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ギリシャについて、ちょっと思っていることを、割とライトな感じで、30分くらいで書けるかな。
ギリシャのBSを色分けすると、左上が地下経済、左下がドイツ、右側が公的部門、というような構造だと認識しています。もちろんこれは感覚的な表現なのですが、大体こんなもんだろうなと。現金や売掛金、あるいは商品・製品、そして一部税金的な何かは、地下経済が抑えていて勘定できない、固定資産はドイツ人の金持ちが都市部も農村もオーナー、そして公的部門が右側の面倒を全部見ている--そんな感じです。ソースはギリシャ人の友達。昨夏遊びに行った時に愚痴られました。
地下経済ってなんぞというのは、まあ違法取引による流動資産とかそういうことをお考えください。「何を言うているの?」と思われるでしょうが、そもそも多民族国家で海運業が発達する地域というのは、そういう特性を帯びやすい特徴があります。だって儲かるんですもの。島がいっぱいあるからどこにでも隠れられるし。ちなみに多民族国家と書きましたが、いわゆる「ギリシャ人」というのは民族的には存在しません。
また「民間部門がゼロかーい」と思われるでしょうが、公務員がやたらと多いという現実を考えれば、公的部門と民間部門の区別がつかないというのはお分かりいただけるでしょう。年金や財政再建であれだけ大もめしているのも、そういうことでありましょう。
このように、割とめちゃくちゃな経済状態にあるというのは、実際ギリシャに行ってみれば、なんとなくお感じいただけると思います。とにかく社会資本が脆弱であること、そのわりに特定企業が幅をきかせていること、そしてたとえばBMWのSUVのような高級車を乗り回している人が案外少なくないこと、というあたりからも、得も言われぬ歪さがうかがえる次第であります。
その歪さというのは、おそらくギリシャでマジメに暮らす人々にしてみれば、ことさらに感じられることであって、ゆえにかなり激しいデモが生じるのだと思われます。特に今回は、観光地という彼らにとってのキャッシュ・カウにも火が放たれているようですが、観光地という既得権を寡占する階層に対する抗議だと考えれば、再配分の機構が壊れている以上、むしろ自然な動きといえなくもありません。
そしてその既得権を所有する一部がドイツだとしたら、どんなにドイツが支援を約束したところで「ムカつくぜ」ということになるのでしょう。たぶん昨今の「支援策」について、ギリシャの市井の人々がほとんどありがたみを感じていないのも、「何も変わらない(そして自分たちの生活は悪くなるばかり)じゃねえか!」という憤りなのだと思います。実際、ペロポネソス半島のワイン畑とかリゾートホテルとか、オーナーはほとんどドイツ人(そしてお客はロシア人)ですしね。
一方、そんな国を「ユーロ護持」というメンツのためになぜ支援せねばならぬのか、というのが欧州各国の市井の声なのでありましょう。その中でもドイツについては前述の話の裏返しで、ギリシャに資産を持っているのはドイツの富裕層であり、その富裕層の資産を守るための支援、という見方があります。すなわちドイツがあれだけギリシャ問題で迷走を続けているのは、ドイツの階級闘争とリンクしかねないので、かなり丁寧に物事を進めなければならない、という国内政治問題がありそうな気配です。
さて、この先は一体どうなるのでしょう。とりあえず支援受け入れに係る法案は可決したものの、ギリシャ国民からすれば生活の厳しさがなお一層顕在化するわけで、政治的には相当不安定な状態が続くでしょう。そして資本構造や再配分機構の抜本的な改革が短気に進む見通しがない以上(そんなもの世界中のどこにもなさそうですが)、またいつちゃぶ台がひっくり返るか分からない、ということです。夏前かなーという話がもう出ていますが、2300億ユーロのGDP(2010年時点)に対して今回の追加策が1300億ユーロの支援ですし、まあ冒頭に示したような不透明な財政構造であることを考えれば、実際そんなところかと。
そしてこんなgdgdを繰り返しながら、経済と政治が機能不全に陥る感じで、欧州全体が溶けていくのが、2012年の欧州かなと思います。特に経済に関してはネタがデットである以上、リーマンショックの時のように「突然ドーン」ではなくて、日本のバブル崩壊後のような「貸し剥がしによる撤退戦の繰り返し」となるので、しんどい状況がずっと続く、というような進み方です。
ポルトガルの名前はドイツの財務相がうっかり口を滑らせていますし、PIIGSの陰に隠れていますが、北欧圏も今年は相当しんどいはずです。すでにスペインなどでは一部が資産デフレに入りつつあることは、日常生活の様子をニュース等で眺めていても感じ取れます。というわけで、今年はシートベルトを外すタイミングがなさそうだと思っていますが、そんな中にも商機あり…さて時間だ。ではこれにて。
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