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CNET Japan ブログ

議会、NAFTA、WTO

2003/08/22 23:00
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lessig

「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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昨日、Robがいくつかの質問を寄せてくれた。

1) 大統領としての任期のすくなくとも最初のうちは、共和党が主導権を握る議会を相手にしなければならないのはほぼ確実です。あなたの主張する国民皆保険などのヘルスケア計画、NAFTAおよびWTOからの脱退、(その頃には一時的措置ではなくなっているはずの)ブッシュ減税の取り消しやそのほか共和党が一貫して反対してきた際どい問題に取り組む法案を通すことが可能だと本当に思ってますか? これらの問題はただ大統領命令を発行するだけでは解決できないし、あなたがこういった“ラディカル・リベラル”なプログラムをどうやって承認させるのか見当もつきません。そう考えると、あなたの掲げる“10の重要課題”のほとんどが最初から望みなしということになります。

 私が民主党の大統領選候補へ指名されることが、民主党主導の議会への基盤を作ることになるだろう。1932年に大統領となったフランクリン・ルーズベルトは選挙戦で広範な経済改革を主張し、刺激をうけた人々は新たに認識した自分たち自身の利益のために票を投じた。その結果、ルーズベルトに導かれた民主党は下院90議席、上院13議席という大躍進を遂げた。これが可能だったのは、彼が根元的な変化を体現していたからだ。彼が約束したのは雇用であり、アメリカの再建であり、強欲な企業から人々の手にコントロールを取り戻すという希望だった。私の指名は民主党が大敗した1994年選挙の結果を逆転させるものになるだろう。当時民主党が下院で優位を取り戻すことに失敗し、上院で敗北した理由は、党と企業利権との結びつきが共和党との政策の違いを骨抜きにし、支持者層の意欲を消沈させたからだ。私の指名は民主党の支持者たちを奮い立たせ、新たな支持者層を拓き、二大政党に属さないアクティビストたちが政府を取り戻すためのわれわれの努力に合流する契機となるだろう。

2) 大統領としての最初の取り組みはNAFTAおよびWTOからの一方的脱退と“公正な貿易協定”の体制を確立することだといいますが、世界中の貿易相手がそんな体制を受け入れると思いますか?この“公正”はほとんど定義からして相手よりもわれわれにとってより“公正”という意味なのに。これはWTOが組織されたそもそもの理由である、恣意的な関税と貿易戦争のひどい時代に逆戻りするということですか? あるいはなお悪く、取引がわが国からもっとオープンな貿易慣行の場所に逃げてゆくのを加速するだけなんじゃ? 自分の策で自分が大けがすることになるのでは?

 われわれは今WTOとNAFTAに大けがをさせられているのだ。アメリカの貿易政策は強大な多国籍企業によってコントロールされている。彼らが掲げるのは赤白青の合衆国旗ではなく、紙幣の緑に$のシンボルがついたものだ。貿易赤字は5000億ドルに迫り、われわれの経済にとってだけではなく民主主義に対する深刻な脅威となっている。グローバル企業は、アメリカおよび諸外国の労働者に基本的な労働法の保護さえ否定する貿易協定を作りだすため、合衆国を利用したのだ。NAFTAおよびWTOの規約は労働者に対して結社の自由、集団交渉、ストライキ、安全な労働環境、退職後の保障などの権利の実現を妨害している。これにより、企業がアメリカから労働者保護の存在しない場所へと雇用を移動させることが可能になっている。NAFTAとWTOは賃金や働く人間の権利全般の最低ラインを競うレースを助長しているのだ。WTOはまた、規約を変更しようとするあらゆる試みを協定違反とすることで、NAFTAの貿易体制を縛り不動のものにしている。

 問われるべきは、アメリカが世界と貿易を行うか否かではなく、その際のルールなのだ。そしてアメリカはわれわれ自身に不利になるよう仕組まれたルールによって非難されている。私がNAFTAおよびWTOからの脱退を主張するのは、労働者の権利、人権、環境基準について明記された2国間貿易協定を各国と締結するためだ。これは企業による賃金切り下げや労働組合の解散を使った恫喝を止めさせるただ一つの方法であり、よりよい生活水準と、政府を自分たちの手に取り戻すという人々の希望を実現に近づける唯一の方法だ。

 この問題が反映するものは民主党内の単なる立場の違いではなく、大きな断絶だ。一方にはグローバル企業とその支援者がおり、もう一方には労働者とその支援者がいる。私は断固としてアメリカの労働者と、人間の尊厳のために戦う世界中の人々の側に立つ。私は他の民主党の候補者に対して、彼らがどちらの側についているのかアメリカ国民に明確に伝えるための問いかけを続けてゆくつもりだ。NAFTAおよびWTOの修正を約束するだけでは十分ではない。問題を解決する唯一の方法は、脱退条項に基づいて双方の協定から脱退し、労働者の権利、人権、環境基準に基づいた双務的貿易協定へ立ち返ることなのだ。

デニス・J・クシニッチ

ペンシルバニア州フィラデルフィアにて

このエントリーおよび私の個人Blogクリエイティブコモンズのライセンスで公開する。

[オリジナルポスト 8月12日午前4時22分]
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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