(Richard Posner判事によるゲストBlog)
最初の例:テクノロジーはどのようにわれわれを『マトリックス』の世界へ連れて行くのか。
マトリックスは「アバター」(電子版の自分、ビデオ世界におけるプレーヤ)が殺されれば現実世界にいる本人もショックで死亡するほどリアルな仮想オンライン世界だ。現状の仮想オンライン世界は、コンピュータ画面とマウスやジョイスティックを通してアバターを作り操るものだが、それほど多くの死を招くほどにはリアルではない。わたしが知っているのはJames Meekの良くできた記事にある一例だけだ。:
2002年10月、24歳の男性キム・キョンジェが、オンラインゲームMUを三日半にわたって連続でプレイした後、深部静脈血栓に似た症状で死亡した。「そんなに長時間インターネットをしないように言ったのに」と母親はBBCに語った。「息子はただ「わかった」といってゲームを続けたんです」。(NCsoftのLance Stitesによれば、会社はプレーヤに現実と仮想世界をはっきり区別するよう促しているという。今では「ときどき足を伸ばして、日の光を見るように」というメッセージが画面に定期的に表示される。)
だが既に、ヘッドセットを着けて脳波でアバターを操作するゲームが作られている。さらにマトリックス的なのは、麻痺患者の脳にチップを埋め込み、考えただけでコンピュータを操作できるようにする開発中の技術だ。患者は:「頭からコンピュータへつながるケーブルを突き出し、映画『マトリックス』の登場人物のようにみえることになる。」(インプラント)。
原始的な段階にある現在のオンライン仮想世界テクノロジーでさえ、数百万の人々が実際に参加している。憑かれたような者も多い。仮想の装備や衣服、その他の資産のための仮想貨幣を現実の金と交換する行為はすでに大きなビジネスとなっている。何年かのうちに人々は脳波のみで仮想世界で行動するようになり、「手放し」の感覚は現実にいる場所を忘れさせるかもしれない。その社会的影響は計り知れない。さらにもし人々の脳に埋め込まれるチップおよび送られる信号のコントロールを政府が手にしたならば、政治的な帰結もまた深甚なものとなろう。恐ろしくリアルな20世紀末の巨大都市に無数のアバターが生活する『マトリックス』ほど複雑なオンライン仮想世界が作りだされるまでには多くの年月がかかるだろう。だがそうなる前でさえ、人々は参加する仮想世界と現実世界の区別がますます難しくなってきていることに気づくだろう。
法は少しずつ仮想オンライン世界という現象に気付きはじめている。最近中国では、プレーヤがゲーム会社を訴える事件が起きた――ハッカーに仮想財産の窃盗を許したことに対して!
重大な問い――オンライン仮想世界の進化になんらかの社会的コントロールが置かれるべきか――への答えは窺い知れず、またわたしの知る限りではほとんど注目を受けていない。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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