経済産業省の事業でオープンソースのCMSであるXOOPSが使われている「街元気プロジェクト」というWebサイトがある。地域におけるまちづくりの理解者を増やし、まちづくりに携わる人を支援し、まちづくりの中核的推進役となる「街元気リーダー」の育成を推進するというのがそれだ。
「オープンソース」と聞くと「お金がかからない」との思いが真っ先に浮かぶが、このプロジェクトでは「お金かかってるなぁ」と思うことがある。
(注:Wikipediaによれば、「オープンソースとは、ソフトウェアの著作者の権利を守りながらソースコードを公開することを可能にするライセンス(ソフトウェアの使用許諾条件)を指し示す概念である。」とあるが、ここでは、「ソースコードが無償で公開されていることを基本とした様々な定義」という意味で捉える。)
なぜ、「お金がかかっているなぁ」と思うのか?その理由は・・・。
このプロジェクトを知ったのは、2005年のことだ。
私の自サイトは以前、CMSとしてXOOPSを使っていた。XOOPSのポータルサイトに「「街元気プロジェクト2005」 XOOPSを使ってe-Learning!」という記事に目が留まり、その存在を知った。
「国がいよいよオープンソースか!」「経済産業省のプロジェクトにXOOPSがどんな使われ方をしているの?」と興味を持ち、地域活性化よりもXOOPS の使い方に関心を持った。SEで飯を食おうと起業していたので、オープンソースでのシステム提案の可能性を感じたり、何らかの出会いのきっかけ作りにもなるかもしれないと思い、無料で会員募集していたので申し込んだ。一度だけセミナーに参加したこともある。
街づくりの理論的なことはeラーニングで学べる仕組みで、街づくり、業態開発、店舗開発など、理論的なことを一通りのことを無料で学ぶことができる。eラーニング部分はXOOPS以外の仕組みも入っているように思えるが、現在も基本部分はXOOPSが使われている。
経済産業省の地域活性化のための投資・・・知識を持ってもらい、地域活性化に役立てて欲しいという思いはすばらしい。参加費も無料で、コンテンツも参加者側の利用価値は十分にある。
登録して当初は頻繁にeラーニングで学んでみた。けれども、私の仕事がSEからチーム運営に変わり、学びもITから人材育成に変わってきて、次第とそのサイトに行くことが疎遠になった。それから2年が経過した。
こちらからお願いはしていないのだが、年末になるとありがたいことにプロジェクトの事例を載せた冊子が送られてくる。2006年にも送られてきたが、2007年12月末にも送っていただいた。その冊子とはこれだ。

一年分で厚さ3センチほどのドキュメント。それほど部数が出るわけでもないだろう。どのぐらいのコストがかかるのか?内容は、eラーニングのテキストや事例集。
このプロジェクトを知った当時「いよいよ国もオープンソースでコストを抑えてシステム調達を始めたか!」と、画期的な試みに思ったことを思い出す。
サービスについては、私は無償で受けているので文句のつけようがない。けれども、この冊子が届くたびに「オープンソースでコストを抑えたシステム調達」と思い込んでいた私は矛盾を感じることになる(特に諸問題が多かった去年は…)。システムはコストを抑えられたかもしれないが、プロジェクト全体を見たコストのかけ方には疑問が残る。参加者のためによかれと思って配布されているのだと思うが、参加費は無料なのだから、PDFデータで渡すなど、もう少しコストも意識してはどうか?
2005年と言えば、日経コンピュータ2005年11月28日号「検証 電子政府」という記事が出た。同誌を抜粋したITProの記事によれば、「電子政府に5年の歳月と3兆円超が投入され、 96%をカバーするという電子申請システムの利用率は1%以下。使われないシステムに多大な税金が投入された」とある。また、「政府 オープンソース」というキーワードで検索いただくと、興味深いことに2005年近辺に「政府オープンソースを支援」などの記事が多いことに気づく。「街元気プロジェクト」も国の施策としてIT化が進められた時期と一致する。オープンソースにも「オープンソースでシステムを作ること」が目的化されてはいなかったか?プロジェクト全体のお金の使い方は考えられたのか?
このようなお金の使い方の矛盾を思うと、他にもっとコストをかけるべき昨今の諸問題があるのでは?と思ってしまう。
数日前、クイズ番組で「世界中でもっとも借金がある国は?」という問題が出題されていた。回答は日本。少なくとも、私の分はこれ以上コストをかけていただかないよう、早速手続きをしたいと思う。
最近は政府のオープンソース支援は続いているのだろうか・・・。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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