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JAM2007(1)「アニメ・チャレンジオーディション」という日本動画協会による斬新な試み

2007/10/09 02:30
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プロフィール

寺本由美子

本名とタイトルのペンネームが異なっているのはご愛敬(話せば長~い物語あり)。IT系の話題からゲームのレビューまで、自由気ままに発信します。iPadやiPhoneなど、大好きな電脳小物についても熱く語りたいですね。Twitterにも出没中。ブログへのコメントも、@kirifue へどうぞ。
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10月4日から7日まで秋葉原UDXにおいて Japan Animation Contents Meeting 2007(JAM2007)が開催された。日本動画協会と経済産業省が主催するアニメ・アイディアの見本市である。その最終日に出かけてきた。アニメ・マーケティングの「今」がどうなっているのか、この目で確かめてきたことをお伝えしたい。
Jam2007_animecharange
このJAM2007の目玉の一つが「アニメ・チャレンジオーディション」の作品展示である。アニメ・チャレンジオーディションとは、「ブラック・ジャック」や「新世紀エヴァンゲリオン」などのアニメ作品のストーリーやキャラクターを使った新しい商品や技術、ビジネスアイディアを広く一般に募集したものだ(対象アニメ作品一覧はこちら)。アマチュアにとって著作権の壁は厚く、二次創作を公式に発表する機会はほとんどなかったと言ってもいい。しかし、その殻を自ら打ち破るべく、アニメ製作会社の団体である日本動画協会によって開催されたということが、この「アニメ・チャレンジオーディション」の一番の意義であろう。

これらの作品にとってJAM2007は、一般への公開の場であると同時に、バイヤーやメーカーからの商談申込みの機会をも兼ねている。出品者は自分の技術力や表現力、アイデアを来場者にアピールできる。しかし、商談の応募があったからといって商品化されると決まったわけではないという。ライセンサー(著作権者)の承諾を得て、初めて世の中に出すことが可能となる。ようは、そういったチャンスが与えられたということが重要なのだと思う。

会場では45通の応募作品の中から見事一次・二次審査を突破した11作品が出品されていた。いずれ劣らぬ意欲的な作品ばかり。簡単にご紹介しよう。

ぜんざいさむらい
「ぜんまいざむらい」をぜんざいのお椀にしたもの。中に沈殿したぜんざいをかき混ぜる攪拌用のスクリューが付いている。
Jam2007_zenzai
アトム・フォント
「鉄腕アトム」を表すフォント。楽しく文字を打てる。
Jam2007_atomfont
パジャマ 夢見るレオ
「ジャングル大帝」のレオをパジャマに。人目を気にせず着られるのがいい。
Jam2007_leopajama
きゃらBIZEN
「コルボッコロ」と日本文化「備前焼」の合体。
Jam2007_bizen
絵コンテリンクDVDプレーヤー
「鉄腕アトム」の絵コンテ本を読むのと同時に、DVDも鑑賞できる。
Jam2007_atomdvd
やわらかアトム
「鉄腕アトム」と「やわらか戦車」が夢のコラボ。
Jam2007_yawarakaatom
キャラクターUSBメモリ Mr.ウスビ
「ブラックジャック」「鉄腕アトム」「機動警察パトレイバー」「宇宙の騎士テッカマン」「ぜんまいざむらい」の登場キャラがUSBメモリに。
Jam2007_charausb
レッドショルダーIDタグ ペンダント
「装甲騎兵ボトムズ」のペンダントトップ。女性向けのボトムズ商品は珍しい。
Jam2007_pendant
アロマカード「香美遊(カミュ)」
「鉄腕アトム」の携帯用アロマカード。癒し力あり。印象に残るプレゼントにも。
Jam2007_atomcard
海外モバイル配信によるプリセールス支援
「まっくららんどのホネイヌくん」のコンテンツを携帯電話で世界に配信。
Jam2007_mobile
ペット・コスプレ
「ふしぎなメルモ」のコスプレでペットを着飾れる。
Jam2007_cosplay

動画協会事業委員会委員長で手塚プロ著作権事業局の清水義裕局長は、ITmediaで次のように語っておられた

「『(アニメ作品を)絶対使っちゃだめ』と囲わず、ちょっと開放してみれば、そこから新しい才能やビジネスが発掘できるかもしれない」

最終日に開催された「やわらかアトム」発表記念トークショーでも、清水氏はコミケの膨大なパワーについて触れ、有名な既存のキャラクターを貸すことができれば、それが新しいビジネスチャンスに繋がっていくのではないかとの考えを述べられた。

私は実際にコミケに足を運んで同人誌を読んだこともあるし、YouTubeやニコニコ動画で投稿動画を視聴したこともある。これらの作品には、ライセンサーの許諾を得ずに既存の漫画やアニメのキャラクターや世界観などを拝借したものが多く見受けられる。この行為自体は問題であるが、原作を愛するが故の行為であることは確かだ。中には驚くほど秀逸な作品もあり、隠れたところでそのパワーを消費するのは実に惜しいとつねづね感じていた。

例えとしては恐れ多いが、浦沢直樹先生の「PLUTO」は「鉄腕アトム」の二次作品として有名である。「地上最大のロボット」をモチーフにしたこの壮大な作品は、浦沢先生の方から手塚プロダクションへ申し出て実現したという。これはすでに活躍されている浦沢先生だからこそできたことで、なかなか真似できることではないだろう。しかし、チャンスだけは新人にも平等に与えて頂きたいものである。

今でさえ独自の画風を確立されている浦沢先生だが、高校生の頃に描いた作品を読むと手塚先生の影響をかなり色濃く受けている、というより、ほとんど手塚調と言ってもいいくらいだ。自分が好きな漫画やアニメの模倣から入っていくのはよくあることらしい。作品への強い憧れや願望は、創作活動を継続・発展していく強大なパワーとなり得るのである。

また、二次作品はそれを見た人にも影響を及ぼす。その作品に感銘を受けたなら、原作となった作品も見たいと思うだろう。新たな市場が開拓され、原作やキャラクター商品の売り上げが伸びれば、ビジネスとして成功だと言える。すべてがそううまくはいかないかもしれないが、閉塞した世界を広げ新鮮な空気を取り入れることは決して悪いことではないだろう。

アニメのアイデア見本市は隠れた熱き才能を埋もれさせないために、また、ライセンサーが考えつかないような発想によって新たな市場を開拓するために、斬新ではあるが意欲的かつ実践的な試みであると思う。日本動画協会の今後の活動に期待したい。

ITmedia News 2007/09/25
コミケの力”をアニメにも――“権利者公認”2次創作の祭典

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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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