最終更新時刻:2009年11月7日(土) 10時00分
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PCがメインだって?だったらiPhone買ってみな!

公開日時:
2008/09/18 04:57
著者:
kirifue

ウォール・ストリート・ジャーナル[WSJ]によると、iPhone 3Gは世界中で好調な売れ行きなのに、日本だけ芳しくないのだそうだ。また、KDDI小野寺社長も「だいたいこういう流れになるということは、予定されていたことではないか」と語り、iPhone恐るるに足らずという考えを示した。

筆者は「100万台ごえもアリ」などと大見得を切った手前、このままではいられない。というより、発売当初の「使えねー」という悪評を断ち切るべく、その真価をもっと喧伝しなきゃならんと思った次第である。

何故不調なのか。それは日本の携帯電話が優れているからだ。世界的なレベルで見ても、容易に真似できない程スバラシイ技術のてんこ盛りである。前出の[WSJ]の記事では、日本の携帯電話に標準で搭載されている機能として以下のものが挙げられていた。

高解像度のカラーディスプレイ、地上デジタルテレビ放送(ワンセグ)、衛星ナビゲーションサービス、音楽プレーヤー、デジタルカメラ。デビットカードや電車の乗車券として使えるチップ(モバイルSuica)。そして「絵文字」。

ここでは取り上げられていないが、コンテンツの存在は大きいだろう。女子高生や若者に人気のケータイサイトは日本独自のコンテンツであり、各キャリアのインターネット接続サービス(i-mode、EZweb、Yahoo!ケータイ)を通じて提供されている。コミュニティやプロフ、ケータイ小説やゲームもしかり。
いくら世界各国で販売され、多くの人に支持されているiPhoneといえども簡単には侵すことのできない領域なのだ。

また、[WSJ]の記事で「絵文字」の一言でくくられていたメール文化も忘れてはならない。常時メールをチェックし、友達からメールが届いたら速攻で返信する。しかも、別段用が無くても気軽にメールを打つ。筆者ぐらいの年代(決して若くはない)の感覚だと、これは行き過ぎではと思うのだが。これほどの親密さと連帯感を生むガジェットは、ちょっと他に見当たらないだろう。
iPhoneのような仮想キーボードでは、とても耐えられそうもない(主に人間側が)。んなワケで、うちの娘はハナからiPhone 3Gなど眼中には無く、auの携帯電話を買い換えながら使っている。

ま、こんなふうに分析してみると、ケータイ中心の生活を送っている若者にiPhone 3Gは勧めにくい。
せいぜい2台めかiPod touchといったところか。
では、ケータイサイトなど普段ほとんど見ない、PC中心の生活をしている人ならばどうか。
これはもう、絶対オススメである。

PCを常時携帯している感じ、と言えば分かって頂けるだろうか。もちろん、PCと比較すればできないことは多い。Flashは見られないし、日本語入力もイマイチ…(コピペはそのうち対応しそうな気がする)。

でも、いつでもどこでも使えるインターネットアクセスマシンとしてなら、もうピカイチ!
通勤時はもちろん、ソファでテレビを眺めながら、気軽にメールチェック(普段使っているプロバイダのメールやGmailも取得可)。真っ暗な寝床でも、ネットサーフィンやYouTubeは快適。

Zaurus SL-C3100や初代W-ZERO3を使っていた身としては、もう二度とあんなまどろっこしいUIには戻れそうもない(どちらも良いガジェットだが)。これからのスマートフォンはタッチパネルを搭載したりして、どんどんiPhoneライクになってきているのではあるが。

「だったら、他のスマートフォンでもいいジャン」という意見もあろう。しかし、Appleのプロダクトと他の製品では決定的に違うことがある。それは機能の搭載ではなく、あえての切り捨て。ユーザー・エクスペリエンスのためには、犠牲をも厭わないこと(逆に、プラスに働くであろう機能は無理矢理にでも載せる。たとえβサービスのような出来であっても。誇り高きAppleは「β版」とは決して言わないが)。

これが他の企業には真似すらできない。便利そうなものはキャパが許す限り皆押し込んでしまう。使い勝手がいいかどうかは別にして、とにかく完成して搭載する。それがいけない。

そして、iTunes Storeという流通システムがあること。音楽に関しては市販CDからの取り込み分もあるので独占というわけにはいかないが、アプリケーションは必ずApp Store経由で手に入れなければならない。このシステムはほぼ完璧に機能している。3ヶ月に満たない時点で、アプリのダウンロードは1億回となり、音楽ダウンロード数を越えたのも当然の成り行きだ。

それらアプリによってiPhoneやiPod touchはますます便利になるばかりか、ゲーム機としてもさほど見劣りしないレベルに進化しつつある。そして「Sekai Camera」のような今までにはないコンセプトのアプリの登場(「頓知・」のCEOはご存じ、CNETブロガーの井口尊仁氏)。何だかワクワクしてくる。まさに、エンターテイメント・マシンとも呼べるガジェットなのだ。

で、発売当初の悪評に戻る。やれアンテナが立たないだの、やれ日本語入力がもっさりだの、Safariが落ちるだの、アプリのインストールに失敗するだの、そもそもiPhone自体が固まるだの…。
どれも皆事実であった。

そりゃあ、携帯電話としては使えないと思うわな。筆者も娘に「(別の)携帯電話買いなよ。ホント、困るから」とさんざん言われた。それでもiPhoneを携帯電話として使い続けたのは、いつかは直るだろうと確信していたからだ。

米国時間9月12日、待ちに待った「iPhone 2.1」ソフトウェアの登場でiPhone 3Gは劇的に改善した。
上記のバグフィックスの他、セキュリティが強化され、iTunesへのバックアップにかかる時間が大幅に短縮されたのである。

それはそうと、最近ソフトバンクの孫社長がだんだん憎めない存在になってきた。つか、どっちかっていうと「仲間」って感じて、親近感さえ抱いている自分に愕然とする。彼はカリスマなんだけれども、その偉大なところは信念を貫く心と物事を成し遂げる行動力。iPhoneに社運を賭けたんだと思う。で、大衆を巻き込むために、自ら率先して行動している。

日本の大企業のトップは、自社が何を売っているかは知っているけど(たとえ所有していたとしても)自分でガンガン使ったりはしないだろうし、ましてやその様子を大衆の前で披露するなどまず考えられない。が、孫社長はやっちゃうのだ。しかも、思わず部下のプレゼンに口出しまでしてしまう。心底iPhoneに惚れているのが傍目にも分かり、何だか微笑ましい(…と思える自分が変なのだろうか)。

スティーブ・ジョブズとまではいかなくても、日本でここまで聴衆にアピールできるのは、孫正義社長くらいなものだ。強引だとか強欲だとか、いろいろ言われるけれど、「もっと頑張れ!」って応援したくなってきた(…と考える自分が変なのか)。

ちょっと話がそれてしまった。
ええっと、そうじゃなくて、孫社長やソフトバンクは実はどーでもよくて(好きですけど)、NTT DoCoMoが出してくれればもっといいのにと思っているくらいだ。
声を大にして言いたいのは次の一言である。

iPhone、とにかく使ってみなよ!

 

ITmedia News 2008/09/16
[WSJ] AppleのiPhone 3G、日本での売れ行きは低調

CNET Japan 2008/09/17
ホワイトプランは「想定外」、iPhone失速は「予定通り」--KDDI小野寺社長

ITmedia News 2008/09/10
アプリのダウンロードは1億回

ITpro 2008/09/18
iPhoneアプリの未来を見せてくれた「Sekai Camera」

CNET Japan 2008/09/16
アップル、「iPhone 2.1」ソフトウェアをリリース

ASCII 2008/08/07
林信行が語る「日本メーカーがiPhoneを超えるには?」

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

18

> まぁ、それはよいとして touch diamond はタッチとスタイラスが混在しておりキー配列がケータイのテンキーな訳です。

なるほど、そこが「もどき」なワケですね。
いろいろ便利な使い方ができるとしても、シンプルさ、スマートさからは程遠い感じがします。まったくもって、合理性と哲学は別物ですなあ。

  kirifue on 2008/10/11

17

アップルガイ=価値観のバイアス強すぎ!という印象バリバリでありましたが、まぁ、それはよいとして touch diamond はタッチとスタイラスが混在しておりキー配列がケータイのテンキーな訳です。合理性と哲学は別物なのだなあと改めて感じ入ったり。

  尊仁 on 2008/10/10

16

朝之丞さん、iPhoneはまさにAppleそのもの。
洗練されたツクリに「Old Mac」の精神を感じます。
ま、そんなところに、惚れたんでしょうね。

  kirifue on 2008/10/10

15

尊仁さん、どうも。
Touch Diamond、そんなに「もどき」でしたかー?
真に良いもの(優れたGUIとか)は、すべからく広まるんでしょうね。
スマートフォンに限らずケータイも、大きな進化の流れに乗っているような気がします。
Apple好きですし、海外のスマートフォンもイケてますが、日本企業にもガラパゴスを超えて増殖すべく頑張ってもらいたいものです。

「アップルガイ」って、誉め言葉ですよね?!
むしろ喜ぶべきでは?
Appleの遺伝子を受け継いでおられるようで、ちょっと羨ましいです。

  kirifue on 2008/10/10

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Old Mac、Old Apple好きとして、iPhoneは「AppleのAppleによるAppleな」ガジェットなんだなとつくづく思います。

  朝之丞 on 2008/10/09

13

発売直前のTouch Diamondを触って、その余りに徹底した「もどき」っぷりにかえって感動してしまいました..。いやはや受けそうな要素は全部盛り込むどん欲さは胸を打ちますね。

それはともかくシリコンバレーのVC巡りでひとりの老練キャピタリスト(彼はAppleIIの時代のジョブズを支援している)から「おまえはアップルガイだ!」と指摘されて妙に傷ついてしまいました(苦笑)。

余談でしたー!

  尊仁 on 2008/10/09

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ベンダー・ロックインされて喜ぶのが、マカーですよね(笑)
WindowsでiPhoneという組み合わせの方も、たくさんいらっしゃいますが…
iPhoneおすすめしてますけど、必要ない方は買わないでください。

  kirifue on 2008/10/09

11

なに、iPhone?
いらねーよ。
ベンダー・ロックインされて喜ぶなよ。

  アロン on 2008/10/07

10

そんな素晴らしい環境で開発できたら、エンジニア冥利に尽きるでしょうね。
さまざまなしがらみが無ければ、飛んでいっていたかも(ひやかし?!)

gPhoneは予想通りでしたね。
オーラは感じませんけど、ジワジワと広まっていきそうです。
気がついたら、そこかしこにGoogleが…(笑)

  kirifue on 2008/09/24

9

Kirifueさん、ソフトピアすごくいいです。頓智・開発室は環境いいですよー。広いですし気持ちのよい場所です。大垣にお越しの節は遊びにいらしてください..といいつつ、僕は相変わらず東京なのですけど(って私信ですね)。
今日はgPhoneの発表でしたがどうでしたか?全然オーラのないところがかえってGoogleらしい??(笑)

  尊仁 on 2008/09/24

8

尊仁さん、こんばんは。
アメリカの方もキツイですね〜。

iPhoneとシンビアンの2つですか。
シンビアンはオープン化されますからね。底の知れたWMよりも期待大なんでしょう。市場規模がでかいですし。

キラーサービスは「頓智・」から生まれる可能性に期待してますwww
遅くなりましたが、ソフトピア進出おめでとうございます。

  kirifue on 2008/09/23

7

kirifueさま、サンフランシスコはそもそもApple教信者が多い街なのですが(Airがごろごろ)「おめーらのケータイはスゲーからな。アプルには入り込む隙なんてまるきりあるわけないよねー!」的な(自虐?)コメントを多数いただき非常に複雑な心境になりました..。

あとウィンドウズモバイルに移植しろ!コメントは実際零だった(しかも会場でも全く見かけず..ブラックベリー率いと高し)のにも関わらずシンビアンシンビアンシンビアン....言われて、これも相当意外でしたね。

所変わればシェア変わる。ちなみに東海岸から来た連中はiPhone売れまくりで凄まじいと熱く語ってました。日本では苦戦の続くiPhoneですがキラーサービスがどこかから出てくるのは、AppStoreが開拓する可能性としてあるでしょうし、それはビジネスユース以外の新たなエンターテインメントなのかも知れません(とは釈迦に説法!)。頓智・もがんばりますよ!!

  尊仁 on 2008/09/23

6

hecoさん、こんばんは。
確かに「iPhone面白そうだけど、WindowsMobileで間に合ってます」な方には必要ないかもしれませんね。
また「WVGA程度の解像度やFlash対応、それに効率的な日本語入力」という明確な物差しをお持ちなので、無理にiPhoneをお使いになることはないと私も思います。

私が一般的な携帯電話をメインとしてお使いの方にiPhoneをお勧めしないのも、そういった理由からです。いくら使い勝手が良くて楽しめそうでも自分が重要だと思える機能がなかったなら、それはその人にとって価値がないに等しいです。まあ、2台めという選択肢もありますが、誰でもが2台持ちたいとは思わないでしょうし、金銭的な問題もあります。

「ユーザーエクスペリエンスのための機能切り捨て」については、説明が足りませんでした。iPhoneはスマートフォンでは乗り越えられなかった壁を越えたいわけです。iPodのように、誰でもが気軽に使えるインターネットマシンにしたいと。
テレビのCMでやっているようなビデオを見るだけで、一通りは使えるようになることを目指しているのではないかと思うのです。アプリには複雑なメニューを載せたりせず、まずはワンステップで始めることができるようにしています。また、機能自体の数も絞り込んでいるのだと思います。

今後iPhoneは機能アップするでしょうし、WM機も洗練されていくことでしょう。
iPhoneの投入によってモバイル市場が活性化するのは、我々ユーザーにとっても嬉しいことですよね。

  kirifue on 2008/09/23

5

通りすがりの者です。
かなり主観の強い記事ではありますが、ZaurusやW-ZERO3といった前世代?のインターネットマシンやスマートフォンとの本質的な違いを主張しておられる点では貴重であり、個人的に興味を惹かれました。(私もこれらのユーザーでしたので)
ただ、「ユーザーエクスペリエンスのための機能切り捨て」について説明が乏しく、「iPhone面白そうだけど、WindowsMobileで間に合ってます」な私にとってはあまり説得力はありませんでしたが…
(個人的には、Web閲覧する際にはWVGA程度の解像度やFlash対応、それに効率的な日本語入力編集は必須なので、iPhoneにはどうしても抵抗があります)

確かにWM機の洗練されてなさっぷりは異常ですが、載ってるソフトも進化してきてますし、今後iPhoneとも切磋琢磨して、このジャンル自体をもっと成熟させてもらえることを期待してます。

  heco on 2008/09/22

4

なかのひとさん、コメントありがとうございます。
タイトルが過激すぎたせいか、多くの方がとんでもない誤解をされているようです。申し訳ありません。
PCとは比較していませんし(読み直したら比較していました、すみません)、PCの代わりとして使ってくださいとは書いていないつもりです。あくまでメインマシンはPCで、それを補完するガジェットとしてiPhoneを勧めているのです。主にインターネット端末として。
なかのひとさんはどちらの「なかのひと」なのか存じ上げませんが、私はソフトウェア技術者であり、WindowsやUNIX上で官公庁や研究所で使用するシステムを開発してきました。開発用基幹マシンの重要性については十分理解しております。

Appleへの愛というのは確かにありますね。でも、Appleがすべてではないです。
生島勘富さんの「iPhoneについて」のブログへのコメントにも書いたので、以下、それを引用します。

http://japan.cnet.com/blog/g1sys/2008/09/19/entry_27014757/

> 物事の捉え方や感じ方は人それぞれですから、同じ物を見ても感動する方もいれば、たいしたことないと思う方もいらっしゃいます。
> それは性格や経験や生活の仕方が異なるからで、その違いが個性とも言えます。
>
> 私は周りからApple信者だと思われていますが(いや、実際そうですが)、他の人がさしてAppleに興味を抱かなくても、あるいは、別の企業を誉めることも悪いとは思っていません。
> 世の中全部がAppleばかりでは、おもしろくありませんからね。
> 生物と同じで多様性の中から、また新しいモノが生まれるんじゃないでしょうか。
>
> 道具であっても、おもちゃであっても、やはり納得のいく製品を使いたいと誰しも思うでしょう。
> そういうときに少しでもお役に立てたら、幸せだと思うのです。

  kirifue on 2008/09/21

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