以前、2008年は「手ごたえ経済」−ITはどこへ行く?という記事を書いた。それ以来、博報堂生活総合研究所の生活動向2008の中にある、
いま、日本は「喪失の時代」
という言葉になんとなく引っかかりがあった。
『「喪失の時代…」どこかで聞いたことがある言葉だなぁ。』
日比谷線に揺られながらふと思い出した。
「喪失の時代…そうだ、戦争だ」
以前、ある方から戦争の喪失の時代の話を聞いたことがある。戦争中の国民は勝利に向けて「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ」んでいた。けれども、残念な結果となった。今までの価値観ががらっと変わった。今までよかったものはダメになり、今までダメだったことがよくなった。それを味わった世代は、今までの理想や価値観ががらっと変わり、「理想を喪失した」のだそうだ。
「戦争が終わったときと、今って似ているのかな?」とふと思う。すると、日比谷線の車両の広告に目がとまった。
「戦略経営」
戦争をしていないようで、私たちはずっと見えない敵と戦っていたのかもしれない。戦っていない私たちの周りには「戦」「争」という言葉が多いことに気付く。
「戦略」「戦術」「作戦」「競争」…私たちは何と戦っているのだろうか?見えない敵はどこにいるのだろうか?
同業他社?会社?同僚?親?
歴史は繰り返すと言う。歴史の周期を調べると60年や70年などで多くの一致が見られると言うが、終戦は1945年、今から63年前のことだ。60年を過ぎた今、私たちはITという武器を持ち、見えない敵と戦っている。
それは、勝利なのか?敗北なのか?「喪失の時代」というのなら、敗北なのか?テレビを見ていて感じるのは、勝利ではなさそうだ。
敗北は決して悪いことではない。影があるから光がわかる、悪があるから善がわかると先人は言った。敗北があるから理想がわかる。理想の中に居るだけではそれを感じることができない。敗北は重要なのだ。そこから学んで、生かせばいい。
それを生かそうとするとき、多くの人はそれを社会のせいにする。「国が悪い」「政府が悪い」「同業他社が悪い」「会社が悪い」「市町村が悪い」・・・
でも、そうやって単位を小さくしていくと、辿り着くのは自分だったりする。
見えない敵は、自分なのかもしれない。そして、変わらなければならないのも自分なのかもしれない。
私たちは資本主義の中に生きている。それがいいのか悪いのかはわからないが、ずっと見えない敵と戦ってきた。戦争が終わり、喪失したときに価値観が大きく変わったように、「喪失の時代」に生きる私たちはそろそろ価値観を変える日が近づいているようだ。
「お金」「成功」・・・確かに大切だが、自分の外に理想を求め、戦いあうのはもう終わりにしたい。理想は、自分の中にしかないのだから。
やっぱり、見えない敵は自分なのだ。でも、見えない敵は自分だから、思い一つでいくらでも見方にもできるのだ。
で、どうするか?
自分がどうありたいのか?自分と向き合ってみるしかない。見えない敵は、見ようと思えばすぐそこにいる。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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