「AMDが低消費電力プロセッサの製品ラインを発表」と「AMDがデュアルコアプロセッサ「Turion 64 X2」をリリース」
AMDは、socket AM2/S1のRev.Fと呼ばれていた製品を発表しました(来週には通常版等を発表予定だとか)。そこで、今までとは違うラインナップである、TDPが、65WのEnergy Efficient(以下EE)と、35WのEnergy Efficient Small Form Factor(以下EESFF)を準備しました。なぜ、この様なラインナップを準備したのでしょうか?(サーバ用CPUであるOpteronでは、このような省電力タイプを出しています)
ここで、参考になる情報が3つあります。
【Core 2 Duoの消費電力】
NetBurst(Pentium 4/D) vs K8(Athlon 64/X2)時代、Athlon 64シリーズは、省電力を売りにできました(性能も)。ですが、Intelがこれから出すデスクトップCPUのCore 2 Duo E****シリーズでは、65W前後(55?75?)のようです。これでは、Athlon 64 X2の89?110Wでは、今までの低消費電力をアピールできません。そこで、対抗として同程度のTDPであるEEを出したのでしょう。ですが、それでは、EESFFを発表する必要が見られません。
【Rev.Fの消費電力低下】
ISSCC 2006のRev.Fの説明で、「電源電圧を1.35Vから1.1Vに下げると、動作周波数は20%低下するものの、動作時の消費電力は47%減少し、待機時の消費電力は約3分の1に下がるとしている。」とあります。ここで110Wの製品から47%を引くと58W程度になります(周波数のことはとりあえず置いておく)。多分、1.1Vまで電圧を下げていないため、65W程度を下限にして、調整しているのではないでしょうか。このため、EEは、Rev.Fで実現はできますが、89Wの53%では47Wどまりで、EESFFを作り出せるとは思えません。
【Turionシリーズの製造】
「クアッドコアCPUを2段階投入するAMDのロードマップ」の中で、「Turion 64系は、デスクトップ用K8と同じCPU設計で、製造工程でトランジスタスペックを変更することで、低消費電力化を図ったCPUだ。」とあります。この言葉を信じるならば、Turionは、Athlon系とは違う製造のようです(当初、私は良いCPUを選別してTurionとして販売していると思っていました)。Turion 64 X2 TL-60とAthlon 64 X2 3800+(EESFF)は、周波数、二次キャッシュ容量(ダイ面積がほぼ同じでしょう)、そしてTDPが同じです。そう考えるとAthlon 64 X2 3800+(EESFF)は、Turion 64 X2 TL-60と同様な製造をしているのではと予想されます。
Turion TL-60とAthlon 64 X2 3800+(EESFF)では、値段(10ドルだけTL-60が安い)、性能(HyperTransportの転送速度がTL-60の方が遅いので若干遅いでしょう)、消費電力とそれほど相違はありません。わざわざEESFFを準備する必要は、無いはずです。両者は、完全にターゲットがバッテングするラインナップになります。
にも関わらずEESFFを準備したのは、デスクトップのCPUとして省電力に優れたCPUは、引き続きAMDのAthlonである事を誇示したいのではないでしょうか。現在のところ、ライバルのIntelは、デスクトップのCPUとしては、35W前後を予定していないようです(実際の発表を見る限りわかりませんが)。また、Turion 64 X2(Socket S1)では、Socket AM2のデスクトップPCに搭載しようとすると、ソケットが違うため、別にマザーボードを準備しなくてはなりません。EESFならば、BIOSの対応でSocket AM2のマザーボードをそのまま使えます。PCメーカとして、Socket AM2は、高性能(Athlon 64 FX)から廉価(Sempron)、そして省電力モデル(EE,EESFF)まで、全てのラインナップがそろえる事ができる使い勝手のいいソケットになります。
しかし、ライバルのIntelもEESFFと同様な製品ラインナップを、準備してくる可能性は、十分にあります。その理由は、デスクトップCPUであるConroeも、35W程度のノートCPUのMeromも根本のアーキテクチャに違いはありません。そうなると、Core 2 Duo TシリーズにLGA775を準備する事ができるのではないでしょうか(これだと、TDPのカテゴリとソケットの違いが見えなくて、ややこしいですね)。
とりあえずは、静穏PCを自作するユーザ(特に日本)には、選択肢が増える事は、喜ばしい事でしょう。但し、なぜか、Turion 64 X2が、「Compare Notebook Processor Specifications」で既に公開されているにも関わらず、EEとEESFFが、「Compare Desktop Processor Specifications」で公開されていません。AMDは、EEとEESFFのリテールを考えていないのでしょうか(バルクで出ると思いますが...)。
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ごんざぶろうさん
コメントありがとうございます。
御指摘ありがとうございます。
恥ずかしい限りで、全て(10エントリばかりありました)修正させていただきました。
今後もよろしくお願いいたします。