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特許システムと開発途上国での医薬品アクセス:問題点

2004/11/01 00:57
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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(William Fisher教授によるゲストBlog)

(抄訳)

開発途上国における医薬品の入手・利用難の問題を概観する。

日本人の平均健康余命(HALE, healthy life expectancy)は75年、カナダおよびほとんどの西欧諸国では70から75年、米国および西欧の残りの国では65から70年。

一方、サハラ以南のアフリカ諸国では28から45年。(世界健康余命地図)。

短い健康余命の理由は劣悪な栄養・水・衛生環境、蚊などの感染源に好適な気候、不十分な予防・保健教育、不十分な保健サービスなどさまざまだが、なかでも適切な医薬品の入手困難がある。

入手困難の理由

1. 価格

 東南アジアのHIV感染者のうち93%は、投与されれば命を救うことになる抗レトロウィルス薬に手が届かない。
 サハラ以南アフリカ諸国のHIV感染者二千五百万人の99%は抗レトロウィルス薬を購入できない。

2. 医薬品の開発努力

 日米欧の製薬会社は、マラリア・麻疹・百日咳等の「熱帯病」向け新薬をほとんど開発しない。1975年から1997年に世界でライセンスされた1233種の新薬のうち、上記のような「熱帯病」を治療するものはわずかに13種(うち5種は獣医学研究の副産物)。

 おもな理由はこれら製薬会社の利益のほとんどが熱帯病が一般的でない地域からきていること。米国の製薬会社全体では、利益の94%が北米・西欧・オーストラリア・日本から。それ以外の地域が占める割合は6%。

 収益性の高い地域に開発リソースを集中することは驚きでも不道徳でもないが、結果として数百万の人々が無用に苦しみ、死亡している。

次回のポストでは考えうる対策を扱う。

[オリジナルポスト 10月28日午後11時13分]

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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