ゲーム系の4Gamers.netの記事より、次期intelチップセットのX58からSLIがサポートされるようになるとのこと。
SLIとかCrossFireとかゲーマーPCの話でしょ?と思う方もいるでしょうが、一枚の高額なGPUを買わなくてもミドルクラスのGPUでハイエンドに近い性能が引き出せるというのはやはり魅力的です。特にグラフィック関係はハードウェアレベルのOpenGLを使用することも多く、ノンリニア編集などの高速な画面表示が必要とされる場合においては低コストで高速なPCを組むことができる利点は大きいでしょう。
何というか、こういった話題がゲーム関連に特化していて、クリエイター関連ではあまり話題にならないのが解せないのですが。CNET Japan、ZDNet Japanに記事はなく、CNET本家にかろうじて1つある程度(´・ω・`)
それ以前に、前回の記事からものすごく間が開いてしまって申し訳ありません。 それとなく下書きを書いてはいるものの、公開するに値すると思われるレベルまで持って行くことができない状態が続いておりました。申し訳ないです。Blogというプラットフォームの性質上、時事的な内容を気ままにガツガツ書いていった方が良いのかもしれないと思いつつも、やっぱりそれなりのものを書きたいとか、思ってしまって堂々巡りな今日この頃です。
閑話休題
現状ではx86互換とは言うものの、グラフィック関連のアプリケーションで推奨されているのは「intel CPUでnVidia GPU」なものが多く(その代表はAdobeですが)、SLIで高速化を図ろうとしてもnForceチップ搭載のマザーボードを使用するしか無く、やはりintel純正チップセットよりも安定性に不安がありました。今年のQ2に発売になった「Skulltrail」というXeon向けチップセットであるintel5400にnForce 100を搭載することでnVidia SLIとCrossFireの両方に対応させた(ゲーミング用途ではありますが)プラットフォームがありましたが、
と、とてつもない金額になること請け合いで、なおかつ流通しているマザーボードはintel純正とASUS製の2種類のみ。しかもASUSはnVidia SLIに非対応であったりと、おいそれと手を出せるようなものではなく、コンセプトモデルのような意味合いが強いものでした。発表から発売までの間に上位のアーキテクチャが登場してしまったも原因の1つではありますが。
当初、nVidiaはX58チップセットにおいてもSLIに対応させるつもりはないという趣旨の発言をしていました。SLIに対応させるには「nForce 200」が必要でしたが、これではX58のみでSLIに対応できるので、回路の単純化によるパフォーマンスの向上と、何よりもコストパフォーマンスがより高まりました。とはいうもののX**系のチップセットはフラグシップモデルなので、普及版のP**やG**系統よりも価格が上なのですが。
nVidiaが今までのintelチップにSLIを提供しないという姿勢を突然覆した背景にはQ2の業績低下(需要低下と価格競争&Apple製品などのGPUリコールによる経費計上)が関係しているような気がしなくもないですが、それ以前にintelとの提携や、消費者の対応を望む声に押された形のような気がします。
PCでFPSなどの3Dをバリバリ使うゲームをしない人にとっては「SLI?なにそれ、おいしいの?」というひとが多いでしょうが、nVidiaが昨年買収したAGEIA社の物理演算用のPhysXもGeForceに統合され、先日やっとGeForce 8000番台以降でPhysX対応のドライバが提供されましたし、GPUレンダリングが可能な「Gelato」というレンダラーが提供されていたり、GPUを汎用演算に利用できるCUDAやCgの存在もあり、GPUリソースをうまく利用しようというGPGPUがじわじわと高まりを見せている中、複数枚のGPUを並列化し1枚のGPUに見せかけることで、1.8倍近くのパフォーマンス向上をうたうSLIはこれからのPCには無くてはならないものになっていくでしょう。
また、GPUチップに依存しないGPGPUプログラミングとして、Appleが策定中のOpenCLの存在も見逃せません。
3DだけでなくH.264をGPUで高速にエンコードするBadaboomも魅力的です。
個人的に密やかに期待しているのは、次期(もしくはそれ以降の近い将来)Mac ProでSLIが可能になるのではないか?と思っていたりもしており、Mac Proを買ってしまう口実が増える気がしているのです。そうなるとワクワクが止まりません!
現状では3D・2Dに関わらずレンダリングはCPUに依存している状態であり、レンダリングの時間短縮にGPUを使うというのは経済的且つ効率的であるし、何よりも複数台のPCで分散レンダリングするための(クソ高い)ネットワークライセンスを購入しなくても、妥協できるレベルのレンダリングがPC一台で可能になるのではないかと期待しているのです。
少し話はずれるのですが、実は昨年末に秋葉原で投げ売りされていたPhysXボードを買っていたのですが、その性能は驚くべきものでした。正直、購入するまでなめてました。そんな、まさかとお思いの方はとりあえずこちらとこちらを参照してください。YouTubeで検索をかけるとほかにも多くの動画で性能を確認できると思います。
nVidiaはPhysXを含む、大きなシングルチップの製品を投入しているのに対し、ATIはデュアルチップで対抗しています。最新のハイエンドGPUではnVidia GTX 280をATI HD 4870 X2がベンチマークで上回るという結果になっていますが、その差はわずかなもので、どちらの戦略が優れているかはまだ判断のつく状況ではありません。
また、これらの話題はまだゲームの分野が先行している状態(学術・研究分野は別として、一般人が目に見える形で恩恵を受けている範囲で)ですが、クリエイターを悩ますエンコードの時間的問題を解決・軽減する一つの手段として、SLIやCrossFireの技術やGPGPUは魅力的なものだと思います。特にワークステーション向けのOpenGLに最適化されたQuadroFXやFireGLはPC本体を軽く上回る価格帯なので、ミドルレンジのGPUでハイエンドに近い性能を引き出せるSLIはコストパフォーマンスに優れています。(現在のQuadro FXのSLI対応は2枚まで。PhysX対応ドライバの提供はまだ。)
より高画質のグラフィックを作成しようとすればするほど、マシンパワーが必要になり、結果として地球温暖化の防止が叫ばれているにもかかわらず、エコな世の中に反抗するかのごとくCPUやGPUの消費電力は鰻登りです。だからといって、物理的リソースを十分に活用しているとも言い難い状況です。GPGPUなどによって演算処理を並列化・分散化する技術は、限られたリソースを有効活用する手段としてとても有効です。ゲーム用途だけでなく、様々な分野で成果を上げるであろうGPGPUや、コストパフォーマンスに優れたSLIやCrossFireのこれからに目が離せません。
まぁ、それ以前にAdobeの重さ、x64未対応をどうにかしてほしいのですけども。何というか、Adobeのスルースキルはすさまじいなぁと思う今日この頃です。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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