最終更新時刻:2009年1月10日(土) 12時20分

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モンスターGPUであるNVIDIA GeForce 8800の事を考える

公開日時:
2006/11/10 01:01
著者:
櫻吉 清(さくらきち きよし)

エヌビディア、ハイエンドGPU「GeForce 8800」を発売

NVIDIAから、モンスターGPUとも言えるGeForce 8800が発表されました。詳細は、PCニュースサイトをクロールされている方々に不要だと思いますが、一応最後に記載しておきました。

そこで、GeForce 8800に関して、私が気になった特徴を抜き出しました。

  • プロセルルール:90nm
  • ダイサイズ:500平方mm近く
  • トランジスタ数:681M
  • シェーダが統合型
  • 性能は、ビデオカードでは最高(GeForce 7900 GTXから二倍程度)
  • 消費電力は、ビデオカードでは最悪
  • 浮動小数点演算が500G FLOPS
  • Quantum Effectsによる物理演算機能
  • Shaderの命令セットアーキテクチャ(ISA)の公開とCコンパイラの提供

ベンチ結果に関して、各種PCニュースサイトで掲載されている通り、非常に高性能ですが、消費電力もすごく、動作させるのも一苦労のようです(*1)。

性能もさることながら、非常に興味深い機能が多く盛り込まれています。NVIDIAの技術開発部門のトップであるデイビッド・B・カーク氏が「G80(GeForce 8800)は真に革新的な製品だ」と発言するのもうなずける内容です。

特に革新的なのところは、シェーダが、汎用的なストリームプロセッサと動作するところです。ストリームプロセッサが、ビデオ関連だけでなく、物理計算や、Cコンパイラで使用可能で、ようやくGPUが、ゲーム以外の一般的に使われる時代到来と言ったところでしょうしょうか。GPUをストリームプロセッサと使用されるエコシステムが、早く構築されてほしいものです。

ただ、ここで気になるのが、NVIDIAのダイサイズに関する選択です。このご時世、GPUを、Unified-Shaderや、汎用的にするのは、正しい判断だと思います。ですが、採算があうのか心配になるほどの巨大過ぎるダイサイズは、どうなのでしょうか。

この巨大なダイサイズになってしまった理由を考えましょう。前作で同じプロセスルールのGeForce 7900 GTXとGeForce 8800 GTXの性能に関係しそうな各パラメータを以下にまとめました。

項目 GeForce 8800
GTX
GeForce 7900
GTX
ダイサイズ(平方mm) 500? 196
トランジスタ数(M) 681 278
コア周波数(MHz) 1,350 650

GeForce 8800は、GeForce 7900からトランジスタ数で、2.4倍程度、ダイサイズで、2.5倍程度、周波数で、2倍近く向上していますが、性能比が、大体2倍程度です(*2)。ダイサイズ(シェーダ数)×周波数比が、GPUでは大雑把な性能アップ比ですが、Unified-ShaderやDirectX 10に対応した事によって、単位ダイサイズ当たりの性能低下が起きているようです。

NVIDIAは、AMD(ATI)の出方によっては、性能トップの座に居られない可能性があります。このため、GeForce 8800を作成するに当たり、トップに居座れるためには、目指す前作との性能比は、2倍だったでしょう(GPUでは、いつものこと)。もし、統合型シェーダにより性能が低下があれば、シェーダを増やして(ダイサイズが大きくなる)、目標を達成したのでしょう。それにしても大きなダイサイズになったものです。

ついでに、16MBと巨大な二次キャッシュを持つXeon 7000シリーズでも、ダイサイズは435平方mm(65nmで)です。これを考えても、GeForce 8800は、非常に巨大です。

ですが、NVIDIAは、近年、6800(110nm)→7800(110nm:アーキテクチャ変更)→7900(90nm:プロセスルール変更)→8800(90nm:アーキテクチャ変更)と、プロセスルールと、GPUアーキテクチャを別々に変更してきました。これは、2つのリスク(*3)を同時背負わないようにしています。この選択のお陰で、ライバルであるAMD(ATI)よりは早く製品を出荷し続けています。今回も、8800で、GPUアーキテクチャの変更を行い、8900(勝手に想像)で、80nmか、65nmにシュリンクして、妥当なダイサイズまで、落す戦略でしょうか。

さて、GPUは、少しずつCPUの役割を、奪ってきていますが、x86命令を実行できない限り、第二のCPUの位置に甘んじるしかありません。しかし、少し前に、NVIDIAは、CPU開発を行っているのではないかと噂が流れました(*4)。

Cellの様なそれほど高性能でない汎用的なCPU程度ならば、NVIDIAにも作成できるのではないかと思えてなりません。もしくは、オープンなAMDからCPUの提供を受け、Torrenzaに対応したGeForce 8800をくっつけて、GPUとCPUをワンチップにした製品を、出すのも一つの手の様な感じがしなくもありません。今後のNVIDIAの戦略を注意深く監視すべきでしょう。

まぁ、それでも薄給の私には、GeForce 8800は、高嶺の花です。4年後ぐらいに、同程度の性能のGPUがミドルレンジクラスで発売されるまで、待つことにします。


*1:GeForce 8800 GTXを購入される方に、そんなことはまったく関係ないかも知れませんね。私が今使っているPCには、入れることすらできません。

*2:ベンチの内容や環境に大きく変わりますが、NVIDIAの発表では、1.5?2.0倍程度の性能アップの様な資料を出しています。

*3:プロセスルールとアーキテクチャのこと。

*4:真偽は、定かでありません。それでも、NVIDIAが、第三(四か、五か?)のx86メーカとして出てくると面白くなりそうです。


【リンク】

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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