最終更新時刻:2009年1月10日(土) 12時20分

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サーバ用CPUとマルチメディア用CPUの開発の方向性

公開日時:
2006/09/06 22:05
著者:
櫻吉 清(さくらきち きよし)

サンの「Niagara II」、マルチスレッド処理の方向性を一段と明確に

Sunが開発中のNiagara IIは、8スレッド実行可能なコアを8コアで構成されている特殊なCPUです。これは、前作であるUltraSPARC T1を拡張しましたが、CPUの開発のトレンドとは、どの程度適合しているのでしょうか(UltraSPARC T1が好調である事を考えると、Sunの選択も間違っていないのですが)?

そこで、現在、PC、サーバ、ゲームコンソールの代表的なCPUを列挙して、違いを見てみましょう。

CPU名称 コア数 スレッド数
Core 2 Duo/Xeon 51xx 2 1
Opteron/Athlon 64 X2 2 1
Itanium 9xxx 2 2
Xeon 50xx/71xx 2 2
Power5+ 2/4(QCM) 2
UltraSPARC IV+ 2 2
UltraSPARC T1 8 4
Cell 9
(PPE1,SPE8)
PPEのみ
2スレッド

メジャーなCPUの開発の方向性は、ヘテロジニアスマルチコア化してある種の処理を向上させるか、ホモジニアスマルチコアとしてコア数をより増やすかのどちらかを選択しています。

ヘテロジニアスマルチコアの最も先端を行っているのがCellで、ホモジニアスマルチコアを邁進しているのがUltraSPARC T1及びNiagara IIになります。

現時点では、Core MA、K8の後継アーキテクチャであるHound、そしてItaniumは、クアッドコアまで増やす事を明言しています。POWER5+は、2つのデュアルコアを、1つのパッケージに納め、QCM(Quad-core Module)として既に販売しています。

プロセスルールが、65nmまでは、経済的(CPUのダイサイズが200平方mm)でシングルコアの性能がある程度確保すると、4コアが限界のようです(注:これは、IntelとAMDがクアッドコアを出すプロセスルールが、65nmから書いていますが、当然大きなダイサイズでも販売できる高額なCPUは、別の話です)。

Intelは、今後メニイコアを進むことを明言していますが、どのようなスタイルに落ち着くのかは、現時点では明確なアナウンスはありません(今度のIDFにNehalem関連で発表があるのでしょうか?)。但し、ヘテロジニアスマルチコアに進むと言われています。

AMDは、GPUメーカのATIを買収し、CPUにGPUを盛り込むことを明言しています。ある時期(2008年か?)を境にヘテロジニアスマルチコアに移行する事はわかっています。

動画のデコード等の高負荷なマルチメディア処理に耐える必要があるPC及びゲームコンソールのCPUは、汎用コアを増やすだけでは性能が追いつかず、特殊なマルチメディア処理を専門的に行うコアを導入し、要求性能に到達する方法を選択しました。このため、ヘテロジニアスマルチコアに進まざるを得ないのでしょう。

ですが、サーバのCPUでは、マルチメディアを扱う業務(レンタリング、科学計算等)もあると思われますが、それが主流ではありません。WEBサーバや、データベース等は、整数演算で足りるため、純粋に処理能力向上=コア数の増大(もしくは、1コア当たりのスレッド実行数の向上)が、最も正しい方向性になるのではないでしょうか。このためSunが選択したNiagara IIは、妥当だと思います(Niagaraは用途が限られすぎてはいますが)。

と、なると、マルチメディア用のCPUとサーバ用のCPUとは、進むべく方向性が違ってきます。

現在、Intelは、サーバ向けXeon 51xxとCore 2 Duoで、コアは同じアーキテクチャを採用しています(XeonではNetBurstが残っていますが、来年にはCore MAにリプレイスされるでしょう)。AMDも、Opteron 2/8xxxとAthlon 64 X2でコアは同じアーキテクチャを採用しています。今までは、PC用CPUとサーバ用CPUを同じ開発の方向性で進んで来ました。

IBMは、サーバ用CPUとして、POWER5+/6を、マルチメディア用CPUとして、Cellを用意し、用途毎に提供しています(Cellは、始まったばかりですが)。このため、Intelにしろ、AMDにしろ、IBMと同様な選択をする時期が来るかもしません。Sunは、サーバ向け製品のターゲットのため、Intel、AMDとIBMの苦労を傍観できます。

AMDは、CPUを部品毎に設計を行うことを「AMD 2006 Technology Analyst Day」で明言しました。私は、Intelほど設計チームを擁しないAMDとして、製品のバリエーション(シェーダー、コアなどの増減程度)を増やす苦渋の選択だと思っていました。ですが、開発の方向性がまったく違うサーバ用CPUとマルチメディア(PC)用CPUを両方に対応するための施策なのだとようやく理解しました(これも広義のバリエーションの一つではあるのですが)。もしかすと、コア自体も違うものを採用する可能性も有るかも知れませんが。

Intelは、複数の設計チーム(Itanium、オレゴン、イスラエル)がいるため、思い切ってサーバとマルチメディアに別々に特化したCPUを開発可能でしょう(実際いまは、複数のアーキテクチャを開発しています)。また、思いっきりItaniumを廉価サーバまで落とすこともできると思います(もしくは、止めて他の開発にリソースを傾ける)。そうなると体力があるIntelは、どのような対応も可能なような気がします。

さて、今まで同じ道(アーキテクチャ)を歩んできたサーバ用CPUとPC(マルチメディア)用CPUですが、それぞれの道に進んでいくのでしょうか?

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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このエントリーへのコメント

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風見鶏さんへ
コメントいつもありがとうございます。
なるほど、確かにまだ、今後必要とされる処理内容が確定していませんね。そういった意味では、どのようにも動けると、AMDのTorrenzaは、正しい選択の様な気がします。
リバモアの1.6Pのスパコンの構成から将来の暗示ですか。本当に、そうかも知れませんね。
それと、チップ間のバスの重要性ですか。今後は非常に高い確率でメニイコアに進むことを考えれば、最もネックになる可能性がある箇所であるのは、ご指摘の通りですね。
今後もよろしくお願いします。

  櫻吉 on 2006/09/14

1

>

 それは無いと思います。
半導体微細加工技術が直面している漏れ電流にGHz面で当面は対抗できないことによるMPUのマルチコア化の動きと、依然として微細化が進むことによるSoC化に乗るFPGA系のアプリケーション特化型の特殊アクセラレータ系が乱戦状態にあるのだと思います。いわゆる”Microprocessor Sunset"です。ここにSUN T1の多マルチ・スレッド化の驚愕的な結果が輻輳して一見混乱して見えるだけだと思います。
ヘテロなCellとは別に、IBMが支給しているマイクロソフトのXboxはPower970系の3コアで結果を出しているようですし、逆にIBMはCellをサーバーに使いたがっているように見えます。要は依然として並列処理のネックであるソフトウェアの突破口は見えていないし、処理すべき仕事の内容も未だよく見えない。そこでSoCでの形態がGPUなども含んだヘテロなコアなのか、ホモなコアなのか、あるいはFPGA的なものなのか、混載なのか、正解をこれから見つけていこうというレベルなのでしょう。
そこで最も重要なのがコアの結合技術で、IBMとAMDが先行するチップ内の結合バス、スイッチです。リバモアに納入するというIBMの1.6petaのスパコンがAMDとCellのハイブリッドだという点が暗示

  風見鶏 on 2006/09/14

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