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進歩を促す

2003/06/04 08:10
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「CODE」「コモンズ」等の著書や「クリエイティブ・コモンズ」などで知られるスタンフォード大学ロースクール教授ローレンス・レッシグ氏のBlogの日本語版。著作権や特許などの知的所有権の問題やオンラインカルチャー関連のトピックスを紹介します。
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請願に署名してくれた人の数が、わずか1日で6000人を超えた。大した進展ぶりだ。

ただし、「こんなことをしてみても、大した結果は望めない」とフラストレーションを感じている人も大勢いる。たとえば、 Slashdotに書き込みしている連中の多くは、もっとずっと過激なものができるまでは、辛抱するようにと言っている。私たちがやろうとしていることも所詮は「妥協」に過ぎず、そして私たちは決して「妥協」すべきではない、と。

私たちには妥協するつもりは決してない。だが、まず最初の一歩を踏み出さなくてはならないのだ。私たちが今こういう状況にあるのは、ほとんどの人たちがパブリックドメインなんて信じていないからだ。ほとんどの人たちが、それを理解さえしていない。私たちは、著作物がパブリックドメイン入りするまでに75年以上もかかる、そんな時代に生きている。ただし、米国の歴史を振り返るとわかるのは、ほとんどの時代に、パブリックドメイン入りまで30年より長くかかることはなかった、ということだ。かりに、1960年代に生まれた作品がすでにパブリックドメイン入りしているとして、そこからインスピレーションを受けて解き放たれる創造性の凄さを、もしごく普通の人たちが判ってくれるとすれば、その人たちはまた、一種の規制に堕してしまったいまの著作権法に制限を課すことの重要性についても、きっと理解してくれるだろう。

著作権問題について、特別な知識も、関心も持っていない普通の人たちに、パブリックドメインについて理解してもらうには、まず自分たちがそれを作ってみせなくてはならない。著作権法に制限を課し、パブリックドメイン入りして、誰でも自由に使える作品を増やすことが、どれほど創造性を刺激するか、またどれほど知識を広めるかがわかって初めて、そんな普通の人たちもパブリックドメインのことを理解するだろう。パブリックドメインをもう一度つくることで、その大切さの理由を普通の人たちに示す必要がある。

Public Domain Enhancement Actは、この(パブリックドメインを作り出す)役目を果たすだろう。そして、いままで署名してくれた5000人ではなく、その10倍の5万人の人たちが一緒になって、この法制化への働きかけが私たちの第一歩になるはずだと言えば、議会もこれを取り上げてくれるだろう。そうなれば、これに反対する連中の側に、なぜこの明らかな変化が起こるべきでないかという理由を説明する責任が生まれてくる。

しかし、私たちのアイデアをあまりに手緩いと思うなら、もしそれが現在の法律を受け入れすぎており、つまり結局は現状を是認しているんじゃないかと思うなら、その場合はこっちに用意した 代替案のほうに署名してほしい。このなかでは「現状のシステムは破綻している」と明記している。そして抜本的な改革を要求している。だが、私たちが実現する改革はどんなものにしろ、将来の著作権にかかわる事柄にだけ適用されるので、依然として現行の著作権法、およびそれが強制してくるコントロールを相手にしなくてはならない、その点に変わりはない。また、そのためにこそ、この最初の一歩も意味あるものとして支持されるのだ。

著作権法について、どちらの見方が、民主主義の理想をより良く反映しているかを考えてみよう。民主主義がどこまで過激になっているかについて考えてみよう。だが、どちらの見方を採るにしても、いま第一歩を踏み出すべきであるという、その点に違いはない。(改悪ではなく)明らかに改正に向けたこの運動が、多くの人から支持を得られるようにすべきだ。そして、こうした見方を力づくでも受け入れさせて、まわりの人みんなには「理に適っている」と思えることでも、自分でよく考えた上で判断するようにさせるべきだ。

ただ1つ、私たちがすべきでないのは、何もせずに見過ごすことだ。決して手の届きそうもない「過激な改革」を求めて、その時まで「じっと辛抱する」ことだ。

もし「過激な改革」を手に入れたいなら、著作権法を取り戻すためのこの請願に、50万人の署名を集めよう。もし最初の一歩を踏み出したいなら、パブリックドメインを回復するための署名集めに力を貸して、5万人からの署名を集めてみよう。

だが、どちらにしても、何かすることだ。しかも、いますぐに。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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