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Passion Rules the Game

2005/10/29 14:07
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今さらだけど、2002年に行われたレッシグのラスト・ギグを見た。

ittousai : レッシグ講演 - 日本語字幕付きFlash版
20051029-FreeMickey.png

(歌詞はこちら)

驚くべきライブだ。

レッシグは、ロックしていた。

こんな熱狂に引き寄せられていたら、30分なんて、あっという間だ。

その面影は、想像するほかないけれど、きっとゲバラか龍馬のようであったに違いない。

これを見終わる頃には、君たちの胸につっかえていた固いしこりが、ポロリと取れているはずだ。

今年はじめに起きたジャストシステム事件のとき、「ざけんじゃねぇ!」と雄叫びを上げていたぼくだけど、正直いって心もとなかった。

まさにレッシグの言うように、3秒ルールが支配するポピュリズムの中では、知性に勝利はめぐってこないことを、知りつつ振り上げた拳だったからだ。

だが、この熱いギグから3年を経た今、事態は急展開しようとしている。

知性はたしかに存在したのだ!

新しい時代の萌芽が、あちこちに見てとれる。

くだんの事件の顛末はといえば、知的財産高等裁判所がいい仕事をして、ジャストシステムが逆転勝訴し、松下は恥を忍んで抜いた刀をしまうという漢っぷりを見せた。(それは冷静な計算だよ君、というご意見は無用)

経産省からも「ITPro : ソフトウエア特許はイノベーションを減退させやすい」というレポートが出た。

なんといっても、「知財保護こそがニッポンの競争力である」などとうそぶいていた、バカな連中のやかましい大音声を耳にする機会が減りつつあるのは、大変すがすがしい。

「保護」で甘やかされ、この世界をサバイブしていくことの厳しさを忘れてしまったインポテンツどもが、いったいどうやったら強くなれるというのだ。雑草は踏まれて強くなる。養殖の鯉なんて御用御免願いたい。

ぼくのポジションは、アナーキストでもリバタリアンでもなく、ビジネスマンなのだ。

同時に、市民生活を営む一人の市民だ。

何が正しくて、何が間違っているかについて、自分の意見を持っている一人の市民だ。

「沈黙は罪」と考え、自分の信じることを主張する、一人の市民だ。

一介のビジネスマンとして、特許には(定義により)産業の新陳代謝を妨げ、むしろイノベーションを阻害する作用の方が大きいと主張してきたのだ。


振り返ってみれば、この一連のムーブメント、つまりプロ・パテント政策からプロ・イノベーション政策への大きな舵取りがはじまった背景には、やはり米国を代表する政策提言である「Innovate America」、通称パルミザーノ・レポートの存在があったというのは、皮肉なものだ。

IBMのCEOサミュエル・パルミザーノ、氏は技術と経営のバランス感覚に長けた人物との評判だが、その彼が指摘したのは、ステロタイプな言い方をしてしまえば「理系的な知」から「文系的な知」へとイノベーションの基盤が移行しつつある――そしてこれはweb2.0のエントリでも指摘したことと同じ――ということだった。

ITmedia : サービスに科学を導入する、サービス・サイエンス最前線

世の中は、怖いぐらいのテンポで、どんどんどんどん変わってゆく。

ユビキタス・コンピューティングを提唱しながら志半ばで倒れたマーク・ワイザーといい、いまだスケールのでかいことをやり続けているスチュアート・ブランドといい、その途方もない発想は西海岸独特の空気と60代にはじまったカウンターカルチャーが原点にあるという。

大躍進を遂げて人生二度目の頂点を謳歌しているアップルのスティーブ・ジョブズも、スチュアート・ブランドに影響を受けたことを、この感動のスピーチの中で認めている。

ジョブズもロックしていた。

小手先の知識とか技術じゃない。

人の心を動かすものだけが、世の中を変えていくんだ。

Nine Inch Nails / March of The Pigs

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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