「AMDが勝負を賭ける「Better by Design」戦略--2007年はIntelの勢いを止める」
AMDが提唱する「Better by Design」は、成功するのでしょうか?
AMDは、ATIを買収し、一応はチップセットを製造する能力を手に入れました。このため、AMDとしては、IntelのCPUからチップセットまでを自社でまかなう方式を採用することも、不可能ではなかったでしょう。ですが、そうではなく、AMDは、自社以外のチップセットメーカとタッグを組む方針を採用しました。
Intelの自社完結方式には、CPUメーカとして、メリットとデメリットがあります。メリットは、チップセット込みで販売するため、より収入を得ることができることです。
デメリットとしては、チップセットの供給計画を間違うと、CPUの売り上げも失うことです。2005年末*1にIntelの収益が悪化の要因として、チップセットの供給が追いつかなかったことをあげています。
また、デメリットのもうひとつとして、他社の協力を得にくいところです。CPUメーカが、チップセットを出荷するため、どうしても他のチップセットメーカには不利になってしまいます。この不利な状況を覆すためにNVIDIAは、SLI*2を、自社のチップセットのみしか動作させない制約*3を設けています。これは、Intel製CPUのチップセット市場で、Intelから一定のシェアを奪い取る戦略でしょう。
このように、Intelが選択している自社完結方式では、どうしても、他のチップセットメーカに対して協力を得にくくなります。
逆にAMDは、自社製品だけでなく、他のチップセットメーカにも利益を共有する方針を行いました。これで、Intelほど十分なチップセットのラインナップを準備する必要もなくなりますが、ATIが持っていたチップセットの収入の幾分かは、他のチップセットメーカに流れることでしょう。
現状は、AMDのCPUのシェアは、Intelほど高くはありません。それでも、Intelのチップセットエコシステムでは、強力なIntelと戦うよりも、AMDのチップセットエコシステムの方が、パイが大きくないとは言え、強力なライバルがいない分、シェアを奪うことも可能です。
エコシステムは、少数で立ち上げるよりも、多くのメンバーで支えあうほうがより成長が早いように思えます。エコシステムが、ある一定まで成長すると、市場規模の更なる拡大や、多様性が出てきます。AMDのCPUのチップセット関連で、ユニークな製品が出てくるのではないかと思えてなりません。
共有か、独占か、どちらの方がより繁栄するか、非常に興味深い選択です。
*1:この時、Intelは、旧ATIに対して、チップセットを提供を依頼しました。今思うと、皮肉な現象でしたね。
*2:NVIDIAが提唱する複数のビデオカードを動作させるシステム。AMDの同様なシステム名称は、CrossFire。CNETを読まれるような方々には、釈迦に説法ですね。
*3:少し前には、IntelチップセットでSLIを稼動させる話し合いが持たれたと噂されましたが、今のところ実現はしていないようです。ついでにAMDのCrossFireは、Intelのチップセットでも動くのは、後発だからでしょうか。
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