先日、みのもんたさん司会の朝の報道番組「朝ズバッ!」を見た。
パネルを使ってみのさんがニュースを読み上げるコーナーがある。パネルに書かれた暗いニュース。「猫切りつけ相次ぐ、杉並の公園周辺」(TBSニュース)に関するパネルを説明する前に、みのさんは、
「暗いニュースばかりが多くて読むのが嫌になる」
と口にした。それを聞いてふと思った。
「そのニュースを選択し、報道しているのはテレビ局じゃないの?」
AFP BB Newsによれば、ルーマニアでは報道の半分を明るいニュースにしようということが議会で可決されたそうだ。
一部を引用する。
【6月26日 AFP】ルーマニアの上院議会は25日、国内のテレビ・ラジオ局に「明るい」ニュースと「暗い」ニュースを同じ割合で放送することを義務付ける法案を、全会一致で可決した。法案はトライアン・バセスク(Traian Basescu)大統領の承認を受け施行される。
この法案は超党派の動きで、暗いニュースが国民の健康や生活に与える「取り返しのつかない影響」を憂えた与党・国民自由党(National Liberal Party)と野党・大ルーマニア党(Great Romania Party)の2人の上院議員が提出した。
法案の目的は「社会全体の雰囲気を向上させ、日常生活において、精神的・感情的にバランスのとれたものの見方をする機会を国民に提供する」ことだという。
試みとしてはとても面白いと思っていたので、その後どうなるのか気になっていたが、ルーマニアの憲法裁判所では、明るいニュース法案は違憲との判断を下したとのこと。
一部を引用する。
【7月11日 AFP】ルーマニアの憲法裁判所は9日、前月議会が可決した国内メディアに「明るい」ニュースと「暗い」ニュースを同じ割合で放送することを義務付ける法案は違憲であるとの判断を下した。
この先、どのような展開になるのか興味深い。
ルーマニアの一件では、「現実には明るいも暗いもない」という指摘もある。
より一部を引用する。
ニュースの「明るい」「暗い」の判断は、国の視聴覚委員会に委ねられる方針だった。しかし、視聴覚委員会のRasvan Popescu委員長も「ニュースはニュース。明るいも暗いもなく、単純に現実を伝えているだけだ。このような定量的な基準がうまく働くとは思えない。世の中のできごとや人の心は、計画できるものではない」と述べるなど、消極的は反応を示していた。
確かに、事実には明るいも暗いもない。あるのは現実だけであって、明暗を決めているのは私達一人ひとりだ。だが一方で、暗いと感じさせる内容が多いのは事実だ。今現在もテレビ局の誰かの意志によってニュースが選ばれているのであって、「単純に現実を伝えているだけ」とは言いがたい。さらに、コメンテーターという人たちが事実を暗いほうへ煽り立てているのも見て取れる。現実を伝えるのならコメンテーターは不要なのである。
逆に、明るいニュースだけというのも危険だ。近隣のある国ではないが、いいニュースだけ流すというのは逆に情報操作になってしまうだろう。
暗い、明るいというのは表裏一体だ。暗いニュースの一方には明るい一面があるし、その逆もあるだろう。今起きている偽装事件だって、教員の贈収賄事件だって、その他のたくさんの事件だって、暗く思える一方で明るみになることによって浄化作用が働くのである。
現実は変えることができないが、伝え方で暗くも明るくもできるのである。それならば、一方的に暗いほうへ煽り立てるよりも、明るい側の視点や気づきも視聴者に提供することが、今後あるべき報道の姿なのではないだろうか?
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