最終更新時刻:2008年10月8日(水) 12時47分

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AMD Stream Processorの発表に際しての疑問

公開日時:
2006/11/18 15:09
著者:
櫻吉 清(さくらきち きよし)

AMD、世界初のエンタープライズ向けHPC専用ストリームプロセッサを投入

AMD(ATI)は、HPC専用ストリームプロセッサを発表しました。詳細の情報はあまり公開されていませんが、Radeon X1900 XTXを2個構成のようです。

NVIDIAにしろ、AMDにしろ、GPUをより汎用的(GPGPU)に使用する提案が相次いでいます。2006年になってから、ゲームの物理計算や動画のエンコード等がそれに該当します。

また、GPGPUの本命とも言えるユニファイドシェーダを搭載したNVIDIAのGeForce 8800シリーズは、C言語で操作できるようになり、AMD Stream Processorは、Close To Metal(CTM)と呼ばれる新たなシン・ハードウェア・インタフェースで、ハードに直接アクセスできるようになりました。

CPUよりも多いトランジスタを搭載するGPUをより汎用的に使用する事は、当然のことですが、現状気になることが2点あります。

【アーキテクチャの違いは?】

NVIDIAのGeForce 8800シリーズとAMDのStream Processorにおいて、ハードにアクセスする方法に相違があります。

どちらがより良いのかは、私にはわかりませんが、市場に混乱がおきないかと疑問です。GPUがここまで繁栄できたのは、Microsoftが、ビデオ周りのIF(Direct X)の主導権を握り、統一されたためだと思っています。

このため、ある程度、GPUのアーキテクチャが違っても、IFが差を埋めてくれます(*1)。ですが、今回のGPGPUの市場は、Microsoftが関与していないため、キープレイヤーの2社は、互換性の無いものを提案しています。

そうなると、アーキテクチャが定まらず、混沌としてしまうのではないかと思えてなりません。こうならないためにも、両社の歩み寄りか、第三者機関に、アーキテクチャ策定をしてくれないかと思う次第です(*2)。そうなれば、GPGPUのエコシステムの構築がよりスムーズに立ち上がるのではないかと。

もしくは、一方が敗者になり、勝者のアーキテクチャに追随する形式になるかも知れませんが、それでは、時間がかかりすぎて、且つ両社のパワーバランスが大きく崩れるので、この結末だけは回避してほしいものです。

【その他のGPUプレイヤーの動向は?】

GPUのプレイヤーは、NVIDIAとAMDだけではありません。特に、ハイエンドチップこそ発売していませんが、チップ出荷数では、両社を上回るプレイヤーがいます。そう、それはCPU界の巨人Intelです。

現時点でこそ、Intelは、GPGPUに対応していないチップセット混みのGPUしか販売していませし、GPGPUのアナウンスもありません。ですが、ライバルであるAMDの今回の行動や、GPGPUが価値が高まれば、Intelも、同様な製品を出す可能性も低くないと予想されます。

もし、本格的なGPGPUをIntelが出荷した場合、市場は、どのように動くか予想できません。資金力を考えると、IntelがGPGPU界のキープレイヤーになる可能性が十分にあります。

【まとめ】

さて、GPUは、GPGPUとして、本格的な一歩踏み出し始めましたが、一般ユーザが使用されるまでは、まだまだ時間を必要とするでしょう。ミドルレンジビデオカードが、ユニファイドシェーダを搭載される時期に、ようやく一般化するでしょうか?


*1:これでも完全に埋められなかったようです。それでもDirect X 10で完全にメーカ差がなくなるとか。
*2:両社のパワーバランスが同じ程度だと、このようなことは無理なのですが。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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