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ニコニコ動画にみる人材活用術、オタクは自信を持つべし

2007/11/20 02:48
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寺本由美子

本名とタイトルのペンネームが異なっているのはご愛敬(話せば長~い物語あり)。IT系の話題からゲームのレビューまで、自由気ままに発信します。iPadやiPhoneなど、大好きな電脳小物についても熱く語りたいですね。Twitterにも出没中。ブログへのコメントも、@kirifue へどうぞ。
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11月17日、就職支援イベント「ミリオンタイムズスクウェア キャリアアップセミナー」が東京都内で開催され、ニワンゴ技術担当取締役の溝口浩二氏がニコニコ動画の開発と人材登用について語ったという。

少人数による集中開発だということはすでに知られていたが、まさかここまでのスピードとは。

川上氏は「ユーザー代表兼プロデューサー」、戀塚氏は「達人レベルのプログラマー」という役割で、「この2人の黄金コンビが、すごい速さで開発していった」という。川上氏が「こんなことできる?」と言えば、戀塚氏が10分で実装する、といった具合だ。意思決定をする人とそれを形にする人、という少人数構成で、「極限まで効率化されたスピード開発」(溝口氏)をしていった。

絶妙のコンビネーションである。私もお客さんからこういう仕様でできますかとよく聞かれるが、10分で実装したなどという記憶はない。よくできて30分、実現方法が分からないと下調べに数日かかってしまうことしばしば。まったくもって未熟者なのだ。それにひきかえ(比べても無意味だが)さすが「達人」戀塚氏。

少人数による開発は効率が良いというのは分かる。開発サイクルが極端に短いので、打てば響くといった感じだと思う。仕様を練って鋳型を作り上げるのではなく、彫刻のようにおおまかな形を削り、そこから細部を刻み込んでいくという方式だ。印象や感触によってその姿形は変わってくる。それが自然な流れなのである。

しかし、大規模なシステムともなると、いつまでも2〜3人で開発を続けるというわけにもいくまい。

その後、サービスの拡充に伴ってニコニコ動画に携わる開発者も増えている。2ちゃんねるで募集したエンジニア2名もその一部だ。「コミュニケーションは難しいけど(笑)、腕はぴかイチ。将来、凄腕プログラマーになりうる人たちだ」と溝口氏は期待を寄せる。

これほどのシステムに新人が投入される。もちろん、新人といってもド素人ではない。募集要件を満たし難関を突破して就職できたのだから、さぞその種の能力に秀でた方たちなのだろう。だがここで一番必要とされるのは、実は知識の豊富さや技術の高さではない。では、一体何か?

溝口氏はニコニコ動画のようなサービスを開発する上で求められる人材像についても触れた。ドワンゴという会社がネットワークゲームのミドルウェア開発から始まり、着メロや着うた、ニコニコ動画へと注力事業を移している点を挙げ、「節操がないので(笑)、面白そうなことなら何でもやる人、面白くないものでも面白さを見つけてしまうような人がいい」と話す。「要はオタク。面白いからがんばっちゃう」

「オタク」と聞くとマイナスの印象が強い。TBSの『初音ミク』特集に見られるように、いまだに大衆メディアでは「オタク」を煽る、おちょくる、見下すなどといった馬鹿げたことが行われている。特にそのような文化に馴染みのない年齢の高い方たちには、暗いイメージを抱いている方が多いのではないだろうか。

しかし「オタク」はその気質ゆえに、貴重な人材にもなり得るのである。自分の興味のあること、おもしろいと感じることにはトコトン打ち込める。苦にならない。さらに、溝口氏は「ハッカー的サービス精神が必要」ともおっしゃっていた。バグを見つけたら自分で処理するくらいの気概があればなおいい。

もちろん、「オタク」にすべてのIT系の職種に向いているというわけではなかろう。コミニュケーションが苦手な方に、対外的な交渉が必要な仕事とか、それこそSIerがこなせるかどうかは分からない。が、ベンチャービジネスにおける自由な発想やそれを実現する開発能力には長けているかもしれない。何事も適材適所なのだ。少なくともニワンゴには「オタク」の活躍場所がある。

では、ニワンゴに就職できるのかと問われれば、厳しいと言わざるを得ない。「夢を語る」のはたやすいが、それを実現するのは難しいものだ。

皆が海外で活躍できるわけもなく、ベンチャーで成功する人も一握りに過ぎない。受託ソフトの開発で満足している人も多いと聞く。少し背伸びをするくらいは誰でもできるが、自分に能力以上のものを求めるのはかなりキツイ。競争するとなればなおさらだ。

それでもトップを目指したい方はどうぞ。努力する価値は十分過ぎるほどある。そして、願わくば日本のIT業界をリードするような存在となってほしい(IT業界の問題がすぐに解決するわけはなく、どこかにしわ寄せがくるという体質はなかなか変わらないと思うが)。

そこまではという方も、ぜひ「ものづくり」の良さを味わって頂きたい。場所はニワンゴとは限らずどこでもOK。何かを作り上げる喜び。それが一プログラマである自分が勧めることのできる、この仕事の一番の魅力である。また、溝口氏がおっしゃっていたように、どんな仕事にも「おもしろさ」を見つけ出してトコトン極めること、これに尽きる。それこそ「オタク」の最も得意とするところなのだから。

CNET Japan 2007/11/19
ニワンゴ技術責任者が語る、「ニコニコ動画」成功の鍵

ITmedia News 2007/10/15
TBS「アッコにおまかせ」の初音ミク特集に批判相次ぐ

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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