラテンアメリカ諸国に伝えるというさらに重要な仕事に多大な労力を捧げてきた中心グループが、われわれの方向性について尋ねた。わたしがバーロウ‐ヴァレンティのビデオを示すと、かれらは即座にコピーを求めた。いわく、CCの取り組みについてかれら自身が考えていることを他の人々に伝えるために。その鍵は、良く知られた言葉を借りれば、大まかなコンセンサスと動くコードにある。先に進む方法についての大まかな合意と、法的・技術的双方の機能するコードによって、自由な文化にかかわる様々なプロジェクトを支えるために欠かせないインフラストラクチャーを築く手助けをする。クリエイティブ・コモンズはそうしたプロジェクトのひとつに過ぎない。Flores議員はミーティングに出席できなかったものの、その場にいた人々の献身と、事を成就させるという理想にはきっと安心したに違いない。

われわれはクリエイティブ・コモンズでささやかなアイデアを立ち上げた。それをとても大きな何かに変えたのは彼らだ。しかも希有な謙虚さと、プロジェクトを迅速にそして十全に機能させることへの献身によって。チリは新たなお気に入りのひとつになった。

[オリジナルポスト 7月5日午後2時52分]

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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