最終更新時刻:2008年7月25日(金) 21時03分

58

パブコメを書こう

公開日時:
2007/11/15 12:12
著者:
kenn

皆さんパブコメ書きました?私はギリギリようやく書き上げました。これから送信するところです。

まだ書いてない人は、ぜひ今すぐ書きましょう。11月15日必着です(あと12時間ってこと?)。そして、できればその内容をブログに公開しましょう。パブリックライティングのよい訓練になりますよ。

どう書いていいかわからない人は、MIAUのパブコメ案パブコメ・ジェネレータ、あとはクロサカタツヤさんのパブコメのすすめが参考になると思います。

そして、意見提出方法はこちら

自分のやつは、内容的にはちょっと不完全燃焼ですけど、時間切れ。もう少しグッと迫るコメントができると思ったんだけどなぁ。

一応、以下に公開しておきます。ご参考まで。

1.個人/団体の別
2.氏名/団体名(団体の場合は、代表者の氏名も御記入下さい。)
3.住所
4.連絡先(電話番号、電子メールアドレスなど)
5.該当ページおよび項目名
6.御意見

結論:ダウンロード違法化に反対します。

「第30条の適用範囲からの除外」(104ページ)にある「ストリーミング」と「ダウンロード」の区別ですが、この点を中心に整理させていただきたいと思います。

文化審議会著作権分科会の報告書
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/06012705/002/003/001.htm

の「一時的蓄積」をめぐる議論もみてみましたが、まだ十分に整理できていないとの感想を持ちました。

コンテンツ提供者の立場からみると、ストリーミングとは、

・基本的にはその場限りのコンテンツ消費体験
・リプレイするためには原則として再度そのサイトに行く必要がある
・コンテンツ提供者が差し止めればリプレイも制御できる

という定義かと思います。

一方、技術提供者の立場からみると、ストリーミングというのは一言でいえば

・データのダウンロード完了を待たずに再生を始めるという技術

というものです。

一時的蓄積(キャッシュ)はそれを実現するための枝葉末節な技術的詳細に過ぎません。

つまり、ストリーミングとはユーザのコンテンツ消費体験を改善するために、データの受信が始まったらすぐにコンテンツを再生すると同時にダウンロードも並行して実行するという技術的な工夫という位置づけになります。したがって、ストリーミングというのはダウンロードの一種であって、相互に排他的な概念ではありません。

では、コンテンツ提供者にとっての「ダウンロード」とは、上記のストリーミングと対比する意味合いにおいて、どのようなものとして見えているのでしょうか。

それは、

1)リプレイに制限がない
2)素材として編集・再利用が可能
3)第三者に転送が可能(違法コピーなど)

という3点に集約できると私は考えます。

ここで、1)については、コンテンツ提供者側にとってのデメリットは、「ストリーミングなら実現できたであろうリプレイのコントロールができない」になります。つまり、リプレイを制限したいという実需があるかどうか。一方で「閲覧のたびに帯域を消費しない」というメリットも見逃せません。このメリットは現実的なもので、それゆえにYouTubeの「一時的でない」ローカル・キャッシュ問題などが出てきているわけです。

次に2)ですが、これは既存の著作者を守るか、それとも新たな著作者の出現に期待するか、立場によって意見が分かれるところだと思います。しかし、あらゆる創作活動は過去に発表されてきたものに何らかの形で影響を受けてきたものである以上、社会的弱者であり、かつ新たなマーケットを開拓すべき未来の著作者に対して、むしろ編集権は積極的に認められるべきだ、と考えます。

たとえば、デジタル登場以前から複製しても劣化のない創作物として「文章」がありますが、文章において認められている「引用」およびパソコンによるコピー&ペーストが禁止されている国というものがあるとすれば、間違いなく創作生産性を落とし、ひいては国際的な競争力を落とすことは想像に難くありません。いずれにせよ、2)は本筋とはあまり関係がないようです。

さて、問題は3)です。これこそが、いわゆる「ストリーミング」との決定的な、しかも外部から観測可能な差異であると考えます。1)と2)が、それ自体では外部から観測不可能なアクティビティ、すなわち「コンテンツの私的利用」の範囲にとどまるものであったのに対して、3)はその(生あるいは編集済みの)コンテンツを「発表」するシチュエーションとなります。

商業用コンテンツをそのまま第三者に横流しすればそれは違法コピーですし、素材としての利用であってもパロディやサンプリングといえない明らかな剽窃であれば、元著作者と係争の余地はあるでしょう。

すなわち、いわゆる「ダウンロード」という形式のもつ性質は基本的に良いもので、これが具体的に問題となるのは、ストリーミングかどうかというダウンロード方法それ自体の区別ではなく、それを二次的に第三者に転送(アップロード)できてしまうこと、という点に尽きるのではないでしょうか。

ここまでのロジックが正しいとするならば、送信可能化権によるコントロールこそがコンテンツ提供者の意図に沿った最も効率の高い方法である、という結論になると思います。(なお、その前提として効率の悪いザル法を積み上げることは望ましくない、という共通認識があるものと期待しています。)

それから、海賊版の配布サイトとYouTubeなどの投稿サイトは明確に区別できるはずだという予断が報告書に見られましたが、そもそもYouTubeもかつては海賊版サイトのような扱いでしたから、そういう結果論にもとづいた主観的な判断をストリーミングの議論とむすびつけてしまうのは不適切と考えます。客観的事実だけをいえば、どちらもダウンロードであり、どちらも投稿サイトであり、違いといえばDMCAに準拠しているかどうかぐらいです。

ダウンロードの違法化に反対する理由は他にも色々ありますが、今回パブコメを書いた動機は、「ストリーミング」と「ダウンロード」という言葉については技術業界とコンテンツ業界で大きな「定義の不一致」が存在するということをまず再確認していただきたい、ということです。そして、いずれか一方の常識はもう一方の常識ではない以上、お互いが納得できる別の着地点を模索する必要があるのではないでしょうか。

以上

Steve Winwood / While You See A Chance

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

ブログにコメントするにはCNET_IDにログインしてください。

この記事に対するTrackBackのURL: 

このブログについて

ブロガープロフィール

アーカイブ

カテゴリ

ブログネットワーク

アルファブロガー

外資系エグゼクティブの日々今アーキテクチャが面白い
外資系エグゼクティブの日々
クロサカタツヤの情報通信インサイトインターネットのリュミエール
クロサカタツヤの情報通信インサイト
平野敦士カールのアライアンスInsightGoogleお前もか?
平野敦士カールのアライアンスInsight
江島健太郎 / Kenn's ClairvoyanceiPhoneという奇跡
江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance
末吉隆彦 ロケーションウェアの「空」と「実」サミット、サミット、そして今こそ!公衆無線LAN
末吉隆彦 ロケーションウェアの「空」と「実」
佐々木俊尚 ジャーナリストの視点暗黙共同体へ−秋葉原事件で考える
佐々木俊尚 ジャーナリストの視点

読者ブロガー

個人・少人数制作アニメーション現代記 - 真狩祐志動画配信の影響なのかインターネット部門が「終了」
個人・少人数制作アニメーション現代記 - 真狩祐志
独断と偏見の気になる情報セキュリティGoogleというネットの巨大なメディアに支配される脅威
独断と偏見の気になる情報セキュリティ

企画特集

DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」DELLが掲げる「新・仮想化アセスメントサービス」
〜企業システムの仮想化環境の構築を支援〜

新着コメント

ルート134さん。コメントありがとうございます。 >すべての情報にはス......
Googleというネットの巨大なメディアに支配される脅威
投稿者:新倉 茂彦
コメントありがとうございます。 「消費者・生活者を主役とした行政への転換......
パブリックコメントは国民に知られていなかった( 2 )
投稿者:sumimotoshohei
こういう余計な人がいなければ、知られずにアリバイ工作できたのに。 //...
パブリックコメントは国民に知られていなかった( 2 )
投稿者:ルート134
一般にも、うけているが、マニア系にはHPLXの後継機なのでしょうね。 XPにも......
iPhoneの影で馬鹿売れしているみたい
投稿者:ルート134
>制作についてはこれといって語られない。 今週、4ch(読売)で深夜に少......
動画配信の影響なのかインターネット部門が「終了」
投稿者:ルート134

ブログネットワークとは?

CNET Japan ブログネットワークは、元はCNET Japanの一読者であった読者ブロガーと、編集部の依頼により執筆されているアルファブロガーたちが、ブログを通じてオンタイムに批評や意見を発信する場である「オピニオンプレイス」、また、オピニオンを交換するブロガーたちが集うソサエティです。

広い視野と鋭い目を持ったブロガーたちが、今日のIT業界や製品に対するビジョンや見解について日々熱く語っています。

あなたもブログを書いてみませんか?

CNET Japanやその他サイトが提供するITニュースやコンテンツへの意見や分析、 ビジネスやテクノロジーに対するビジョンや見解について語っていただける方を 募集しています。ご応募はこちらから

ブログの投稿・管理

ブログの投稿はこちらから(※ブロガー専用)

ブログアワード2007開催決定!

今年最も活躍したブロガーを表彰します。詳細はこちらから

αマークって?

これは、CNET Japan 編集部の依頼に基づいて執筆されているCNET Japan アルファブロガーによるブログの印です。

Good!って?

CNET Japan ブログネットワーク内で拍手の代わりに使用する機能です。ブログを読んで、感激した・役に立ったなど、うれしいと思ったときにクリックしてください。多くGood!を獲得した記事は、より多くの人に読まれるように表示されます。

レビュー

[レビュー]高い信頼性を普通に使う地球に優しい電源ユニット--Antec EarthWattsシリーズ EA-650
“自作ユーザーは、電源ユニットに何を求めるのか?”出力なのか、安定性なのか、それとも機能性なのか?難し
オンリーワンの個性を極めた超薄型テレビ--日立 Wooo UTシリーズ
日立製作所の超薄型液晶テレビWooo UT 770シリーズは2008年6月にラインアップが増強され、さらに日立らしい
[レビュー]“この手があったか”と思わせるパワーユーザーも納得のPCオンデマンド--「VALUESTAR G タイプR Luiモデル」+「Lui RN」詳細レビュー
「VALUESTAR GタイプR Luiモデル+PCリモーター」は、設置場所にとらわれずにPCを使える、NECが新しく提案
今週の新製品総チェック:ドコモ、au夏モデルが続々店頭へ、ビデオカメラは新機種ラッシュ
NTTドコモ、auなど、ケータイ夏モデルの店頭発売日が決定し、盛り上がりを見せている。9.8mmの超薄型ケータ
[レビュー]テレビを持ち歩ける最強ツール--ソニー、Blu-rayレコーダー「BDZ-A70」
[レビュー]ネットワーク対応の高機能デジタルフォトフレーム--ソニー「Canvas Online CP1」
15時間の行列で手に入れたiPhone 3Gファーストインプレッション--ソフトバンクモバイル「iPhone 3G」
北京を見逃すな!--2008年夏、今買うべき「薄型テレビ」
[レビュー]通勤鞄に忍ばせたい軽さと装着感--マクセルのノイキャンヘッドホン「HP-NC15」