IDF Fall 2006で、Intelは、他社製プロセッサとの接続する取り組みに関して発表しました。これは、FSBに接続できるタイプとPCI-Experssの拡張(Geneseo)を伴うタイプの二種類です。
この発表は、AMDのTorrenzaを意識した発表なのか、それとも規定路線だったのかわかりませんが、Geneseoに対応した製品の出荷が2008年になること(Torrenzaに対応した製品は2007年に出荷予定)を考えると、Intelは、この分野でもAMDの後塵を拝することになりそうです。
このようなに、x86 ISA(Instruction Set Architecture)が、既にIntelの一存で決められない状況が続いています。Intel 64&AMD 64しかり、仮想化しかり、コプロセッサ接続しかり(コプロセッサとの電気的接続はx86 ISAとは、関係はないですが、その後を含めると...)...
この様な状況は、決してIntelの力が弱まった(幾つか失策はありましたが)のではなく、x86 ISAのエコシステムが、非常に巨大で、利害関係が複雑だからではないかと思われます。
x86 ISA以外の状況は、どうなのでしょうか。
POWERには、Power.orgがあり、IBMからPOWER ISAをライセンスされ、IBM(&freescale)以外からもチップを作成することができますし、IBMに提案もできます。仕様が割れることはありません。
SPARCには、OpenSPARCで、UltraSPARC T1をGPLとして提供しています。これによって、「サンの「OpenSPARC」プロジェクトで初の製品が誕生」にあるとおり、今後のこの取り組みの展開が非常に期待されています。チップ設計すら公開しているのですから、仕様が割れることがありません。
x86 ISA以外は、多くのメーカ・ユーザを巻き込んで、少しでも大きなエコシステムを構築しようと努力しています。そうでもしなければ、すぐに他アーキテクチャに飲み込まれてしまうためです。また、多くのメーカを巻き込むメリットとして、1社で製造するよりも、複数社で行うことによって、ラインナップを補間できます(食われるケースもあるでしょう)。
ですが、x86 ISAの本家であるIntelは、他チップメーカに対してそれほどオープンではありません(SSE4では、早い段階で情報共有されるようです)。それは、x86 ISAは、他のCPU ISAと違い、市場規模が大きいためです。また、Intelが他社に補間してもらう必要もないこともあります。
果たして、x86の仕様は、このまま、IntelとAMDの両社にバラバラに行い続けるのが良いのでしょうか?AMDは、AMD64以降、自信をつけ非常にアグレッシブに自社独自の仕様を策定するようになってきています。それも、Intel以上に魅力的な仕様を。
まだ、AMDのシェアが、Intelに比べて小さいため、Intelの決めた仕様のほうがより、メインストリームになる可能性は高いと思われますが、将来的にも、AMDのシェアが上がらないとは断言できません。
もし、将来、両社のシェアが、五分五分になり、パワーバランスが、均等になったらどうなるでしょうか?そうなれば、仕様の歩み寄りが無くなり、市場は混乱の度合いが深め、その隙に他のCPU ISAにつけこまれ、ユーザ離れがあるか知れません(その可能性は、非常に低いと思いますが)。
両社の仕様対立を収めるために、x86 ISAの仕様策定を、非営利の業界標準団体(PCI-SIG等の様な)に任せるのは、どうでしょうか。
そうなれば、Intelが犯した64bit化対応の失策の様なことがおきなくなります。また、規格がオープンになれば、x86のラインナップに多様性が出てくるかも知れませんし、さらに、Intelが独禁法に訴えられることも軽減できるかも知れません(これは、ないかなぁ?)。その代わり、機能拡張の進化の速度が、鈍る可能性がありますが。
とは言え、x86 ISAの非営利の業界標準団体なんて、できる可能性なんて、0%だと思ってはいるのですが...
但し、「x86 ISAは、誰のものか?」の問いは、ライセンス関係を抜きにすると、「x86 ISAに関与している全ての人」だと思っています。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
櫻吉 on 2006/10/07
http://sg.vr-zone.com/?i=4013
http://www.digit-life.com/articles2/editorial/amd-guiseppe-amato-conf-part1.html
http://www.ixbt.com/editorial/amd-guiseppe-amato-conf/104-enl.png
記憶を頼りにソースを探し出してみて、やっと気が付いたんですがサーバーとデスクトップじゃ厳密な比較は出来ませんね。
一年というのは言いすぎでした。
仮想化関連はただでさえ合従連衡が繰り返されて混沌としてるので命令セット位は互換にしてもよかった気が。
通りすがり on 2006/10/06
多聞 on 2006/10/06
通りすがりさん
コメントありがとうございます。
>I/O仮想化ではIntelのほうが1年近く先行してる模様。
おぉ、それは知りませんでした。良い情報教えていただき、ありがとうございます。
もし、良ければニュースソースを教えていただけませんでしょうか。
今後も、よろしくお願いします。
櫻吉 on 2006/10/05
通りすがり on 2006/10/05
多聞さん
コメントありがとうございます。
ISA=instruction set architectureです。追記しておきます。
ISAに関してですが、IntelはSSE4として命令の拡張を行いますし、AMDは、GPUを内蔵したとき(2008年)に、ある種の命令追加があるのではないかと思っています。そのときに、両社の命令のすりあわせが、どうなるのかと言う疑問にありましたが、この記述は無いですね...汗。
「PCI-Experssの拡張」に関しては、x86標準団体の話をしたかったので、こじ付けだただけですが、AMDのGPU内蔵(Torrenza)の発端だからでも、あります。
「何を今更ATバス」...それは、古い本ですね。ヤフオクなどで売ると案外...
今後も、よろしくお願いいたします。
櫻吉 on 2006/10/04
「x86 ISA」ってx86の命令セットということですよね?
いまさらIntelがどうこうというより、決まったものがすでにあるし、AMD64 ISAが拡張したものを追随せざるを得なくなっているというのはありますが、「PCI-Experssの拡張」とかとは全く関係の無い話だと思うんですが....。
こういう突っ込みをするのは、AT/ISAバス(Industrial Standard Architecture bus)の時代は遠くなったなぁ。大陸書房の「何を今更ATバス」はいつ捨てようかと思い出したからです。
多聞 on 2006/10/04
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多聞さん、通りすがりさん
コメントありがとうございます。
多聞さんへ
>x86 Itanium Solutions Alliance
そのISAはw
通りすがりさんへ
URLを教えていただきありがとうございます。
チップセットからIntelのI/O仮想化の導入時期を推測するんですか。なるほど。チップセットを追っていなかったので、知りませんでした。
>命令セット位は互換にしてもよかった気が。
そうですね、私もそう思います。今のところ仮想化は、ソフトウェアで、命令差をカバーできているようですが...
両社で調整してくれれば、より発展のスピードもあがると思うのですが。
お二人とも、今後もよろしくお願いいたします。