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意外とファンキーなe-Japan戦略

2004/08/10 01:16
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皆さんは、一体「e-Japan戦略」というガバメンタル・スローガンに対してどのくらいアンテナを張られてるんでしょうか。

e-Japan時代の情報政策(上):ソフトウェア産業の3つの課題:経済産業省 村上敬亮氏

村上さんとはつい先日、酒席で語らせていただく機会があったのですが、軽妙な語り口でズバズバと切れ味のよい発言をされ、話していてとても気持ちのいい方でした。上記のインタビューも面白いのでぜひ本文を当たってみてください。

曰く、1970年代以降の情報政策史の視点から見て、政策主導のIT産業の振興は80年代中盤から空振りが目立つようになってきたと。そして、1990年代後半の「IT革命」ブームとYahoo BB以降のブロードバンド旋風が追い風となって政策パッケージとしてのe-Japanが一定の成果を上げ、目に見えやすいインフラまわりの整備はひとまず一巡した、とのことです。

アプリケーションとインフラのバランスというのは実に微妙なもので、互いに需要を刺激しながら成長するものです。ひとまずインフラの浸透にフォーカスしたという第一段階の進め方は、一部で箱モノ主義的と揶揄されたりもしましたが、結果的にタイミングよく高得点に値する成果を残したと言えるでしょう。

では次に、そのインフラにどういうアプリケーションを載せていくのか。

ただ、この2年くらいの課題というのは、これだけインフラが整備されても、それが本当に使われているんですか?という話です。このため、利活用を核としたe-Japan戦略?を立案すると同時に、IT戦略本部評価専門調査会が中心となって、みんなで利活用が進まない原因をアセスしつつ、PDCAサイクルを確立しましょうと頑張っているわけです。しかし、やはり物事を動かす時って、民間でIT入れるときのBPRと同じですが、いくら理屈が素晴らしかろうが、目標を厳密に立てようが、内発的なモチベーションをセットできるような仕掛けを仕込んでおかないと動きませんね。

このくだり、ご賢察。

私は政策についてはイロハも知らないドのつく素人ですが、当事者のインセンティブが働かない場所にはエコノミーが生まれないことぐらいは理解できます。

自分のまわりの人々の価値観がどう変わってきているかをキャッチアップしておくことは、ビジネスに限らず人付き合いの基本なのだと思うのですが、意外とこういう現場の視点が軽視され、過去の経験に基づくステレオタイプな思い込みだけで方針を固めてしまうことが多いように感じています。こういう盲目さが世の中のアプリケーション不良資産を大量に生み出してしまう元凶なのでしょう。

村上さんはソフトウェア工学的な見地からもユーザーサイドにこそ質の高いアプリケーション要求仕様の管理が求められる、という趣旨のことを指摘されています。これも実のところ、仕様書を書くための標準的なダイヤグラムやメソッドを知識として持っているかどうかよりもむしろ、水準以上の感受性とコミュニケーション能力、そして人を動かす仕掛けの組み立て方のコツを掴んでますか?ということが出発点で、スキルセットはその上にあるんだよということなのでしょう。

そして話題はEnterprise Architecure(EA)へ。

実業志向を取った以上、最後は世の中を動かすのは理屈ではなくて人間関係と信頼関係ですから、やっぱり2年か3年で理屈の政策だけ作っておいて、実行は担当者が変わりました、では動きません。
ITスキル標準でも「苔の一念岩をも通す」じゃないですが、私がやって情報経済課に異動した後には久米(孝氏:情報処理振興課課長補佐)が引き継いでやってますし、EAだってささやかながら2年前に始めてなんとか自分外までも粘っているから、民間企業もコケるかどうか50/50だけど、とりあえずポートフォリオ張っとくかということになっているわけです。そうしないと、EAという政策戦略がたとえどれほど正しいものであったとしても、例えばこの間に3人の担当者がバラバラにやっていたら、グーグルで検索してEAで41000件もヒットするなんてことにはならなかったでしょう。

うーん、確信犯ですね。嘘も極めれば真となる、という長期スタイルのマーケティングの極意を垣間見た気分です。(笑)

実のところ村上さんご自身は表の意味でも裏の意味でもEAは吹聴に値すると考えられているようで、世論が賛否どちらに転んでも結論はそう違わないはずで、どうせどう転ぶかなんて判らないのだから粗々でも思い切ってガラガラポンとやってみよう、ということのようです。こういう、半ば狡猾とさえ思える実利志向の考え方は素敵です。

というわけで(?)、アンチから一転、私もこれからEAをアジることにしましたんで、そこんところよろしく。

さて、以下余談。以前にも

『新潮』で文壇デビュー?

というエントリでお知らせしました、私の書いた短編が『新潮』9月特大号に掲載されました。

『新潮』9月特大号
『新潮』9月特大号

「白紙のコンピューター文学」というタイトルの短編です。
ご感想をメールなどでいただけると、とても嬉しいです。

♪ The Brecker Brothers / Some Skunk Funk

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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