「IBM、「POWER6」チップ発表--新サーバ「System p 570」に搭載へ」
IBMは、POWER5+の後継であるPOWER6を発表しました。POWER6に関しては、今まで多くの情報が提供されていましたが、もっとも特徴を表しているのは、今までのCPUとは段違いの周波数でしょう。
現在わかっているベンチマーク(2007/05/22 19:28)を元に、他のCPUと比較して見ます。
【TPC-C】
| CPU | 周波数 (GHz) |
CPU数 | TPC-C |
|---|---|---|---|
| Itanium2 | 1.6 | 64 | 4,092,799 |
| POWER5+ | 2.3 | 32 | 4,033,378 |
| POWER6 | 4.7 |
8 |
1,616,162 |
| POWER5 | 1.9 | 16 | 1,601,785 |
POWER6は、IBM System p 570の8CPU構成しかないため、64CPUのItaniumや、32CPUのPOWER5+よりも劣りますが、CPU数が倍の16CPU構成のPOWER5と同じ程度のTPC-Cです。
16CPUのPOWER5のTPC-Cは、32CPUのPOWER5+の二倍強です。周波数を考慮に入れると、ちょうどCPU数に比例して性能向上しているように思えます。POWER6は、最大64CPU構成が可能です。
そう考えると、64CPUのPOWER6のTPC-Cは、8CPUのPOWER6を8倍程度の結果を残すかも知れません*1。そうなると、あっさりと記録更新されるかも知れません。その前に、TPC-Eに移行でしょうか。
【SPEC】
SPECは、まだPOWER6のベンチ結果が掲載されていません。このため、IBMの発表の値を使用して比較します。また、サーバ系CPUですので、SPECint/fp_rate2006で比較するのが妥当だと思いますが*2、現在発表されている結果で比較しました。
但し、POWER6は、2コアx2スレッドですので、SPECint/fp_rate2006でも十分に性能を発揮できると思われます。
SPECint2006
| CPU | 周波数 (GHz) |
SPECint 2006 |
|---|---|---|
| POWER6 | 4.7 | 21.6 |
| Xeon 5160 | 3.0 | 18.1 |
| Itanium 2 9050 | 1.6 | 15.7 |
| Opteron 2222SE | 3.0 | 14.9 |
| POWER5+ | 2.2 | 13.2 |
| SPARC64 VI | 2.4 | 11.3 |
| Xeon 7140M | 3.4 | 11.2 |
SPECfp2006
| CPU | 周波数 (GHz) |
SPECfp 2006 |
|---|---|---|
| POWER6 | 4.7 | 22.3 |
| Itanium 2 9050 | 1.6 | 18.1 |
| Xeon 5160 | 3.0 | 17.7 |
| Opteron 2222SE | 3.0 | 15.2 |
| POWER5+ | 2.2 | 14.9 |
| SPARC64 VI | 2.4 | 12.4 |
| Xeon 7140M | 3.5 | 11.3 |
SPECint/fp2006では、他のCPUに対して圧勝しています。
ついでにXeon E5355を比較対照に上げなかった理由は、Xeon 5160の方が周波数の違いで、SPECint/fp2006では、上だからです。
【トランジスタ比較】
代表的なサーバ系CPUで、トランジスタ数を比較して見ます。まだ、未発売なのHarpertownとBarcelonaも載せておきます。
| CPU | プロセスルール (nm) |
トランジスタ 数 |
|---|---|---|
| Itanium2 9000 | 90 | 1720 |
| Xeon 7100 | 65 | 1,328 |
| Harpertown*3 | 45 | 820(410x2) |
| POWER6 | 65 | 790 |
| Xeon 5300 | 65 | 582(291x2) |
| SPARC VI | 90 | 540 |
| Barcelona | 65 | 463 |
| Opteron 2000 | 90 | 243 |
| POWER5*4 | 130 | 276 |
上記の表から、POWER6は、Itanium2 9000、Xeon 7100、Harpertownと比べると決して大きいとは言えません。
ポラックの法則があるため、トランジスタ数(ダイサイズ)を増やしても、シングルスレッドの性能は、向上しづらいのですが、POWER6は周波数向上で法則から逃れる事ができたのでしょうか。
【まとめ】
POWER6は、周波数が非常に高いとはいえ、最近のCPUとは違いインオーダーのため、どの程度の性能向上するのか疑問だったのですが、最速の称号を得られるほどのベンチ結果を出しています。
これによって、サーバ市場のパワーバランスが、大きく変わるか、見物です。
【リンク】
POWER6、SPEC CPU2006のベンチマークの再考察
*1:そう簡単じゃ無いかも知れませんが。
*2:SPECに掲載後に、追記する予定でいます。
*3:Penrynを二つ搭載したクアッドコアXeon。
*4:POWER5+のトランジスタ数を調べようとしたのですが、見つける事ができませんでした。そこで、POWER5のトランジスタ数を掲載しました。
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