(Richard Posner判事によるゲストBlog)
ようやく、ブッシュ政権が地球温暖化を事実と認める高レベルの報告書が公表された。石油・天然ガス・石炭といった化石燃料の使用および第三世界の森林伐採といった人類の活動が主要な原因であること――そうした活動は二酸化炭素を放出する――が認められている(Times の記事も参照)。
大気中の二酸化炭素などの温暖化ガスは地表の熱を閉じ込めることによって穏やかな気候を維持している。だが産業革命以来、特に1970年以降の経済と人口の成長は二酸化炭素の放出を大幅に増やし、大気中の温暖化ガス濃度を大きく上昇させ、地球全体の気温上昇を招いた(放出による効果は大部分が累積する。二酸化炭素が大洋に吸収され大気から取り除かれるまでには長い時間がかかるからだ)。近く刊行される予定の『Catastrophe:Risk and Response』でわたしが説明しているように、全地球的な気候の均衡は崩れやすいため、可能性は高くないものの近い将来急激な温暖化が起こることも考えられる。『デイ・アフター・トゥモロー』に描かれたほど急激ではないだろうが、わずか十年間やそれ以下のうちに破滅的な結果をもたらす程度には急激でありうる。結果は全世界ほとんどの沿岸地域――大都市のほとんどと世界人口のおおきな部分が存在する地域――を水没させる海面レベル上昇を含むかもしれない。
現在の地球温暖化はテクノロジーが生みだした人工的な問題だ(最新の技術によるものではないが)。テクノロジーはわれわれのエネルギー基盤を炭素に置いただけでなく、人口と生活レベルの大幅な上昇を通じてエネルギーの需要をも大きく上昇させている。しかし科学技術はまた炭素ベースのエネルギー源にかわる経済的で有効な代替エネルギーの開発によって、あるいはナノテクノロジー(分子レベル工学技術)の発達による二酸化炭素除去ナノマシンの実現によってわれわれを苦境から救い出すかもしれない。だが残念ながら、ほぼ常にそうであるように、テクノロジーは負の効果も持つ:例えばナノテクノロジーの軍事利用が地政的システムをさらに不安定化させるのではないかという懸念は以前から表明されている。そしてさらに、ナノマシンが偶然の手違いから恐ろしく貪欲な自己複製機械と化し、地球上の全有機物を喰らい尽くす危険性さえ語られている。ナノテクノロジーを参照。
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