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デスマーチ化するビザ取得手続き

2004/06/01 19:43
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リニューアル以降、シリコンバレーへの赴任プロセスを主たる題材にすることにしていたのだが、あまりその手の情報を多く提供できていない。今更ではあるが、ビザ取得までのプロセスにおいては何かをやっている期間よりもただ待っているだけの期間の方が長いということに気付いた。

友人でpicsyプロジェクトをやっている鈴木さんからは、この状況を評して「『江島健太郎の千里眼』はカフカの『城』か?」とさえ。シリコンバレーを題材にしながらも永遠にそこへは到達できないかも知れないという、新しい前衛文学をBlogでやろうとしているのではないかと。。。それは勘ぐり過ぎですので悪しからず。

■新たな災難

それにしても、災難は続くものである。

実は、5月下旬になって未だビザの請願が開始されていなかったという衝撃の事実が明らかになった。

以前にもエントリをしたように、ビザの申請は専門の弁護士にお願いしている。特に今回はこちら側の時間的なリソース不足を補う目的で作業全体を一任できることを前提に、しかも「急いでいる」ということは強調した上での依頼だった。

最初の打ち合わせ通り、4月末には指示された書類を揃えて提出した。私としては、超多忙な日常の合間を縫ってこの期日に間に合わせるのには、徹夜を含む相当の苦労があった。

にもかかわらずゴールデンウィーク明けて一週間しても何の連絡もこないので、さすがに不安になったので進捗を問い合わせてみたところ、銀行の口座開設やら資本金の振り込みやらその送金控えが必要やら、そしてその後に書類一式に社長のサインが必要やらという。何だそれはということで、大慌てで手続きを進めているのが現状である。

今回のケースでは、日本と米国に弁護士がいて、日本側のカウンターの人が米国の実務担当の弁護士のメッセンジャーになってしまっていて、その連携がイマイチだったこと、そしてその日本側の人がタイムリーに指示(シグナル)を発することができない人だったことが敗因となった。

どうもこのまま任せてはおけないことがわかったので、私自身がプロジェクトマネージャ的な役割を担わなければいけなくなってしまった。自分でスケジュールを引いて、自分で関係者に連絡をとり、それぞれの進捗を管理する。畢竟、自分の経験則のない領域でのプロジェクトなので、定期的に関係者の注意を喚起するぐらいのことしかできない。こんな面倒なことになるぐらいなら普通は(当然ながら)契約を切るのだが、今回は(少なくとも移民局の請願に関しては)終盤に差し掛かっていることと、手戻りのリスクを考えて(現時点では)継続する選択をした。(微妙な状況なので微妙な表現になっていることをお許し下さい)

■プロ意識とは何か

本件からは多くのことを学び、反省した。(無論、ビザ申請は今なお継続中であり予断を許さない)

今回の件では、ここに書けないような微妙な事情が色々とあって、そのそれぞれが複雑な因果関係を結んで今の状況に繋がっている。振り返ってみれば、経験的に培った嗅覚が最初から「危なそうだな」というシグナルを発していたのだが、忙しさに負けて判断を誤ったというわけである。

迷ったらロジックよりも直観に従えとはよく言ったもので、「危険な臭い」は言語化できない、説明できない、あるいは説明に膨大な時間を要するものであることが多い。こういう場合、説明責任もへったくれもなく、とにかく結果オーライで説明不可能な直観的選択をするリスクを冒す方がよいケースというのは確実に在る。

そして、プロ意識とは何だろうということを考えた。納期間際になって一夜漬けで仕事をするという学生症候群は、プロフェッショナルの世界にもある(告白するが、私自身もそうだ)。そういう前提のもとでビザ申請のように納期がオープンなプロジェクトの主導権を委託先に任せてしまうなど、気狂いに刃物みたいなもんである。プロジェクトに緊張感をどう演出するかは、やはり発注側の責任ということになるのだろう。

また、プロジェクトが上手くいかないときに、その言い訳を外部要因に求めるのは最も安直でありがちな行動パターンである。今回もプロジェクトの過程で弁護士から「お役所は仕事が遅いですから。。。」のような台詞を何度か耳にしたのだが、プロジェクトが開始してから1.5ヶ月経ってもまだその「お役所」まで書類が届いていないのだから、笑いごとではない。

エドワード・ヨードンは、著書「デスマーチ」の中で「失敗は常態化する」と述べた。米国在住の諸先輩の話を聞いてみても、やはりビザ取得にかかる期間ついては予測が難しいということらしい。特に大企業だと、今回のようなケースに加えて人事部がさらに間に入ったりするので、当事者意識のない人々の緊張感のない仕事ぶりでダラダラと遅れてしまうであろうことは想像に難くない。ということは、この分野もソフトウェア業界と同じぐらい失敗が常態化し、プロとしての誇りを失うことに対し不感症になっているのかも知れない。

私がプロジェクトマネージャをやっていたときには、相手の気持ちを理解することを何よりも重視した。間違いを犯せばお客さんには頭を下げて謝ったし、何度も同じ間違いをして死にたくなるほど気まずい思いをしたこともあった。そんなときでも、プライドまで捨てたことはない。また反対に、遠慮がちな接し方による平穏はまやかしだと考え、いい加減な取り組み姿勢ならばお客さんであっても恫喝したことさえある。こうした擦った揉んだがあっても、目的意識が共有されていて本物の誠意があれば、やり遂げた後には必ず何かが残った。こういう体験を多くの人にして欲しいと切に願う。

随分と長い小言になってしまった。大家にはまた賃貸契約の延長をお願いしないといけない。もう3回目だから相手も慣れてきている。相変わらず友人たちから「いつ行くの(来るの)?」と聞かれるだろうが、「まだ決まってなくて、たぶん7月中ぐらいとしか言えないですねー」という繰り言を述べることになるのだろう。いい加減、期日ぐらいはもう少しハッキリさせたいものである。

海外へ行くためビザ取得を考えている皆さん、コンサルタントに騙されないためにビザを学びましょう。

♪ 角松敏生 / SEA LINE "RIE"

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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