最終更新時刻:2008年10月7日(火) 20時16分

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SunとIntelの提携は、どこまで進むのか?

公開日時:
2007/01/23 21:37
著者:
櫻吉 清(さくらきち きよし)

「サン、インテル採用を再開--「Solaris」最適化でも協力

SunとIntelは、両社の提携に関して発表しました。提携内容を参照すると、Sunが、IntelのCPUを採用するだけではなく、Solarisを含めた非常に広範囲な内容になっています。今までAMDのCPUを採用して成功していたSunが、どうしても今になってIntelとよりを戻したのでしょうか?

やはり一番大きいのは、Core MA*1の消費電力あたりの性能でしょうか。例えば、Dellは、Xeon 5100シリーズの発売契機に、Q3'06でサーバ市場の売り上げを戻しています。

Sunは、過去にIntelのCPUを捨てて、AMDのOpteronを採用したのは、性能や消費電力があまりにも違い過ぎたためです。その問題が、Core MAで、覆りました。

また、Xeonマルチプロセッサ系*2は、Opteronでは実現できない32wayのハイエンドサーバを構築可能です。32wayサーバは、サーバ市場のトレンドであるハイエンドでシェアを拡大するためには、どうしても必要なラインナップでしょう。

それに、x86サーバを扱うメーカは、AMDのCPUに依存する必要性がありません。Intelからも購入する事ができるからです。例えば、Sunを除く4大サーバメーカである、IBM、HP、Dellは、IntelとAMDの両方からCPUを購入しています。

このため、SunのIntelのCPU再採用は、間違っているわけではありませんし、市場原理から言えば、正しい判断だと思います。

ですが、気になることがないわけではありません。

今回の提携では、Xeonよりもハイエンドを構築できるItanium及びSPARCエミュレーターに関して触れていません。Intel(QuickTransit)は、SPARCを追い落とすために、QuickTransit for Solaris/SPARC to Linux/Xeon / Linux/Itaniumを出しています。これは、SPARCユーザをItaniumに引き込むための製品です。

もし、IntelとSunがもっと強力な提携を結ぶならば、Xeonだけではなく、Itanium版Solarisの開発協力*3があっても良さそうな気がします。さらに、SPARCエミュレーター中止を表明してもいいはずです。そこまで、踏み込めなかったのは、なにかあるのでしょうか?

ItaniumとハイエンドSPARCは、競合しているからでしょうか。しかし、最近のSunは、省電力マルチコア系のNiagaraシリーズやRockに傾倒し始めていいます。Intelには、Niagaraに該当する製品がありません。このため、Itanium版Solarisを販売してもお互いにメリットがあると思うのですが...

今回の提携は、両社の協力体制のほんの序章なのかも知れません。今後Itaniumも含まれるのか、気になるところです。

また、重要な顧客を奪われたAMDは、巻き返しにどのような手を打ってくるかも、注目したいと思います。

 


*1:Core Microarchitectureの略。長い...
*2
マルチプロセッサXeonは、Xeon 7100が現在出荷されています。Xeon 7100は、NetBurst系ですが、後継であるQ3'07に出荷予定のTigertonは、Core MA系でクアッドコアです。AMDは現時点では32way構築可能なCPUを出荷できていません。
*3:「サン、Solaris OSの拡張を検討--PowerとItaniumの両チップに対応か」でSunからIntelに話を持ちかけていたようですが、この時は実現しませんでした。そういえば、この記事の中で出てくるJonathan Schwartz氏は、現CEOですね。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

12

多聞さん、風見鶏さん
コメントありがとうございます。
>Sunは低消費電力なサーバーコンピュータ...
>Naiagaraが顕在化したThread Computingのポテンシャルは...
うっ、Niagaraを出されると、Itaniumの存在意義がまったくなくなってしまいますね。私もNiagara等の省電力マルチコア系CPUの可能性は非常に高いと思っています(x86のNiagara版がどこか作ると面白いのにと思っています)。
今回SunがIntelのCPUを採用した目的の一つに、Xeon MP系のTigertonがあります。Tigertonは、4CPU以上で用いられるため、システムトータル(Tigerton自体もXeon 5300シリーズを見ている限り、それほど低消費電力で無さそうな感じが...)では、それほど低消費電力にならないでしょう。
このため、消費電力が大きければ、Itaniumにも出番がると考えたのですが、それでも消費電力当たりの性能を考えると、みなさんが指摘をしているように、Itaniumの必要性が薄れるかも知れません。
今後もよろしくお願いします。

  櫻吉 on 2007/01/29

11

米国の学会が一気に動いているみたいです。
RAMP = Research Accelerator for Multiple Processors
http://ramp.eecs.berkeley.edu/index.php?publications
SPARCの生みの親でもあるバークレー校のDave Patterson教授が旗を振っているのでしょうか。教授はMicriprocessor界の重鎮です。

  風見鶏 on 2007/01/26

10

SUNのNaiagaraが顕在化したThread Computingのポテンシャルは、Microprocessor界のdisruptionといえるようです。丁度、大鑑巨砲主義から航空戦にドラスティックに移った程のインパクトがそのうち見えてくるでしょう。Itaniumは大鑑巨砲主義の権化そのものですから、明日はまったくありえません。勿論、バッチだDBだという抵抗論理はあるでしょうが、いずれどっかの博物館に収まるのは必然でしょうね。で、また日本のIT業界が負の資産を負うことになるのでしょう。
戦艦アリゾナというところでしょうか。まじめです。

  風見鶏 on 2007/01/26

9

あんまり書くとあれですが、ItaniumでLinuxとかいうのは世界的にはニッチなので日本だけ特殊な轍にはまっているのじゃないかという感じがあります。また、Sunは低消費電力なサーバーコンピュータを売るベンダーになろうとしているのでItaniumというのは論外というか想像の範囲外です。

  多聞 on 2007/01/26

8

風見鶏さん
コメントありがとうございます。
Sunの狙い関する考察は、納得させられました。
皆さんはItanium悲観論者ですね。私も、少し前は同様(そんな感じのエントリも書きました)な感じでした。
日本でのItaniumのシェア向上は、私も疑問符を投げかけています。
ですが、ワールドワイドで、Itaniumのシェアは、少しずつ向上し続けています。
http://ascii-business.com/news/0610/061005isa.html
まだ、Itaniumは、当初の目的を達しているわけではありませんが、この傾向は無視してはならないのではないかと思っています。
確かに、現状RISCサーバよりも、x86サーバの方が成長率が高い傾向があります。
それでも、ハイエンドサーバの成長率が高い現在のサーバ市場の傾向を考えると、Itaniumは、ちょっと前よりも期待できるサーバCPUのプレイヤーになれたのではないかと思っています。
今後も、よろしくお願いします。

  櫻吉 on 2007/01/25

7

SUNは先祖帰りを狙っているのでしょう。SUNの過去の大躍進はハイエンドのUE10000の成功もありましたが、なんといってもインターネットのWebサーバー・ビジネスでぶっちぎりの成功を収めたのが大きかったのだと思います。これがWeb 2.0で再来すると考えられています。Googleのようなwhite boxの超大規模ユーザーは素直にはいかないでしょうが、インフラでのサーバー・ビジネスがSUNにとって大きなポテンシャルを持っています。その意味ではSolarisによるLinuxへの反撃が最大のテーマなのでしょう。Intelとの提携もそれが本音でしょう。SUNにはいまさらサービスで既存企業の基幹系など請け負う意志などないと思います。
Webの分野ではNaiagaraが大きな潜在能力を持っていますから、SUNはSolarisさえ勢いを取り戻せれば勝算大と踏んでいるのでしょうね。
大きな世界の流れと大きく外れたItaniumの日本でのブレークなど、SUNの視野には全く存在しないでしょう。いずれ日本のメーカーが、Itaniumでの不始末をなんらかの形で請け負うことになるのでしょうね。Intelもそれどころではなくなるでしょうから。

  風見鶏 on 2007/01/25

6

SUNは先祖帰りを狙っているのでしょう。SUNの過去の大躍進はハイエンドのUE10000の成功もありましたが、なんといってもインターネットのWebサーバー・ビジネスでぶっちぎりの成功を収めたのが大きかったのだと思います。これがWeb 2.0で再来すると考えられています。Googleのようなwhite boxの超大規模ユーザーは素直にはいかないでしょうが、インフラでのサーバー・ビジネスがSUNにとって大きなポテンシャルを持っています。その意味ではSolarisによるLinuxへの反撃が最大のテーマなのでしょう。Intelとの提携もそれが本音でしょう。SUNにはいまさらサービスで既存企業の基幹系など請け負う意志などないと思います。
Webの分野ではNaiagaraが大きな潜在能力を持っていますから、SUNはSolarisさえ勢いを取り戻せれば勝算大と踏んでいるのでしょうね。
大きな世界の流れと大きく外れたItaniumの日本でのブレークなど、SUNの視野には全く存在しないでしょう。いずれ日本のメーカーが、Itaniumでの不始末をなんらかの形で請け負うことになるのでしょうね。Intelもそれどころではなくなるでしょうから。

  風見鶏 on 2007/01/25

5

吉澤準得さん
コメントありがとうございます。
>ハードウェアベンダからシステムインテグレーターへの脱却
私も同様に思っています。そうなると、ハイエンドのSPARC(Niagaraは別)をばっさりに切り捨てて、POWERなり、Itaniumなり、x86-32way(今回はこれがメインですが)なりに、できるだけ早く切り替えれば、状態(Q4'06では黒字に)が良くなるのにと思ってなりません。
切り捨てられないのは、いろいろなしがらみがあるのだと思いますが...
今後もよろしくお願いします。

  櫻吉 on 2007/01/24

4

もうひとつ。最近のSunの動向を見ていると、ハードウェアベンダからシステムインテグレーターへの脱却を目指しているように思えます。この点から、Sunが重視しているのは、Solarisをコアとしたサービスの提供なのではないかなと。

  吉澤準得 on 2007/01/24

3

Sunの方に直接聞いた話では、Itaniumが大ブレイクしているのは日本だけで、グローバルとしてはXeonが主力という認識だそうです。なので、今回の提携もXeonにフォーカスすれば十分だと。

  吉澤準得 on 2007/01/24

2

多聞さん
コメントありがとうございます。
確かPOWERでSolarisのブートまでできているので、Itanium版Solarisの可能性を考えてみました。
ですが、多聞さん言うとおり、「x86の利用拡大というのが合意できるぎりぎりの線」かも知れませんね。
Itanium版Solarisを出してしまうと、SPARCの意義が無くなってしまいますからね。
ただ、時々思うのはSunは、サーバ(システム)、Solaris、SPARCのどれに重心を置いているのか疑問に思うことがあります。
今後もよろしくお願いします。

  櫻吉 on 2007/01/23

1

櫻吉さん、こんにちは。Itanium王国日本からすると、Itanium Solarisが無いのは不思議かもしれませんが....世界的な視点からしたらSPARCにx86と二つも石があるのに3つめのサポートなんてしてどうするの?っていうのが一般的なようです。

2社からしたら、x86の利用拡大というのが合意できるぎりぎりの線でしょう。

  多聞 on 2007/01/23

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