著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラム主催「第3回公開トーク『コミケ、2ちゃんねる、はてなセリフと作家と著作権』」が2007年6月15日、慶応義塾大学三田キャンパスで開催され、様々な立場のパネリストが著作権問題の現状と課題について報告、議論したそうだ。
→『YouTubeやコミケはコンテンツ業界の発展に有効か--著作権のあり方をめぐる議論』 (CNET Japan)
著作権保護期間の延長問題を考えるフォーラムとは、著作権保護期間の延長問題について、「多様なセクターの関係者に広く議論を呼びかけて意見を聞き、かつ、延長がされた場合の文化的・経済的影響について実証的なデータや予測に基づいて慎重に議論することが必要」(同団体ウェブサイトより)との考えから、活動している団体である。
今回のイベントの中でもYouTubeへの注目の高さが伺えるが、著作権無視が問題となっているだけに賛否両論のようだ。
確かに本来対価を支払って楽しむべきエンタテインメントコンテンツが違法にアップロードされている現状は正しくないと思うが、YouTube以外では見る手段がないコンテンツも多く(特にテレビ番組など)、権利を主張するのであれば、正当な手段でコンテンツを入手できる方法を提供すべきだろう(もちろん手段が提供されている場合もある)。
ぜひここで目を向けたいのはYouTubeの有用性である。
「百聞は一見にしかず」という有名な格言があるが、YouTubeが提供する価値はまさにここにある。
YouTube以前は、たとえばAppleの創業記などを読んでいて「1984年のAppleのテレビコマーシャルは衝撃的だった」などと書かれていても、想像したり運よくマーケティングの本などでそのひとコマを写真としてみることしかできなかった。しかしYouTubeの登場により、そのテレビコマーシャルはもちろん、Steve JobsがMacintoshを発表したプレゼンテーションそのものまで見ることができる。これには大きな価値がある。
YouTubeの出現はインターネットが登場した頃を思い出させる。インターネット以前、最新の活字ニュースは新聞であり、それ以外は誰かが雑誌記事や書籍にしてくれるまで情報が得られることはない。外国についてならさらにその翻訳を待たねばならない。私も大学に入った頃は宿題のレポートを書くために、図書館で新聞記事をマイクロフィルムで探していたものだ。
1994年頃にウェブが利用できるようになって最新のニュース記事や企業の決算情報などが自宅からアクセスできるようになり、学習の質と効率は大幅に向上した。
今ではYouTubeを使えばGoogleの企業内セミナーや、海外のカンファレンスなど、参加困難なイベントが自宅で見られる。これにより情報収集のコストは限りなくゼロに近づき、効率を限りなく最大化できる。
情報が得られない状況でものを考えたり決めたりすることと、映像や音声のクオリティが悪いけれども情報が得られる状況でものを考えたり決めたりできるのとでは、その結果に大きな質の差ができる。
守られるべき権利はきちんと守るべきだと思うが、YouTubeのような世の中の考え方やビジネスの仕方を大きく変えるサービスにはワクワクしてしまう。
YouTubeが変えたその先にあるビジネスとはどんなものだろうか。楽しみだ。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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