あるおじさんから電話がかかってきた。「パソコンの調子が悪いので相談にのって欲しい」とのこと。
おじさんのお宅に到着。
A4の紙に「打ち合わせリスト」をWordでわざわざ作り、印刷して待っていた。パッと見60歳ぐらいだろうか?かなりの気合の入れようである。気合負けしないように、とにかくおじさんの話を聞くことにした。
おじさんは中古パソコンにはまっているようだ。オークションで中古品を落札するのだけれど、残念なことにおじさんにパソコンの知識はない。だから、買うだけ買って、動いていないものがたくさんある「トホホおじさん」だった。
話の節々に「中古」という言葉が出てくる。「中古でいいヤツありませんかね?」なぜおじさんが「中古」にこだわるのだろう?きっとおじさんの頭の中は、「中古」=「安い」の構図が出来上がっているのかもしれない。
「それらをまとめて新品一台・・・」とは口が裂けても言えそうにない。
おじさんが困っていたのは、次の2点だった。
■巨大ハードディスクを外付けとして使いたい。
おじさん:「これを外付けハードディスクとして使いたいんですが・・・」
SCSIボードと四辺が30センチぐらいのドでかいハードディスクが目の前に登場。いくらで落札したのだろうか?
私:「使えないことはないと思いますが・・・(苦笑)」
(もちろん中古の)おじさんのデスクトップにSCSIボードとハードディスクを接続して電源を入れたらとりあえず動いた。30センチ四方の巨大なそれは、まるで工場の大型扇風機並みの音を立てた。うるさくて使いものにならなそうだ。しかも、ディスクの容量はたった4GBだった。
私:「うるさくて使えませんね・・・」
けれども、トホホおじさんは動いただけで満足そうだった。
■コネクタ違いの液晶モニタをどうしても使いたい
やっぱり、オークションで落札したというモニタを持ってきた。
おじさん;「これをどうにか使いたんだけれど・・・」
コネクタは専用品のようだ。かなり特殊な形をしている。
私:「これは無理ですね・・・諦めてください」
おじさん:「これに合うパソコン、探せませんかね?」
モニタのためにパソコンを買う・・・ここまでくると本末転倒である。
私:「オークションで探せばあるかもしれませんが、諦めたほうが・・・(苦笑)」
おじさん:「では、コネクタを分解して加工してくれるところを知りませんか?」
どうしてもそのモニタを使いたいらしい。
私:「できないことはないと思いますが・・・加工費を考えると新しいものを買ったほうが安くていいものを買えると思いますよ」
「新しいもののほうが安くていいもの・・・」ここだけは言ってはいけない一言を言ってしまった。
トホホおじさんはとても残念そうだった。
***
作業が終わって、おじさんはコーヒーを入れてくれた。コーヒーをすすりながら、おじさんのこれまでのパソコン人生や仕事の話を「今まで大変でしたね」とお伺いして帰ってきた。
中古が大好きなトホホおじさん。
「それは諦めて新品のほうが安くていいものがありますよ・・・」と最初から言い切ってしまってもよかったのだが、トホホおじさんの「中古・命」を崩してしまうのはなんだか申し訳ない気がした。
物を大切にするという意味では、トホホおじさんを見習いたいものである。くれぐれも、使えないものを買って無駄遣いはしないように・・・。
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kmizukami さま
コメントありがとうございます。
「自分のスタイルを持っている」確かにそうかもしれませんね。