今日、こんな記事を読みました。
著者の方は「後ろ向きな発言をする人を理解できない」とおっしゃっています。そうお思いになるのも不思議ではありません。私も20名のエンジニアを抱えた当初、よくそう思ったものです。
心理学を学んだ今となってはその理由がよくわかります。後ろ向きな発言をする人にも、人それぞれ考え方や価値観があって、人それぞれが違います。言葉で書くと、「そんなこと、当たり前」ですが、いざ人に接するときは「いかに自分が正しいか」を主張するものです。
(そういう私も、今、ここでそれを主張しようとしているのかもしれません・・・)
相手と自分と違うことに気がつき、受け入れることが人間関係やプロジェクトを進める上でのコツ中のコツ。自分の意見こそ正しい、相手を変えて、自分の考え方に合わせようとすると、うまくいかない・・・。
私もマネジメントを任された当初、「〜すべきだ」「〜ねばならない」「なんでできないの?」「こっちのほうがいいよ」という「自分の正しさを主張する罠」にずいぶんとはまったものです。
さらに、これを理解する前はノウハウにもいろいろと手を染めました。PMP、ITIL…「○○ではこうなっている。だから、こうするのが正しい」と。また、これが大企業の方や上司に説明するのに都合がよくて・・・(笑)。
けれども、コミュニケーションの方法を学んだ後、表面的なノウハウは一切必要なくなりました。
チームビルディング、もちろん、システム開発・運用のプロジェクトにおいても、やれ目標管理だ、ITILだというノウハウ・手法はあまり必要ないと思うようになりました。表面的なノウハウやツールを導入しても、チームは変わらない・・・。
表面的なノウハウではなく、本質を変えればいいと気がついたんです。
「自分と相手は考え方も好みも違っていい」
交流分析というコミュニケーション理論があります。その中になる、この言葉が私は好きです。
I'm OK - you're OK.
私もOKで、相手もOK。自分のことは正しいと思ってしまうけれど、それすら本当なのかわからない。自分の正しさを主張しないこと。正しさは人それぞれにある。客観的な正しさはない。すべて正しい。
けれども、多くの管理者は「正しさ」を主張します。自分の考えがいかに「正しいか」を主張し、それに部下を従わせようとします。
それでは、うまく行きません。
チームビルディングのコツは、「正しく仕事をさせる」のではなく「楽しく仕事をさせる」こと。
本当にそうなのか?その答えは、
Yes。
実際、そうやって私はチームを動かしてきました。仲間が育つのも楽しかったし、それを見ているのも楽しかった。リーダーの仕事って、本当は楽しいんです。
もちろん、主張したくなるときも・・・あります。人間ですから(笑)。
後ろ向きは自暴自棄だ、罪悪だ、背任行為だ。あなたは間違っている。自分自身を否定している、だから、正しなさい・・・といわれて、ポジティブになる人はいません。理想を並べてもほとんど無駄。「それでは評価されない」と脅迫して外的にコントロールしようとしても人は行動しませんし、「あなたが責任者だったらどう思う?」と問いただしても責任者になったことがないのだからその気持ちは分かりようがありません。
(私も以前よく、「経営者の立場になれ」と言われました。そのときはそのときなりに考えてみましたが、経営者になった今、断言します。「経営者の立場なんてわかるはずがない。」(・・・それだけつらいことも多いということです。)サラリーマンの上司にだってわかるはずがありません。)
自分のことすらそう簡単に変えれらないんです。だから、相手に変われというのは・・・「ちょっと待って」と言いたくなります。
ちなみに、「後ろ向きに考える」のは、無意識に考えてしまうのですから仕方ありません。それを無理に前向きに考えることができるようになるのでしょうか?それは、
No
眠れない夜に、眠ろう眠ろうとすれば余計に眠れなくなりますよね?それと一緒。「眠ろう」とするのは、「今私は眠れない状況である」ということを証明しているようなものです。今、試してみると分かりますよ。眠ろう眠ろうと考えてみてください。眠れるわけがないと眠れないことにイライラしてきますから。
つまり、「無理に前向きに頑張ろうとすること」=「私は今後ろ向きな状態を証明すること」と同じなんです。
「今、ここ」だけを見ても改善しません。後ろ向きな部下を改善するのは「なぜ後ろ向きに考えなければならなくなったのか?」から取り組んでいくとうまくいくことが多いです。
相手が後ろ向きに考えることを受け入れてみましょう。価値観を受け入れてみましょう。
十分に話を聞いてあげる。「不満を何でも話していいよ」と、自分の意見を脇に置いて相手に溜まっているものを出させてあげる。
「今まで、大変だったね。よくがんばってきたね」
ネガティブな感情を言葉で吐き出させてあげることがとても大切です。ポジティブに考えさせるようにするのは、それから。
ポジティブに自然に考えるようになる仕組みは、先日書いたので読んでみてください。
「人間の感情」と「インターネット」の関係
なぜなぜ分析という言葉がありますが、人の問題のときは、なぜ「ネガティブな発言をするのか?」「その対策は何か?」ではなく「どうすればポジティブに考えてもらえるようになるか?」「今できることはなにか?」を考えたほうがうまくいきます。
なぜなら、人に問題追求をしていくと、「お前の○○が悪い」と、人格を否定することになってしまう恐れがあるからです。
究極のチーム運営は、「頑張らないで頑張らせる」ことだと考えています。「頑張る必要がある」こと自体に無理があるのです。もちろん、普段の仕事の中では納期に迫られ、一時的に頑張らなければいけないときもあります。そういう、一時のことではなく、長期的に見たときに、「自然と頑張れる状況」を作りだすことが、必要だと思うのです。そのためには・・・
文面が足りなそうなので、こちらを読んでみてください。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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