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ヒューマノイド・ロボットは次世代アルファ・ギークの夢を見るか?

2005/03/23 05:58
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この週末、第7回ROBO-ONEの観戦に行ってきました。

ROBO-ONEというのは、アマチュアが自作した二足歩行のロボットを持ち寄って演舞させたり格闘させたりして技を競う、2002年2月から始まって半年に1回行われている競技大会です。

実際に生で見るのは今回が初めてだったのですが、正直ぶったまげました。

ここまで進んでるの?

もはや二本足で立って歩くなんて当たり前、バク転したりドロップキックしたり、自律で音声・画像認識したり喋ったり、ジャイロで姿勢を安定させてドカドカ早足で歩いたり、階段を上り下りしたり。もう何でもアリです。

つい2〜3年前まで、二足歩行は難しいとか何とか言われていたのがウソのようです。

なんというか、世のロボットマニアの情熱をひしひしと感じました。今のロボット業界は、30年前にTK-80シリーズが登場したパソコン業界と同じポジションにあるのではないでしょうか。こうして書いてるだけでも、黎明期ならではのあの独特の興奮がぶり返してきます。

なかでも10万円程度でベースキットを揃えられる最初の民生機、KONDOのKHR-1が発売されてヒットして、以来ずいぶんと裾野が広がってきているようです。KHR-1はもはや後世まで語り継がれるであろう伝説の地位は確実といったところでしょうか。ROBO-ONEにも協賛・出展していたリヴィールラボラトリは、すでにイクシスリサーチとマイクロソフトと共同でKHR-1をベースプラットフォームとしたSDKを発表していました。このへん、嗅覚の冴えてる人たちはいるものです。

KHR-1のサーボや配線が剥きだしの無骨なルックスは、マニアな少年たちの記憶に憧れの名機として深く深く刻まれていくことでしょう。恐らく今からン十年後、洗練された見た目のロボットが世にあふれるであろう時代に、現在のロボット小僧たちは大人になり、このようにして懐かしく振り返るときがくるのでしょうか。

港区赤坂四畳半社長の清水さんが「誰がために人型ロボットは作られるのか」というエントリでいみじくも指摘されているように、ごくごくパーソナルな動機付けがテクノロジーの進展を支えているというのは真実なのでしょう。


ところで、ソフトウェアに心得のある方は、このスピーシーズのページをざっと眺めてみてください。

きっと戦慄を覚えるはずです。

Speecys Products

Speecys Firmware

PowerPCコアのMotorola MPC5200(400MHz動作)でNetBSDをベースOSにし、無線通信は11b、モーションエディタでロボットの動きを3Dでプレビュー表示しながらプログラミングでき、音楽のリズムに同期して踊らせることもできる。さらに画像取り込み用インターフェースやオーディオコーデックも搭載、コンパクトフラッシュのスロットも装備。以上ざっと50万円。こちらはKHR-1に比べるとまだまだ高嶺の花ですが、このスペックと柔軟性を考えるとお値打ちではないでしょうか。

今さらPCやWebでチマチマとヘッポコなアプリを作ってる場合じゃねーぞ、という雰囲気をぷんぷん漂わせています。だって、アプリケーション第一号がいきなりロボットによるマルチプレイヤー・シューティングゲームなんですよ!しびれます。

ITmedia : NetBSD/PowerPCで動く二足歩行ロボット―Speecys(スピーシーズ)ロボットキットとは?

このインタビューの中で、スピーシーズ代表の春日氏が

私たちは、ソフトウェア屋さんが何か面白いものを作りたくなるようなプラットフォームを目指していて、以前から、これは手足の生えたPCなんですよと話しているんですね。いままでは画面などに出していたものが、代わりに手足があって、動くようになったんですよと。

とおっしゃっています。まさに言い得て妙。

昨今のPCのイノベーションの行き詰まりは、ユーザーインターフェースの限界です。どうあがいても長方形のディスプレイという枠の中では表現や発想の限界があります。だからくだらない特許で一太郎が訴えられたりするのです。

今のロボットを見ていると、人工知能論でフレーム問題について議論していた頃のような生硬でド真面目な理論がバカバカしく思えてしまいます。とにかくディティールを追求しているだけで十分にリアリティがあって楽しい。テクノロジーの黎明期というのは、技術者が科学者を超える栄光の瞬間ですね。

愛知万博でもトヨタグループ館で楽器演奏ロボットによるバンド演奏や搭乗歩行型ロボット「i-foot」のショーが行われたり、テレビ番組でもROBO-ONEライクなロボット格闘ショーが繰り広げられたり、今年はロボットを一層身近に感じる機会が増えそうです。

ロボット・キッズは今宵も夜更かししながらロボットをいじりまわし、モーションをプログラミングしているのでしょうか。そんな彼等・彼女等の将来が楽しみです。また、私自身も久々にすがすがしいオタク魂に触れることができてとてもハッピーな気分です。いつ、どのマイロボットを入手するか、しばらくカタログを眺めながら物欲に浸れそうです。

まだ、ロボットビジネスが云々といった話をするには時期尚早なのでしょうけれど(なにしろ、まだTK-80の時代ですから)、でもいつか必ずメインストリームになりますよ、これは。

参考サイト:

ROBOlympics
小型人型ロボット12万6000円(税込)バック転もできます
吉野のロボット
ROBO-ONEへの道
ロボコンマガジン

追記:

マイクロソフトのキーマン、mkusunokさんからトラックバックをいただきました。中でもこのエントリは私の言いたかったことを最高に代弁してくれています。まだロボットそのものに関心がなくとも、イノベーションの黎明期の空気に飢えている全ての人に一度は体験してみて欲しいなぁと思います。

Eddie Higgins Trio / Alice In Wonderland

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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