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JAM2007(3)HD DVDで観る「FREEDOM」は Blu-ray Discとどう違う?

2007/10/15 02:54
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プロフィール

寺本由美子

本名とタイトルのペンネームが異なっているのはご愛敬(話せば長~い物語あり)。IT系の話題からゲームのレビューまで、自由気ままに発信します。iPadやiPhoneなど、大好きな電脳小物についても熱く語りたいですね。Twitterにも出没中。ブログへのコメントも、@kirifue へどうぞ。
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前回の話はこちら

JAM2007の出展社はアニメ業界ばかりとは限らない。HDDVDプロモーショングループが、再生実験として『FREEDOM Vol. 1・2』の映像を流していた。あのカップヌードルのCMで有名な近未来SFアニメである。メディアは次世代DVD規格である「HD DVD」。このHD DVD版『FREEDOM』は DVDメディアとしては史上初のネットアクセス機能「HDi」を装備しているという。その先進の機能と迫力ある映像をナマで体験してきた。ちなみに『FREEDOM』はブルーレイディスク(以下BD)版も発売されているが、ネットアクセス機能はないDVD版も発売されている。
2007/10/15 22:00修正 BD版の発売予定はありません。謹んで訂正させて頂きます。)

HD DVDプロモーショングループとは、DVD規格の世界標準団体「DVDフォーラム」で策定するHD DVD規格に基づくコンテンツ及び商品の普及と市場拡大を図るために、趣旨に賛同した企業135社により構成された団体である。HD DVD機器やメディアの利点を世に広めるべく、プロモーション活動を行っている。

HD DVDのアドバンスト機能

HD DVDメディアを使用することで、作品自体にさまざまな先進的な機能を内蔵することが可能となる。ここでは『FREEDOM』に限らず、他の作品において実現している機能も列挙してみたい。

ポップアップメニュー

映画を観ながら、いつでも画面上にメニューを表示できる。再生を続けたままで、各種の設定や後述する機能のためのウィンドウを表示することが可能。メイキングや未公開シーンなどの映像特典のリストを呼び出してそれぞれの解説を読むなどといったこともできる。

チャプターリスト

通常のチャプター画像一覧の他に、タイムバーの表示に対応している場合は、現在観ているシーンの相対的位置と残り時間のチェックができる。

ブックマーク機能

再生中に好きなところでブックマークできる。再生中の画面下部に表示されるリストから、観たいシーンを選んで再生する。これは結構便利なので、一度使うとやみつきになりそうだ。

Freedom1

ピクチャー・イン・ピクチャー機能

画面内に小さなウィンドウを表示し、再生中の場面に関連したメイキング映像や監督・俳優によるコメンタリー等を同時に楽しめる。『FREEDOM』では2D映像化する前の3DCGシミュレーション映像を同時に表示できる。

Freedom3

ネットワーク機能

『FREEDOM』ではネットワーク機能により関連コンテンツをダウンロードできる。DVDに埋め込んだ静的なコンテンツだけではなく、インターネット上に動的なコンテンツを用意できる点がメリットである。例えば、後発の映画ソフト『300』では、他のユーザーがアップロードしたお勧めシーンを確認するといった使い方ができるらしい。関連グッズや携帯コンテンツをインターネット経由で購入するなんてことも実現可能だ。提供側にとってもユーザー側にとっても、おいしい話である。

Freedom2

これらの機能は作り方次第でいかようにも変えることができると思う。もっとクールかつスマートな外観や操作性を取り入れるとか、Webにアクセスしてホットなトピックと連動させるとか、コンテンツをより魅力溢れるものにするために製作サイドで工夫できることがいろいろありそうだ。

HD DVDとBlu-ray Disc(BD)の比較

私が論じるまでもなく、それぞれのメリット/デメリットについてはいろんなところで比較されている。映像を観る限りではシロウト目にはどちらも十分美しいし、音声もいずれ劣らぬ迫力である。容量についてはBDが、価格ではHD DVDが有利とされている

先程紹介したようなインタラクティブな機能はどちらも対応する準備が整ってきた。HD DVDでは「HDi」、BDでは「Blu-ray Java(BD-J)」が採用されている。ネットワーク機能はHD DVDがかなり先行しているが、「BD-Live」(Blu-ray Disc Live)の標準化も進んでいるようだ

DVDとの互換性では HD DVDに軍配が上がる。HD DVDはDVDディスクと同じ構造を採用しているため、ツインフォーマットディスクコンビネーションディスク(表裏で異なるフォーマット)の作成が可能だ(すべてが対応しているわけではないが)。これらは既存のDVDプレーヤーで再生できるので、先にコンテンツを揃えるという買い方もできるし、HD DVD再生機器の購入後も家庭で所有する複数のDVDプレーヤーが無駄にならずに済む。テレビがデジタル化されたとしてもハイビジョン対応の大型テレビは当面一家に一台がいいところだろうから、他のテレビ用にはDVDで十分かもしれない。

また、当初BDは傷に弱いとされていた。しかし、ディスクの耐久性向上技術「DURABIS(デュラビス)」の採用により、HD DVDと同等以上の強度にまで改善することができたという。それでも心配になるのは、カバー層が0.1mmと薄いせいだ(HD DVDは0.6mm)。いくら傷に強いとしても、いったん傷ついてしまったら修復は困難な気がする。特に、レンタル用途では再生不良率が高くなるのではと思うのだが(実際のところ、どうなんだろう?)。

まとめ

日本ではもはや「HD DVD」の割り込む余地はないように思っていた。「CEATEC JAPAN 2007」では、あと1年で決着が着くとBlu-ray Disc陣営である松下の役員が勝利宣言をした。また、PS3の値下げも発表され、年末商戦に向けてHD DVD陣営を包囲する体制は着々と整いつつある。

しかし、ゲーム機であるPS3はそう爆発的に売れるとは思えない。WiiやDSと違い、ゲーマーしか購入しないからだ。また、無駄な買い物はしたくないという日本人気質もある。DVD戦争の決着をみない現状では、録画機能と内蔵ディスクが装備され、値ごろ感のある価格に落ち着くまで買い控えたいというのが消費者の本音だろう。

一方、HD DVD陣営も黙ってはいない。同じく「CEATEC JAPAN 2007」で、パソコンのHD DVDドライブ採用を積極的に推進していく方針であると宣言した。パソコンで外堀を埋め、安価なレコーダーやプレーヤーで真っ向から責めるという戦略である。

とどのつまり、どちらも一長一短あり。後はコンテンツの豊富さやサポート体制が重要になってくる。そういう観点で捉えると、北米や欧州はともかく日本ではやはりBDが有利だろうか。

ユーザー不在の次世代DVD戦争と言われているが、こういった規格戦争は過去に幾度も繰り返されてきた。メーカーご都合主義の争いに巻き込まれるのはもうたくさんだ。今後はこのようなことが起こらないよう、心してもらいたいものである。実際、次世代の次の世代まで待った方がいいんじゃないかとか、いずれ高画質な映像も配信されるようになるだろうから購入しなくて済むといった意見も聞かれるほどだ。

JAM2007の特集にもかかわらず話が次世代DVDのことに終始してしまったが、アニメというコンテンツ産業の土台を形成しているのは、録画再生用のハードウェアやメディアという映像媒体である。そこのところがきちんと整備されていないと、我々ユーザーはアニメや映画などの映像コンテンツを安心して楽しむことができない。そういう意味も込めて、JAM2007の締めくくりとさせて頂いた。
(了)

HD DVD Promotion Group(音が出ます)
http://www.hddvdprg.com/jpn/index.html
FREEDOM-PROJECT.JP
http://freedom-project.jp/
Yahoo!動画
「FREEDOM5」特集ページ

AV Watch 2007/06/20
アニメHD DVD「FREEDOM」は世界初のHDiネットワーク対応?バンダイビジュアル「世界同一仕様/価格/発売目指す」
@IT 2007/05/12
CGMを採り入れる次世代DVDの世界
CNET Japan 2007/10/03
「次世代DVDの規格戦争は、あと1年しか続かない」--松下電器の役員が発言
AV Watch 2007/10/05
パソコンでのHD DVD対応を強化。2008年に500万台へ「BDをお求めいただいた方に申し訳ない」

特集: JAM 2007
JAM2007(1)「アニメ・チャレンジオーディション」という斬新な試み
JAM2007(2)アニメ夢の公式は「ラレコ×手塚治虫」=「やわらかアトム」
JAM2007(3)HD DVDで観る「FREEDOM」は Blu-ray Discとどう違う?

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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