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    全力否定のNTTドコモ、LTE対応のiPhoneの可能性は大ナリ。他社の動きは?

    2011-12-03 02:25:00

    プロフィール

    寺本由美子

    本名とタイトルのペンネームが異なっているのはご愛敬(話せば長~い物語あり)。IT系の話題からゲームのレビューまで、自由気ままに発信します。iPadやiPhoneなど、大好きな電脳小物についても熱く語りたいですね。Twitterにも出没中。ブログへのコメントも、@kirifue へどうぞ。
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    NTTドコモが来夏に次世代高速通信規格「LTE」に対応したiPhoneとiPadを発売するとの情報を、日経ビジネスがリークしました。au版iPhone発売をスッパ抜いた実績を持つ日経ビジネスだけに、大いに期待が持てます。

    一方、実はそんなたいした話ではないという見方もできます。ドコモの純増数急減は一目瞭然で、LTE対応スマホ『GALAXY S II LTE』で巻き返しを図りつつも、ホンネはiPhone獲得に躍起になっているのがミエミエだからです。auだって、ちょっと前までは「Android au」を高らかに宣言していましたが、そんな過去のことは記憶から完全消去し「iPhone」で幾重にも上書きしています(ときに失敗して「Android版iPhone」などと混乱を生じました)。ドコモの山田隆持社長は「GALAXYはiPhoneに対抗できる!」と豪語されていますが、所詮ユーザを獲得できなければ商売が成り立たないのがキャリアの宿命。Appleの厳しい条件に屈する日が来るのもそう遠くないと言えるでしょう。

    問題は既に合意に到達したのかどうかという点ですね。今回の件、ドコモは全力で否定しています。Steve Jobsはもうこの世にはいないので、鶴の一声で降ろされるといった屈辱は味わなくてもよさそうですが、相手は秘密主義に徹することでは有名なAppleですから一筋縄ではいきそうもなく。すでに合意しているか、もしくは、iPhoneの獲得にそれほどの熱意が無ければ「知らぬ、存ぜぬ」と白を切るのが最善の策です。しかし、もし交渉の最終段階であれば、Appleのご機嫌を損ねないように動くしかありません。否定するのが賢明だと判断したのではないかと推察します(山田社長は勇み足すぎてiPad獲得すら失敗したというイタイ経験をお持ちですからね)。また、今交渉の事実が漏れてしまうと、現行の製品への買い控えが懸念されます。

     

    iPhone獲得の条件

    獲得にはどのような条件が付されるのでしょうか。Sprint-Nextelの事例では販売数量についての取り決めがあったとされています。端末全体の年間販売台数の4分の1から3分の1程度といわれる販売ノルマをクリアできなければ、損害をこうむることも覚悟しなければなりません。また、ドコモはi-modeを移植できないと利益が激減してしまいますが、Appleは難色を示しているという情報も漏れ聞こえてきます。今回の報道ではi-modeについては一切触れていないため、組み込むことが可能なのか、アプリで提供することになるのか、はたまた、涙を呑んで諦めるのかは不明です。

    AppleはLTE通信「Xi(クロッシィ)」に対応させることを要求したとされていますが、逆にドコモから要求したとしてもおかしくありません。高速通信は電波帯域あたりの通信収容量が増えるためトラフィックを分散し、ネットワークの負荷を抑える効果があるのです。キャリアにとって対応端末が増えることは、一粒で二度オイシイ状態なのです。

    LTEは通信速度が従来の3Gの5倍以上あり、まさに次世代携帯通信の目玉です。世界各地でLTEに対応するキャリアは増えつつあります。LTEとは異なりますが、中国最大手のChina MobileはTD-LTE規格を採用しており、もしTD-LTEにも対応できるiPhoneを用意できるならば、Appleは6億の契約ユーザの何割かを手中にできる計算です。LTEやTD-LTEをiPhoneで採用することは、Appleにとってもはや必然と言えるでしょう。ゆえに、Appleがいち早くLTEに対応可能なドコモを評価したことも十分考えられるのです。

     

    他の携帯キャリアの動きは

    まずは、ソフトバンクの動きから。12月1日に川端総務大臣が答弁し、900MHz帯の周波数オークションを実施しない方針を示しました。「急増するトラフィックに対応するための周波数割当が急務」という規定の方針通り手続きが進められるため、ソフトバンクへの900MHz帯割当にも明るい見通しが立ってきました。この帯域の獲得が同社のシナリオに欠かせないファクターとなっています。

    さらには、TD-LTE対応iPhoneの可能性も見えてきます。マイナビニュースからの引用です。

    同社はウィルコムを買収し、ウィルコムが2.5GHz帯で構築を進めていたXGPベースのネットワークをAXGPに改修し、下り最大76Mbpsのサービスを開始すると発表している。XGPはPHSの技術を発展させたものだといわれているが、その後継となったAXGPは実際には「TD-LTEと完全な互換を持っている」と同社の孫正義社長はサービス発表の際に述べている。ソフトバンクはChina MobileやインドのBharti Airtelと提携を結んでおり、相互運用や調達等での連携を行っていくと説明している。

    China MobileがTD-LTE対応iPhoneを獲得した場合、この高速通信網をソフトバンクが導入する可能性もあるということです。そんな将来を見据えてウィルコムを買収していたとは。孫社長、恐るべし。
    「つながりにくい」というハンデを負ったソフバンユーザである私は、今は生暖か~く長~い目で見守りたいという気持ちでいっぱいです。

    では、auは一体どうなってしまうのでしょう。厳しい条件を呑んでやっとiPhoneを獲得できたと思った矢先に、ドコモのiPhone参入報道。一番打撃を受けるのは、他ならぬauになりそうです。とは言え、すぐには影響は現れないはず。肝心のドコモは否定してますし、iPhoneユーザは契約したばかりですから。ただ「つながるけれども通信速度が遅い」という評判がやや不利に働くことは考えられます。

    KDDIではLTEサービスを再編後の800MHz帯および1.5GHz帯に導入する計画とのこと。ドコモに続いてauがLTE対応iPhoneを提供できるようになれぱ、状況が一変する可能性はあります。

     

    LTE対応iPhoneの登場は、来夏もしくは来秋と予想されます。これで三社が同じ土俵に上がるわけで、取扱のアドバンテージは無くなり、勝負は純粋にサービスの内容によるものになります。通信品質を重視するが高額のドコモに、他社がどこまで対抗できるかがポイントです。ユーザにとっては選択肢が増え、競争の激化によりサービスの向上も見込まれ嬉しい限りですが、キャリアはAppleに振り回されるわ、携帯端末メーカーは大打撃を受けるわで、決して喜ぶ人ばかりではないでしょう。Apple信者である私でさえ、日本のベンダーにエールを送りたい気持ちになります。通信業者主体の製品作りにいつまでも縛られているようでは、国産スマートフォンに未来は無いでしょう。出遅れた感はありまくりですが、ちまちまと井の中の蛙で満足せず、堂々と国際社会で生き残りをかけて戦ってほしいものです。

     

    ■日経ビジネス 2011/12/01
    ドコモ、来年夏にiPhone参入 次世代高速通信規格「LTE」に対応

    ■NTT docomo 2011/12/01
    ドコモからのお知らせ : 弊社に関する一部報道について

    ■CNET Japan 2011/11/16
    ドコモの「iPhone」販売交渉、難航の原因は独自アプリか--WSJ報道

    ■マイナビニュース 2011/12/01
    「NTTドコモがLTE対応iPhone/iPadを販売」の報道について考える

    ■ケータイWatch 2011/12/01
    900MHz帯の周波数オークションは実施されない方向、総務大臣が答弁

    ※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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