ISSCC 2007では、いくつかの興味深いCPUの内容が発表されましたので、その感想を書いてみます。
【AMD:Barcelona】
AMDの今年の第二四半期に出荷が予定されているクアッドコア(Barcelona)に関して、より詳細な情報が発表されました。大方の情報は今までの発表と差が無いものですが、その中で気になって点をあげてみます。
性能に関しては、実際に製品が出てから評価すべきですので、現時点では、目安にしかならないでしょう。一応は、SPECから2CPU構成のOpteron、Xeon 5100/5300とBarcelonaと比較してみました。Barcelonaは、記事の通りにOpteronから性能アップとします。
| CPU | SPECint_ rate2000 |
SPECfp_ rate2000 |
|---|---|---|
| Opteron 2220SE(2.8GHz) | 78 | 87 |
| Xeon 5160(3.00GHz) | 120 | 83 |
| Xeon 5355(2.66GHz) | 200 | 100 |
| Barcelona(?) | 132? | 121? |
Barcelonaが、本当にこの値になるかわかりませんので、参考程度に。
最も驚いたのは、Barcelonaのダイ面積が、噂にあった通り280平方mmと非常に大きいことです。AMDの今までのCPUは、200平方mm前後のダイサイズに留めてきました。L2/L3の量は、コア単位で換算すると1MBと、現在のデュアルコアOpteronと差がありません。そう考えると、コアの部分に、性能を上げるために、多くのシリコンが使われたことになります。
OpteronのライバルであるXeon 5300のトランジスタ数は、5億8,200万で、L2は8MBです。このまま比較するとわかりづらいため、L2/3の量を同等にして比較してみます。Xeon 5300から、4MBのシリコン分(2億程度?*1)を抜くと、3億8,200万前後となります。Xeon 5300は、マルチダイのため、ネイティブクアッドコアのBarcelonaよりもI/O周りでより多く消費しています。この様に考えるとBarcelonaは、Xeon 5300より2割り以上*2もシリコンを使っていることになります。
如何にAMDは、Barcelonaで、性能アップさせているかがわかります。ここまで大きいと、経済的にうまくいくのかと心配になりますし、次世代の45nmでオクトコアのサイズが、どこまでの大きさになるか気になります。
第一ポラックの法則で、コアを大きくさせる手法は、非効率と言われています。AMDの選択は、正しかったのでしょうか。
それよりも、AMDのクアッドコアCPUを経済的に導入できるか心配になってきました。デスクトップCPU版は、いくらぐらいで落ち着くのでしょうか。
【Intel:80コアプロセッサ】
昨秋のIDFで披露された80コアプロセッサですが、今回は、消費電力と性能に関して、ある程度発表されました。
3.16GHzで動作し、62Wの消費電力で、1テラフロップを実現しています。ついでに、ダイサイズは、65nmプロセスルールで、275平方mmです。同じプロセルルールである、Kentsfield、Barcelonaと同等の大きさです。このため、65nmハイエンドCPUでは、標準的な大きさと言えます。
まだメモリ接続ができないため、実用には後5年程度必要とされているそうです。当然そのころには、プロセルルールの数世代が進むため、自ずと性能も向上します。実際の製品になるころには、2?10T FLOPSとか出ているのでしょうか。
この技術を用いたCPUが、将来どのような形で出てくるのか、私には想像できません。x86とどうやって折り合っていくのでしょうか?噂されている単体GPUに流用されるのでしょうか?それとも、ライバルの戦略を混乱させるためだけの試作品で終わるのでしょうか?
【まとめ】
AMDは、昨年末に陥ったCPU単価下落に未だに苦しんでいるような気がします。この状況を打開するのにBarcelonaが、切り札になれるでしょうか。実際の性能とサーバメーカの導入状況を見るまで判断がつきそうにありません。
Intelには、80コアの試作CPUの展望をもう少し発表してほしいものです。
*1:1bitが6トランジスタで計算しましたが、もし間違いがあればご指摘いただけると幸いです。たぶんですが、L2は冗長分もあると思われるため、もう少し多いような気がします。
*2:コアの部分だけの比較ができるならば、もっと差が開くことでしょう。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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