最終更新時刻:2009年11月27日(金) 8時00分
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なぜITのエンジニアが心理学を学んだのか?

公開日時:
2007/11/05 16:32
著者:
竹内義晴

このブログのタイトルは、「ITと人間の意外な関係」だ。

これから数回に渡って、「ITと人間の意外な関係」の由来と、ITと心理学の対極を見て気がついた意外な関係について何回かに渡って書いてみたい。

今回は、ITのエンジニアが心理学を学んだきっかけだ。

私は元SE兼プログラマだ。大小さまざまなシステムを作ってきた。特に当時、Javaの技術力には自信があった。仕事はきつかったが、自分でシステムを作っている充実感、稼ぎ頭という自信、技術について部下がくれた信頼感・・・。

楽しかった。

けれども、年齢がそうさせるのか、コンピュータを動かす世界から人を動かす世界に行く順番が回ってきた。そう、マネジメントだ。もっとも嫌ってきた仕事。「俺が作りたいのはシステムだ、プログラムだ。人なんて動かしたくない・・・。」そう思っていた。周囲にも楽しそうに管理職の仕事をしている人は皆無だった。利益優先、残業代カット、文句ばかりの上司・・・。そんな管理職になんかなりたくなかったし、全然楽しそうに見えなかった。

結婚を控えていた。転職しようか悩んだが、結果的には技術を磨くことを選択し、結婚して一ヶ月後に33歳で転職した。

しかし、転職がさらなる悲劇の始まりだった・・・。

転職先は、大企業に常駐している中小企業だ。大企業からの中小企業への扱いは最悪だった。

  • 「もっと提案してください。」
  • 「全て何かをするときは報告してください。」
  • 「なぜスケジュール通りにできないんですか?」
  • 「この不具合は、あなたにスキルがないからですよ。」
  • 「パッケージの不具合を見越して作ってください」

自分で動けと言われたり、動くなと言われたり・・・。常駐先はとにかく我々を責めた。

  • 「最初から無茶なスケジュールを引かせるあなた方が・・・」
  • 「パッケージの不具合を見越せるわけないでしょ?」
  • 「何で夜中にシステムがトラぶって、社員は出てこないのに我々が出てくるの?」
  • 「っていうか・・・社員がもっとしっかりしろよ。」

いろんな疑問があったが、立場的に言えるわけがなかった。

IT業界に入って、いろんな会社の人々と仕事をしてきた。起業し、第三者になった今、各SIerや大手のベンダーと比べても、当時の私たちの技術スキルやコミュニケーションスキルは決して劣っていなかったように思う。それでも責められ続け、さすがに仕事に行くのが嫌になり、私は潰瘍で毎日胃がキリキリ痛んだ。家族にも「そんなにつらいなら、もう辞めていいよ」と言われる始末だった。

常駐先のプロジェクトは、一つの工場を立ち上げる大きなプロジェクトだった。各地から技術者が集められた。プロジェクトが終盤に近づくにつれ、多くの技術者・管理者がプロジェクトを去っていった。胃が痛む最悪の状況の中で、地元採用だった私は、管理職が嫌で転職したのに、何の因果か常駐メンバーをまとめる管理職になることになった。

個人的にもずいぶんと責められたのに、他の人の分まで責められるのかと思うと逃げたくなった。

けれども、自分が味わってきたこのつらさは他の人には味わわせたくないと思った。年齢的にも私が一番適任だった。仲間のプログラマやSEにイキイキと楽しんで仕事をして欲しかった。常駐先も見返してやりたかった。

今まで散々プレッシャーをかけられてきた。プレッシャーをかけるだけでは人は育たないことだけはわかる。でも、それ以外にどうすればチームはまとまり、人は育つのか?楽しく仕事ができるようになるのか・・・?

目標管理?目標をブレークダウンしてやる気を引き出す?そんな表面的なノウハウではダメなことも、これまでの経験でわかっていた。

たくさんの経営者や著名の本に救いを求めた。多い時には一日一冊以上の本を読んだ。その結果、多くの人たちが言っているチームを動かすための共通点が見えてきた。

あわせて、心理学やコーチングに数百万円かけてセミナーに通った。なぜ自費でそこまでしようと思ったのか不思議だが、とにかくどうにかしようと一生懸命だった。

学んだ知識を現場で試した。たくさんの失敗もしたが、さまざまなノウハウを繰り返していくうちに、いつの間にかチームを動かすことがとても楽しいと思えるようになった。今まで責め続けられ、決していい雰囲気ではなかったメンバーの表情が明るくなってきた。

「チームを動かすには、なぜ人が行動するのかということから知る必要があるんだな。」

ITのエンジニアが、人にも関わっていく重要性を知った。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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