最終更新時刻:2008年7月24日(木) 23時08分

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「プラス思考」と「プラス指向」−ネガティブな感情との付き合い方

公開日時:
2008/02/12 12:33
著者:
竹内義晴

2008/2/15 加筆修正しました。

昨日、親戚で法事がありました。お寺さんから「御堂さん」という冊子をいただいたのですが、その巻頭インタビューのタイトルは「人生プラス指向で」というタイトルで、オリンピックのメダリスト、有森裕子さんのインタビューで始まっていました。

プラス「しこう」という文字は「思考」が使われるのが一般的ですが、なぜ「指向」なのかな?となんとなく気になりました。それとともに、「プラス思考」の苦い経験を思い出しました。

システム開発で常駐していたときのこと、毎日のプレシャーで心や体が疲れていました。

「仕事は仕事、プラス思考で乗り切ろう」

本を読めば「プラス思考で乗り切れ」という話はよく書かれていました。「プラスに考えればその状況から逃れられる…」と思った私は、無理にプラスに考えようとしました。けれども状況は思わしくありません。逆に、潰瘍になったり、毎日が最悪に思えたり…。

当時はそれを対処する方法を知りませんでした。潰瘍の薬を飲み、つらい毎日ただ過ごすことしかできませんでした。体は薬で治ったように見えましたが、心は中々晴れません。

「感じている」ことと「考えること」の葛藤

あることをきっかけに、本をたくさん読んだり、心理学を学ぶためにセミナーに参加するようになりました。幸い、今では感情をコントロールできるようになりましたが、今から思うと、つらかったときに「プラスに無理やり追い込むこと」は好ましくないとも考えるようになりました。

つらさ、怒り、不安…体はつらいと「感じている」のに、頭ではプラスに「考えようとする」。こんな葛藤が広がると、余計につらくなる…。太陽の日差しがつよい夏には影も濃くなりますが、ポジティブな面に光を当てれば当てるほど、ネガティブな面が浮き出てくる…そんな感覚かもしれません。

けれども、一般的には「プラス思考で考えなきゃだめ」と言われたり、思ったりしている方も少なくありません。

ネガティブな感情には目を向けたくないものですが、ネガティブな感情にも意味がある。「怒り」や「不安」に目を向けることで、新しい自分の一面に気づくことができるかもしれません。これに気がつくと、ネガティブなときにポジティブに考えなくても、自分で自分を癒せるようになってきます。

「怒り」や「不安」の向き合い方

ネガティブな感情の裏にある「肯定的な理由」を見つける

怒りや不安が起きないようにコントロールできればいいのですが、怒りや不安は勝手に感じてしまうものなのでコントロールできそうにありません。怒りや不安、つらさを感じるときは、無理に押さえ込んだりポジティブに追い込むことをやめて、こんな3ステップを考えてみてください。

1:「ネガティブに思うのは仕方がない」と思う
ふっと浮かぶ思いはコントロールできないことを私達は知っています。思ったことは仕方ありません。思わないようにしようと思えば思うほど、思ってしまうものです。

2:「ネガティブに思う理由はなんだろう?」と自分に問う
ネガティブに思うのは、「何かに気づいてほしい」というメッセージだと考えられます。ネガティブな一面だけを見るとつい隠してしまいたくなりますが、向き合って、「何を言いたいのか?」を問いかけると、そこに肯定的な理由があることが多いものです。

例えば
 →あいつの態度が気に入らない
  →なぜ、あいつの態度が気に入らないんだろう?
   →あいつはいつも高圧的で、人の話を聞かない
    →なぜ、人の話を聞かないことが気に入らないんだろう?
     →私の仕事の結果をちゃんと聞いて欲しい
     →チームとして成果を出したい

3:では、今後どうするかを考える
また同じようなことが起きたとき、どうするかを考えておきます。

ネガティブな感情はポジティブな感情の裏返し。「聞いて欲しい」「成果を出したい」という「肯定的な理由」があることに気づくと、心のコントロールをしやすくなるでしょう。

普段から枠組みを変えて考える習慣をつける

心理学用語に「リフレーミング」という言葉があります。リフレーミングとは「り・フレーム」ですから「物事の見方の枠組みを変える」という意味です。

例えば、「頑固」という言葉はネガティブに聞こえますが、見方を変えれば「信念がある」とも言えます。逆に、「声が大きい」という言葉は、元気がいいように聞こえますが「威圧的」とも言えます。

普段は自分が思う一方向からの枠組みでしか物事を見ませんが、枠組みを変えて見れば悪いと思えることにもいいことがあるし、いいと思えることにも悪いこともある。見方を変えればいろいろあります。

自分で感じたまま自分と向き合って、物事の「違う面」「違う意味」を探してみてください。

プラス思考とプラス指向

「しこう」という文字には、たくさんの漢字があるのですね。

プラス思考:プラスに考える
プラス指向:事物がある方向に向く
プラス志向:心がある目的に向かう

世の中には、いいこと、つらいことの両面があります。ポジティブな面だけに光を当てるとネガティブな面が浮き彫りになるので余計につらいものです。感情を「考えること」で無理に押し込むことは少しやめて、ネガティブな面と向き合って、その肯定的な理由を探してみてください。

ネガティブなことが起きたとき、ポジティブに考えることは中々できないものです。何気ない普段の生活の中で、「ネガティブに見えるポジティブの面」「ポジティブに見えるネガティブな面」を見るクセをつけることで、実際にネガティブな状況下で、無理やりポジティブに考えなくても、自然とネガティブな面に隠れているポジティブな面を発見できるようになるでしょう。

プラスの時は、楽しいし、ワクワクします。けれども、

プラスにいれば…手放せないことがたくさんあります。
プラスからマイナスに落ちていくときは…つらいものです。
プラスと思えていることが、案外マイナスってこともあります。

マイナスなのはつらいものです。けれども、

苦しい中から最高のアイデアが生まれたり、
マイナスだから、頑張ろうと思えるときもあります。
マイナスの底を知ると、腹がすわるし、可能性しかありません。
マイナスと思っていることが案外プラスということもあります。

プラス思考でプラスだけを考えるのではなく、プラスでもマイナスでも、どっちだっていい。こう思えたらしめたものです。

思いという「指向」は「明日のほうがきっとよくなる」とつねにプラスに向けておいて、考えるという「思考」は普段から多面的に考えて、いざネガティブな状況になったときに自然とポジティブな一面を発見できるようにしておく。そんな普段の習慣が大切なのかもしれません。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

10

にんげんだもの

  red.green.blue on 2008/02/16

9

 lightspeed さん御丁寧な御返事ありがとうございます。
御指摘点を読み直してみると
確かにのの記事の場合
話題点(論理展開点)が複数あるように感じます

 議題自体をばらして(もしくは的を絞って)
一つ一つを深く論理展開した方が良かったかもしれませんね。

 ただコレを人に強制する姿勢はあまりよろしくないと思います。
同じ情報ソースに触れていたとしても人それぞれに
 * 解釈の仕方
 * 要約の仕方
 * 考え方は違う
訳ですから
だから人間は面白いと思います。(逆にみんな同じ考え方だったら不気味ですよ

★逆にlightspeedさん自身がこのお題に対して
blogをおこしてみてはどうでしょう?
lightspeedさんの考え方を
是非読ませていただきたいと感じます。


* 言葉としての受け取り方、受け取られ方の問題
* 思考・概念としての問題
* 思い込みとしての問題

 しかも主体が
自分の時と他者の場合(他者の思惑が絡む事が多々ある)<自分の場合はコレ
で解釈の仕方が違う(敢えて変えている?)と思うのですが・・。

  きむこう on 2008/02/14

8

きむこうさん、(以下引用)----
* どんなに仕事が溜まってきつい状況でも「プラス思考」で楽しいと思い込め
(引用終わり)----

思考と思い込みは同じですか?
そこまで意味がぶれると会話にならないと思いますが、もし本当に同じだという人がいたら、、、同情します。一度辞書でも引かせましょう。

では竹内さん、あなたの書かれた(以下引用)----
私は無理なプラス思考は危険だと考えています。

たとえば、上司に怒られたとして、嫌な気分になっているとき、プラス思考で考えるのもいいアイデアですが、そう思えば思うほど、相手が憎くなってくる。

だって、憎いんだもん。
----(引用終わり)

の中で、無理なプラス思考という表現が出てきますが、具体的に”プラス思考”とは何を指しているのですか? そしてそれがどう”無理に”行われているのですか?また「プラス思考で考えるのもいいアイデアですが」とのいいアイディアとは、何がどう”いい”のですか?

また最後の文章で(以下引用)----
意識的にプラスに考えるのもいいですが、「明日のほうがきっとよくなる」という、思いや心を常にプラスに向けておくこと。そういうことが大切なのではないでしょうか?
----(引用終わり)

とありますが、意識的プラス、のプラスとは具体的に何を言っているのですか?

”思考”と”思い込み”は意味違いますよね?

  lightspeed on 2008/02/14

7

lightspeed さま
コメントありがとうございます。
ご指摘は真摯に受け止めさせていただきました。

きむこうさま
コメントありがとうございます。
励みになります。感謝します。

  竹内義晴 on 2008/02/13

6

 lightspeedさん、ちょっといいすぎな気がします。<苦笑
頭からの否定では何も生まれませんよ。

 「プラス思考」という言葉だけが独り歩きしている現状では
いろいろな解釈があってもいいと思いますし、

私事の場合は上司に
* どんなに仕事が溜まってきつい状況でも「プラス思考」で楽しいと思い込め
* =>其のうち仕事が楽しいと感じられるようになるはずだから
という言い方をされることが多々あります。

 こういう人にいう事を聞かせるような事柄で使われる
例も肯定できるのでしょうか?

 所詮言葉ですから、使う人によって使われ方・解釈のされ方
が違うのではないでしょうか。

  きむこう on 2008/02/13

5

あなたが間違ってるだけです。なぜか?あなた自身が「おかしい」と考えているのが何よりの証拠です。少なくともあなた自身にとって、あなたの考える使い方で、あなたの思っている意味が実現しないのですから、プラス思考で考えることが問題なのではなく、プラス思考の意味の定義と使う場面があなた自身の中で矛盾しているのです。「おかしい」と感じるのが何よりの証拠です。
にもかからわず、間違った使い方で『「プラス思考」はもうやめませんか?』などと非常に偉そうに言うのは、目に留まっただけでも非常に腹立たしい限りです。こういう何の根拠もなければ、真剣に研究したわけでもないのに、思いつきで物事を断定し、ブログと称してネット上に出版する。そういう行為こそやめませんか?というか、やめていただけませんか? あなたのこの記事は本を出すのと同じことなのですから。

  lightspeed on 2008/02/13

4

吉澤さん
コメントありがとうございます。
一般的には「プラス思考しなければならない」と思われているかもしれません。けれども、それ自体がプラス思考ではないという、鶏と卵のような関係に気づいたのは、私の人生で大きなネガティブ事件があったからなんです。長くなりそうなので、それはまた記事にして書いてみたいと思います。

  竹内義晴 on 2008/02/12

3

とても参考になりました。プラス思考という言葉の捉え方も人それぞれなのですね。

私は、プラス思考というよりポジティブシンキングという言葉で表現するようにしています。
これはポジティブ(肯定的)に物事を捉える、つまり竹内さんが怒りや不安をコントロールしようとする術そのものを指していました。

世の中には、このような意味でプラス思考という言葉を捉えている人って、意外に少ないのかな?

  吉澤準特 on 2008/02/12

2

亮大さま
コメントありがとうございます。
「本音と建前」…ありますよね?。私にも普段の生活の中で「よし、頑張らなきゃ。」って、自分に気合を入れることもあります。一般的に私達は「頑張らねばならない」と刷り込まれているので、自分に無理をしないで、フタをせず、本音を掘り下げることを忘れなければ、自分の中での「本音と建前」もOKではないでしょうか。

  竹内義晴 on 2008/02/12

1

非常に興味深く読ませて頂きました。
私も、頭ごなしに「プラス思考」と言われることに疑問を感じることがあります。竹内さんが仰っている、思考を無理やりプラスにもっていくのではなくて、思いや心を常にプラスに向けるのがいい、ということを私自身心がけたいなと思いました。

後、私がたまに感じるのは、プラス思考も「本音と建前」かな、ということです。場合によってはまずプラスに考えよう、ということも必要になるので、そんな時は後で自分の本音を掘り下げてみて、折り合いをつけるのもいいのかもしれませんね。

  亮大 on 2008/02/12

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