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フォンタナ・オーケストラと早稲田で見た夢−−セカンドライフのイベントの未来

2008/04/12 17:34
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プロフィール

殿岡良美

幻の博覧会「世界都市博覧会」で、インターネットを応用した公共イベント企画をプロデュースしたことが、ネットでの活動の出発点でした。しかし結果はご存知の通り。あるいはその未完の記憶が満ち足りない思いを私に残してしまったのか、ネットという愛すべきも、摩訶不思議で捉えようのないものに惹かれ続けてきました。リアルとネットが激しい火花を上げている今日。CNETでは、あらゆる前提や先入観にとらわれない視点から、BigBang的なIT論を展開したいと考えています。
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セカンドライフの早稲田SIMでは、「青空フリーマーケット」と題して、制作者が商品を展示できる、いわばバーチャル世界の青空市のようなものを26店参加の元に実施してきた。(主催:ParadiseParty)
当初は出展者が集まるだろうか、来場者がいるだろうか、ガラガラだったらどうしようなどと心配していたが、各出店者に、必ず1点フリーアイテム(無料アイテム)を出してもらったことが功を奏したのか、4月1日からの12日間で、今日までに3100人の来場者を集めることが出来た。1日平均だと、およそ260人ほどになる。それほど多いと言えるかどうかは微妙なところだが、現在のセカンドライフの規模、そしてこのうち1日には、セカンドライフに大きなトラブルが生じ、ほとんど丸1日ログインできなかった日が含まれていることを考えれば、延べ数であるとは言え予測を大きく上回る数字になりSIMオーナーとしても驚いている。また、海外の英文サイトに紹介されたこともあり、外国人の来場者も多く見られた。(14日まで実施)

また、後述するが、フリーマーケット関連イベントである「フォンタナ・オーケストラ」のコンサート当日である10日には、上限設定した80名のぎりぎりまで人が入り(もっとも出演者がそのうち20名ほどもいるのだが)、重さとSIM落ちを心配しながらの運営となった。セカンドライフでは1つのSIMにせいぜい50人程度しか入れないといわれてきたが、最近投入されたサーバによる新しいSIMにおいては、100人近くが可能になっている。また、いくつかのSIMを連結することによりこの制限を越え、150名オーバーの集客を行うSIMも出てきている。
数百人単位の集客の数字が出てくると、それに派生して参加者のブログへの掲載、そしてWeb媒体を中心にした、紙を含めたメディアへの告知などを考え合わせると、プロモーションとしても小規模ながら成立する萌芽が見え始めていると言えるだろう。
そんな中で、競うように行われているセカンドライフ内のイベントは、今後のバーチャルワールド内でのイベントプロモーションの運営の実験場となっており、リアルのイベントとは全く事情の異なった要素が散見される。現在は生みの苦しみであるとは言えるのだが。

さて、前段で触れた「フォンタナ・オーケストラ」は、セカンドライフ内では広くその活動が認識された、クラシックの交響楽団である。フォンタナ・オーケストラは、リアルの「株式会社フォンタナ・フィルハーモニー交響楽団」から音源の提供を受けている。今回のフォンタナの演奏の音源には、このリアルの「株式会社フォンタナ・フィルハーモニー交響楽団」の演奏が使われた。
フォンタナ・オーケストラは、SLのメインランド内にあるオーケストラの街「フォンタナ・ミュージック・タウン」を拠点として、演奏活動を続けている。昨年の 12月には「年末ライブ第九コンサート@フォンタナ・ミュージック・タウン(FMT)」を実施したほか、多くのSIMで招かれて演奏活動を展開、さらにこの4月にはリンデンラボから正式に招待を受け、公式SIMで1時間にわたって演奏する予定である。(メンテナンスが重なったため今日現在、日程は未確定)まさに彼らの活動が認められた結果であるといえるだろう。

セカンドライフ内の「フォンタナ・オーケストラ」は、言うまでもなくアバターが演奏するわけであるが、かならずしも操作をする人間が楽器を演奏できるわけではないし、またその必要もない。早稲田SIMでは20数人の演奏者が集まって、バイオリン、ビオラ、オーボエ、チェロなどの楽器を担当したが、それぞれが必ずしも楽器の演奏技術は持っていないわけである。楽器に仕込まれたアニメーションが、アバターを通して演奏の疑似体験を与えてくれる。疑似体験とは言え、流れる音源は、本物のプロの演奏者が奏でた実際の緊張感ある演奏である。楽器を携えたアバターを通じて、この緊張感と感動を共有できることが得がたい魅力となることだろう。

早稲田SIMでは、定刻になると講堂前に設置した舞台に演奏者が上がり、夜空にきらめく星の下で、50人ほどの観客と一緒に40分余りの演奏を楽しんだ。アニメーションのスタートと、音がぴったり合わなかったのは、人数ぎりぎりまで入ったSIMの重たさも関係していただろうが、演奏者も観客もそれも含めての緊張感を味わった。

 

 

このイベントの実施はSIM内のイベントグループであるParadise Partyのスタッフが担当し、前日にはリアルのイベントさながらのリハーサルを実行し、Noteで台本を閲覧した。またオーケストラへのキューはセカンドライフのHUD機能を使い、スタッフや演奏者同士の連絡はグループチャットが使われた。今回は使われなかったが、最近定着してきたボイスチャットを使ったイベントも増えてきている。
過去に博覧会などのイベントに関わってきた視点からすれば、当然ながら現在セカンドライフ内で行われている現在のイベントのレベルは低い。実際、イベントの途中でスタッフや重要な出演者が落ちていくことは日常茶飯事であり、ハプニングの連続である。今回もそうであった。(苦笑)だが、観客もまだそれを暖かい目で見守っているところがあるし、実際この1年セカンドライフを見てきた目からすれば、イベントの運営の質も、またそこで繰り広げられるステージも格段に進歩している。

 

会場のSIMに入りきれなかった人のために、動画のストリーミングを利用して、他のSIMで映像を実況中継するといった試みも、最近では普通に行われるようになってきた。ここから数年後には、セカンドライフ内のSIMに数百人が集まり、さらにそれが同時中継されることで、数千人単位の観客を巻き込む大規模なイベントが、普通に行われるようになるだろう。その日はすぐ近くまで来ている。

もちろんパソコンのスペックの問題や、専用プログラムの操作性の問題、サーバのパフォーマンスなどの課題は相変わらず残っているのだが、「フォンタナ・オーケストラ」の先駆的な試みは、確実に支持を受けているし、そうした多くのパフォーマンスグループが今後は競ってそのステージに磨きをかけていくことだろう。

それにしてもバーチャル世界の進歩は本当に早い。来年の今頃にこの原稿を読み返して、その間の変化の凄まじさに驚き、苦笑するのは筆者自身かもしれないというか・・・いやおそらくそれは間違いないだろう。

 

【参考リンク】

早稲田SIMブログ
http://waseda.slmame.com/

【4/14 修正】
※リアルの「株式会社フォンタナ・フィルハーモニー交響楽団」とバーチャル世界の「フォンタナ・オーケストラ」は現在、音源の提供を除いては商業的な連携は行っておらず、SLの「フォンタナ・オーケストラ」は、同社とは全く別のボランティアの演奏グループである旨、関係者からお話をいただきました。そのため、一部原稿の削除修正を行いました。ご了解ください。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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