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テッド・ネルソン氏の考えるHyperText(1)

2006/05/26 21:20
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プロフィール

千ヶ崎 隆司

「君に」と言いながら、実際のところは自分の脳内をデフラグするために始めたようなブログです。 少しでも読んでいただいた方の役に立つような情報を書けたらと思っています。 ちなみにタイトルの由来はYMOの名曲から。 更新頻度を上げるために四苦八苦しております。申し訳ありません。 基本的に「エライ」人の間違いを考えることがテーマになっています。 ご意見等がありましたらtwitterアカウント「@tchiga_cnetj」まで。記事のソース等も貼り付けて行く予定です。
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以前「HyperTextとxanadu Project」と題して記事を書きましたが、以前の記事は大雑把な概要に触れるにとどまっていましたので、今回から3回くらいに分けて、テッド・ネルソン氏の講義内容を書いていきたいと思います。うまくまとまっていないと同時に長文になってしまいますが、お付き合いいただけると幸いです。

ネルソン氏がHyperTextを考案するに至るには、彼自身の経歴も大きく関わっています。
氏はNBCやCBSでディレクターをしていた父とシンガーの母の間に生まれました。幼い頃から父からムービーやフィルムについて学びました。
両親の離婚後、祖父の元で育ちます。
そのような両親の影響からか、大学時代に「nothing」と言う雑誌を作ったり、劇などの演出を手がけていました。氏はショウビジネスや言語学に強く興味を示していました。
氏は大学二年の時、初めてコンピュータに出会います。氏はすぐさまコンピュータのメディアマシンとしての将来性に気がつきます。

そしてその後、HyperTextの策定に関わることになるわけですが、氏の考えるHyperTextは現在のHyperTextとは方向性が違っていました。
氏の考えるHyperTextでは、Documentは「紙のまねごと」ではなく「紙を超える」ものを作ることでした。
しかし、HyperTextを策定するに当たっては、企業理念が大きく関わっていたため、それが実現することはありませんでした。当時考えられていたモノは紙の電子化であり、そこには最終的に紙にプリントアウトすることが前提となっており、いつでも・どこでも同一のレイアウトで出力が可能であると言うことでした。これは策定に関わったXeroxの企業理念が大きく働いています。
このように実際のHyperTextは氏の考える「紙を超える」という理念が完全に生かされることはなく、その時点で、氏も提唱はしたものの策定からは離れています。従って、氏自身も現在のHyperText最大の功労者は自分ではないと明言しています。
しかし現在のWebはテキストのみならず、動画などが配信されるマルチメディアと化しており、ネルソン氏の考えたHyperTextに近づいているとも言えますが、ネルソン氏の考えるwwwの姿はやはり根本的に異なっています。

氏の考える(提唱する)wwwは「すべてのソースはつながっており、ソースは必ずオリジナルに到達できる」状態に置かれているようにすることであり、リンクは一方通行ではなく双方向で参照が可能な状態に置かれている必要があるということで、コピーが作成されることでオリジナルが分からなくなる状態は本来好ましくないと言うモノです。
したがって氏の考えたものは「Document(テキストだけでなくWeb上にあるすべてのリソースを指します)はすべて空中にあるべきだ」というモノでした。
すべてのモノをつなげ、中身を見せることで人間に分かりやすい構造を作ること。それがネルソン氏の目指すモノであり、これがXanadu Projectの根本にあるモノです。
この構想は壮大なものであると同時に、現在のコンピュータ構造であるルートを頂点とするヒエラルキー構造上では実現不可能なものであり、この時点でXanadu ProjectはWebに限定されることなく、コンピュータの構造にも及び、より大きなプロジェクトとなっていきます。

今回は以上で終わりたいと思います。
今回はネルソン氏の考えるHyperTextが策定されるまでと現在のHyperTextとの違いに触れました。
次回はXanadu Projectにより深く触れたいとおもいます。

Web2.0が提唱されそれが実装されつつある現在、本来のHyperTextとは何であったのかを考える一つの材料になれば、と思う次第です。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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