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経済は誰のもの?

2004/10/23 00:13
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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(Granny D候補者によるゲストBlog)

Granny Dです。Blogの世界っていいわね――何か大まかな意見をひとつ言えば、誰かがそれについて本一冊分も書いてくれるなんて。保護主義についてたくさんのコメントをありがとう。わたしは心の底から説得されましたし、花を咲かせるには剪定が欠かせないなんて古風な考え方は捨てて、これから庭の手入れはしないことにしました。

とはいえ、それでもわたしを悩ませるのは、労働とは製造工程にあるいくつもの部品のうちのひとつにすぎないという暗黙の考え方です――実際にはわたしたち自身のことなのに。経済学者たち(と、援護する悪い傴僂Bloggerたち)は、しばしばそんな危険な抽象化をして、現実から目をそらしがちです。まるで経済が神様か、少なくとも独立して存在する何かで、わたしたちが自分を犠牲にして仕えなければならないかのように。

そんな抽象化が一番起こりやすいのは、人々が自分たちの利益を代弁する手だてがないときです。民主主義が弱まってゆくと――例えば選挙資金を提供する特定利益団体の要求や、少数の企業に支配されたニュースメディア等々によって――、雇用や人々の必要はますます抽象的で取り替えが効く部品のように扱われ、現実に生きている人間のことだとは考えられなくなってしまうのです。Bloggerの議論でも、この神格化された市場や経済だけをみた抽象化が良く聞かれます

市場がうまく働けばやがて多くの人にとって望んだ結果になるのだという説明は、まるでいつまで経っても実現しない余暇社会の話のように色あせています。もっとよい雇用環境やヘルスケアやその他すべてを求める声が本当に代弁される民主主義を実現して、自由市場だけの追求が生んだ現在のホラーショーよりも良い社会を作ることは本当にできないのか試してみようじゃありませんか。本当の民主主義こそ、本当の意味で自由な人々が参加する、より良い自由市場につながるのではないかしら? もっとも貧しい国々がもっとも民主的でないことは事実です。もし人々の声が届くならば、だれも望んで搾取されようとはしないのですから。そして今、例えばアウトソーシングに関して、わたしたちの声は聞き届けられていません――自然な市場の力が働いた結果ではなく、わたしたちの利益を代弁するものがなくて企業の利益だけが影響力を持っている結果なのです。グラフや本が何をいっていようと、これは本当にシンプルなこと――賢者がいうように、ただ目を開いて見ようとすれば分かることです。

[オリジナルポスト 10月19日午前2時06分]
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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