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第一次世界大戦

2004/12/20 05:40
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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われわれは第一次大戦のことを、例えば第二次世界大戦のように一般に支持された戦争だったと考えがちだ。これほど真実からかけ離れた見方はない。ヨーロッパで1914年に戦端が開かれて以来、圧倒的多数のアメリカ人は関わり合いになる気などまったくなかった。欧州の戦場で繰り広げられる大殺戮を目にしたアメリカ人たちは、この紛争は合衆国の重要な利害とは無関係だと判断したのだ。事実、Woodrow Wilsonが1916年に再選されたときの基盤は「戦争をわれわれに寄せつけなかった」だった。

ところが1917年、Wilson大統領は参戦への道を探る。かれが戦争に踏み切ろうとした理由は「海洋の自由を守る」ことだった。中立国には国際法の下で交戦国との貿易が認められていたが、ドイツは英国やフランスに武器や弾薬などを供給するアメリカ船をUボートで撃沈していた。皮肉なことに、英国とフランスもまたアメリカ船をドイツから封鎖していたのだが、しかしドイツの海へのアクセスはごく限られているため、英仏は少数の港や河川に機雷を敷設するだけで事足りた。対するドイツに許された唯一の報復は、潜水艦攻撃をもってアメリカに英仏との貿易を思いとどまらせようとすることだった。

アメリカ人の多くは怒りを感じていた。かれらにとって、戦争に巻き込まれるくらいなら英仏との貿易を手放してもなんの不満もなかったからだ。大多数のアメリカ人にとってこの戦いは、大統領が言うような「世界を民主主義にとって安全にするための戦争」ではなく、「世界を軍需産業にとって安全にするための戦争」でしかなかった。Emma Goldman, Eugene Debs, Jane Addamsのような人々は参戦の決定を激しく批判した。

Wilson大統領は二つの問題を抱えていた。まず、戦争への熱狂的支持を作りださねばならない。そして士気を低下させる反対派を抑える必要がある。最初の問題のために、Wilsonは合衆国政府のプロパガンダ部門である広報委員会(Committee on Public Information)を設立し、あらゆるドイツ的なものに対する憎悪と、「国家への忠誠に欠ける」かもしれない人物への疑念を植え付けるための大量の宣伝ビラ・小冊子・講演・映画を制作させた。二つ目の問題である反対派には、議会を率いて1917年諜報法および1918年治安法を成立させた。戦争・徴兵・大統領・政府・国旗・軍そして合衆国憲法に対するいかなる批判も実質的に犯罪とするものだ。

こうした法律によって2000人に上る反対派が検挙された。反対派とされた人々は、ニューヨークのロワーイーストサイドでイディッシュ語で書かれたリーフレットを屋上から撒いた20歳のロシア系ユダヤ移民Mollie Steimerから、1912年大統領選で100万票(全投票数の6%)を獲得した社会党の指導者であり、オハイオで言論の自由の抑圧と徴兵についてWilsonを批判する演説をおこなって逮捕されたEugene Debsのような高名な人物まで多岐に渡った。さらに、最も重い刑が六カ月の懲役であった1798年治安法と異なり、この第一次大戦時の治安法を執行した判事たちは、まるで判で押したように10年から20年の懲役を言い渡した。また多くの人々が、Mollie SteimerやEmma Goldmanのように、反対意見を口にしたことで国外に追放された。

合衆国最高裁はどうしたか、だって? 1919年から1920年にかけての一連の判決で、法廷はかれらの有罪を支持した。最高裁の判決は実質、戦時における政府はその政策や計画に対する批判を罰することができる、なぜならそうした批判は国民に戦争不支持を呼びかけ、従って徴兵拒否や軍隊での反抗を唆すものであり、政府は憲法に違反することなく、それらの損失を防ぐため戦争および徴兵に対するいかなる批判も違法行為とすることができるというものだった。

いま起きていることもそれほど悪く思えなくなったのではないだろうか?

[オリジナルポスト 12月16日午後3時53分]

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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