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CNET Japan ブログ

インターネットのバルカン化

2004/08/19 14:06
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lessig

「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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(Timothy Wu教授によるゲストBlog)

よその国のサイト訪れることはどれくらいあるだろう? 別の言語のサイトは?

もしあなたが他の多くのユーザ同様なら、答えはたぶん「あまり」だろう(外国のレッシグBlog読者のみなさん、ごめんなさい)。これはインターネットのバルカン化の小さな徴候のひとつだ。変化は誰の認識よりも速く進行している。われわれがかつてグローバルなインターネットと呼んでいたものは、数々の現実的理由によって国家ネットワークの集合になりつつある。いまだにインターネットプロトコルでリンクされてはいるが、多くの意味では分断されている。証拠をいくつか:

- 中国では検閲以上に、国外とのデータのやりとり自体が国内のそれと比べて減少している。最近の研究ではフローの72%のが国内のものだったという。そして中国の非IP「169」イントラネット――AOLの囲いつき庭園がジャングルになったようなもの――は中国のインターネットとほぼ同じ規模になりつつある。それも当然、この巨大イントラネットはAOLと違って80%安く、ほとんどの中国語コンテンツが揃っている。

- 進化しつづけるジオロケーション・ソフトウェア(IPと現実の地理的位置を対応させる)はGoogleのような巨大サイトをローカルにした。Esther Dysonが書いているところによると、「Googleは地理的ターゲティングを目覚ましくアップグレードさせている。いまやAdWordを買った広告業者は単に都市や地域別だけでなく、ある住所からの半径や特定の地理的境界も指定できる」

- オーストラリアでは政府による国家規模のフィルターが検討されているいまのところは、ハードコア・ポルノを締め出すためのものだ。

- ヨーロッパのプライバシー法とこのような判例は、ヨーロッパ向けに別のウェブサービスをホストすることを考慮させる。

- 米国の知的財産保護の執行は、このBlogの読者なら皆ご存じのように、米国市場のコンテンツを締め出す理由を作っている。オーストラリアの名誉毀損法も同様。

- 帯域格差は国際接続を妨げている。大韓民国などではブロードバンドが広く普及しているが他国ではまだナローバンドと混在していたり、ほとんどナローバンドだったりする。ナローバンドユーザにとっては、ブロードバンドを前提とした国のサイトにアクセスすることは難しい。

こうした事例はしかし、この傾向が良いのか悪いのかは教えてくれない。これは良いことなのだろうか、それとも悪い傾向だろうか? 引き返せるのか、不可避なのか? これは今わたしが書いている本の題材でもある。あなたの見方をぜひ聞かせてほしい。

アップデート:コメントから

「バルカン化という用語が使われているのは実に皮肉だ。…一言でいえば、インターネットはバルカン諸国でバルカン化されていないもしかしたら唯一のものだから。」― Veljko Kukulj

「インターネットのバルカン化はネットの素晴らしさを示している…健全なインターネットはただなんとなく世界中のサイトをクリックするようなものじゃなくて、ネット市民が参加するものだ。」― Branko Collin

「たったいまBBCがやってる五本のオリンピック中継にアクセスしたいと思ってるけど…ip^2 wallのせいで接続できない。これもバルカン化の例だと思う」― James Howison

「[中国から] 実際には、人々の反ポルノグラフィ戦争はそれほど技術に頼っているわけではなく、むしろ苦情を伝えるメールアドレスや電話番号が重要になっている。」― Fons Tuinstra

[オリジナルポスト 8月17日午前1時25分]
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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